新しい製品や技術などが登場すると、早期に受け入れて採用する人たちがいるだろう。こうした人たちは、アーリーアダプターと呼ばれている。このアーリーアダプターには、社会では少数派である先見性の高い人たちが多いともいわれているのだ。
アーリーアダプターはマーケティングに関する用語として使われ、別名として「初期採用者」「早期採用者」とも呼ばれている。
エベレット・ロジャースがイノベーター理論によって分類した「採用者」の1つの段階が、アーリーアダプターだ。エベレット・ロジャースは、採用者を次のような5段階に分類した。
・イノベーター
・アーリーアダプター
・アーリーマジョリティ
・レイトマジョリティ
・ラガード
この5段階の採用者の中で、アーリーアダプターはイノベーター(革新者)の次に早く物事を受容する層とされる。全体に対する割合は、13.5%程度である。
アーリーアダプターは新しいものを自ら判断して採用する先進性を持ち、さらに一般的な価値評価と変わらない価値観も持っている。そのため、後続の採用者に対してのオピニオンリーダーとしての役割がある。
アーリーアダプターに受け入れられるかどうかで商品やサービスが普及するか否かが決定されるともいわれ、普及率に大きく影響する指針となっているのだ。MBA経営辞書の解説ではアーリーアダプターを周りから思慮深い成功者と思われている人とし、オピニオンリーダーとして商品の評価形成に影響力があるとされている。
導入期のマーケティング課題として、商品の本質的な機能を広く認知させることが挙げられるだろう。この課題に対し、アーリーアダプターを取り込むことが売り上げを伸ばすことに繋がるとされているのである。
アーリーアダプターが売り上げを伸ばしたり、普及率に大きく影響したりするのは、自らで判断して商品の価値を捉えられるためだ。イノベーターとアーリーアダプターは合計で16%。残りのアーリーマジョリティ、レイトマジョリティ、ラガードと言われる市場層は、84%。この8割以上の人達は、自分たちで購入の意思決定はしないのだ。
つまり、アーリーアダプターが商品の使用感を高評価すれば、8割以上の人達はあとに続くということ。
だからこそ、このアーリーアダプターを抑えることが、事業の成否を決める重要なキーポイントとなるのだ。