マーケティングを行うにあたって、顧客について知るということは大きな意味を持つ。なぜなら顧客が得られなければ、当然ながら商売は成り立たないからだ。
よく勘違いされるのだが、顧客とはあくまで自社の商品・サービスを購入してくれる相手である。ターゲットリストに載った企業やテレアポを1~2回行った相手、あるいは一度商談に失敗した相手をも「顧客」と呼ぶ営業マンがいるが、これは大きな間違いである。
相手が「顧客」になるまでには、以下のような段階がある。
■潜在客
商品・サービスを購入してくれる可能性のある相手(未アプローチ)。
■見込客
アプローチによりコンタクトを得ることができた相手(商談先)。
■浮遊客
アプローチを行ったが、コンタクトを取れていない相手(メール返信がない、電話が取り次いでもらえない等)。
■失注客
商談の結果、契約に至らなかった相手。
もっともスムーズな顧客化ルートは、潜在客が見込み客となり、そして商談成立によって顧客となるケースだ。
しかし浮遊客や失注客も無視してはいけない。アプローチ方法を変えれば浮遊客は見込み客になる可能性を持っており、また失注客もその際の商品・サービスを求めていなかっただけかもしれないからだ。潜在客は当然ながら全くこちらを知らない「0」の状態だが、浮遊客や失注客はこちらのことをしっている。「0→1」にするより、「1→10」に導く方が簡単である。
とはいえ顧客化しても、安心はしていられない。顧客の動きは、その後さらに以下の3つに分かれるからだ。
■浮気客
他社の商品・サービスを利用する顧客。
■敵視客
何らかの原因で、こちらを嫌いになってしまう顧客。
■ファン
商品・サービスを気に入り、リピートしてくれる顧客。ときに、別の見込客を紹介してくれることもある。
ここで、覚えておいてもらいたい法則がある。それは「1:5の法則」と「5:25の法則」だ。それぞれの法則について、簡単にご紹介しよう。
■1:5の法則
既存クライアントへのアプローチの報が、新規顧客よりマーケティングコストが1/5で済む。
■5:25の法則
5%の顧客流出率を減らすと、25%利益が向上する。
最終的には「ファン」を増やしていくことが、営業活動では好循環を生むための最良の道となるだろう。その上では、これら法則を加味したアプローチが必要となる。各層の相手に対し、適切な方法を選択していきたい。
顧客の状態管理の図説