起業準備中はご自身の夢や展望を思い描いてワクワクする一方、生活の維持や経済的なご不安も少なくないと思われます。せっかく温めてきたアイデアやビジネスプランがあるのに、お金の不安から二の足を踏んでしまうのは非常にもったいないことです。
もし、手持ちの創業資金とは別に、返済不要なまとまった資金があればどうでしょう? アイデアやビジネスプランの実現可能性や実現速度がグッと高まるのではないでしょうか。
創業補助金、正式には『創業・第二創業促進補助金』といいます。経済産業省の管轄で、国の政策に応じた事業を実施する事業者に交付されるお金のことで、返済不要です。ただし、誰にでも交付してくれるものではなく、経済の活性化など、国・行政の政策目的を達成してくれそうな人に補助するため、公募した後、採択という形でふるいにかけられます。
採択というのが一番のポイントで、事業の可能性をアピールして選んでもらう必要があります。ドリームゲートにも創業補助金についての相談が多数寄せられていますが、「条件が合うから申請したら、たまたま採択された」というものではなく「あらかじめ準備して、狙っていく」という場合が多いです。
※)金融機関等を除いた認定支援機関としての採択件数
ドリームゲートアドバイザーには、創業補助金の採択実績で日本No.1(※)の専門家をはじめ、
東京・大阪・名古屋・福岡・北陸など全国をカバー。是非ご相談ください。
この記事の監修・執筆:ドリームゲートアドバイザー 小林暢浩
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・補助対象は創業に係る、店舗借入費、設備費、人件費、マーケティング調査費など
・補助率は対象経費の3分の2で補助上限は200万円
・税理士などが登録する「認定支援機関」から支援確認書を発行してもうら必要がある
・返済の必要なし
補助率 | 補助上限額 | |
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創業 第二創業 | 補助対象経費の 3分の2以内 | 100万円以上~200万円以内 |
事業内容 | |
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「創業」 | 地域の需要や雇用を支える事業や海外市場の獲得を念頭とした事業を、日本国内において興すもの。 |
「第二創業」 | 既に事業を営んでいる中小企業者又は特定非営利活動法人において後継者が先代から事業を引き継いだ場合に業態転換や新事業・新分野に進出するもの。 |
創業補助金は平成25年(2013年)からスタートし、毎年4月~5月辺りに公募が開始されます。
2016年(平成28年度)の募集期間は平成28年4月1日(金)~平成28年4月28日(木)17時(必着)です。⇒参考情報はこちら
2015年(平成27年度)は応募総数1170件、採択総数775件と年々ハードルが高くなっております。
※平成25年採択率:83% → 平成27年採択率:66%
また、これは例年同様ですが、創業補助金で最も注意する点は、補助金が後払いであるということです。しかも採択から補助対象期間が終わった後で、実際に支出したかなり後になるケースが多いですので、その間の資金繰りには充分注意する必要があります。支出する時期や報告書類や証憑類の整備といった事務処理など、一定のルールを守らなければ受給を受けられないので、これらも注意する必要があります。
2016年の創業補助金、採択のハードルは低くありませんが、仮に300万円が対象経費と認められれば200万円の補助を受けることができますので、チャレンジする価値は大きいでしょう。
例年、創業補助金の告知から応募締切まで、わずか1ヵ月というタイトなスケジュールとなっています。書類作成には認定支援機関に依頼しなくてはならないということを考えても、早めの準備が必要です。募集前から入念に準備を進め、十分に練った事業計画書を作成することがポイントです。
創業補助金としてお金がもらえるのは交付決定があってから、約1年後となります。
ということは、補助金対象期間は自己資金や創業融資などでお金を用意し、自力で事業を回す必要があります。ですからその前に会社が倒産した場合には精算が不可能となってしまいます。
また、3分の2は補助で補えますが、残り3分の1は自己資金です。このことをしっかり踏まえ、少しでも早く事業が起動に乗るよう計画することが大切です。
認定支援機関は、中小企業が安心して経営相談等が受けられるために、金融機関、税理士、公認会計士、弁護士などの経営革新のプロフェッショナルを国が認定する公的な支援機関として位置づけられています。中小企業・小規模事業者の経営課題に対して専門性の高い支援事業を行っています。ほとんどが地方銀行や信用金庫、税理士となっています。
認定支援機関の果たす役割として最も大きいことは「事業の実現性の見極め」です。 そのため、認定支援機関は創業者と共に事業計画をブラッシュアップする過程で、創業者の強み、弱みや、事業計画のポイント等を把握します。これを踏まえて、補助事業期間中、および補助事業期間終了後に、認定支援機関として、どのような支援をするのかを具体的に記述するのです。審査を有利に進めるため、サポートする部分を明確にし、事業内容を具体的に記述していくことが大切なのです。
認定支援機関
認定支援機関
まずは、創業に向けての動機と、温めてきたアイデアやビジネスプランについてあらためて見つめなおして下さい。提出する「事業計画説明書」は言わばプレゼン資料ですので、押さえるべきポイントやテクニックなどありますが、ご自身のなかで計画がぼんやりしたままですと、テクニックに走っても気持ちが文面に乗りません。
そもそも起業を考える方は、それなりの勝算がある方が多いと思われます。公表されている審査基準は、事業の独創性、実現可能性、収益性、継続性、資金調達の見込みなどですが、これらに注目して「設定した仮定をクリアしていけば、成功は必然」といったロジックを、なるべく詳細に、自分自身が信じ切れるまで練り上げることをお勧めします。特に事業の独創性・独自性(他社と何が違うのか、優位に立てるのか)、事業の収益性(市場、ターゲットが明確になって、品質や価格に競争力があるか)は一番のポイントです。
事業計画の策定についてはドリームゲートアドバイザーが力になりますので、是非ご相談下さい。→事業計画書作成の専門家はこちら
事業計画の専門家のほか、創業補助金を得意としている専門家の方もいらっしゃいます。計画書には図や写真使ったほうがわかりやすいとか、地域の雇用を生み出すような計画を盛り込んだ方が良いであるとか、通りやすい「流行りの文面」のようなものまで、補助金採択の勘どころというものがあります。そういう点を抑えておくと、採択率は飛躍的に上がるでしょう。→創業補助金の専門家はこちら
ご自身の創業(個人事業開始 、もしくは会社設立)が公募開始日以降であるか(ないしは、できるか)また、対象期間に支出できるかをご確認いただき、スケジュールを立てて下さい。毎回、創業補助金の申請期間は短く、1か月程度です。「1か月もある」ではなく「1か月しかない」とお考え下さい。いざ申請しようとすると、不足資料や不備があちこち見つかるものです。申請期間の初旬にはご自身の中で完成させて、専門家の方にしっかり校正していただける時間を確保することをお勧めします。
創業予定の市区町村で、「特定創業支援事業」を受けた場合には、採択の際、加点を得られるようですので、併せてご確認下さい。
特定創業支援事業については、こちらの特集ページへ