イエス誘導法とは、相手がイエスの返事をしてしまう質問を繰り返すことで、同意させてしまう心理誘導法をいう。
いわゆる営業テクニックとして利用される方法だが、相手の心を操作しようとする心理誘導法の取り扱いには充分注意しなければならない。
下手に利用すると裏目に出ることも多々あるためだ。
ちなみに、もっとも効果の高いYES誘導法は、大きなYESを獲得したあと、徐々に小さくしていくと、効果は高くなる。
例えば、情報システムを販売する事例を考えてみよう。
営業マン:「事業家としては、やはり自社商品を通じて社会に貢献することが大事ですよね」
社長:「それはそうだ」
営業マン:「ただ、どの会社でもそうですが、これから先のご時世は読みにくいですよ」
社長:「たかしにね」
営業マン:「大事業家の●●氏は、積極策を打って出るには、その体制づくりが先決だと言っていましたが、確かに積極展開を図るための下地づくりは重要ですよね?」
社長:「それはそうだよ」
営業マン:「内部管理は省力化して、その分マーケティングや販売は積極的に打って出ている企業が伸びていますし、、、社長のところでも内向きの仕事は省力化を図る方向ですか?」
社長:「もちろん」
営業マン:「さすがございます。ちなみに、当社の●●という省力化システムですが・・・」
と、大きな思想やビジョンでYESを取っておくと、事業説明や商品説明のときに、肯定的な心理状態で聞いてくれやすくなる。
相手の心を誘導するような小賢しい営業テクニックとして利用するのではなく、相手の心をオープンにし、商談の場づくりとして利用する方が賢明だ。
世の営業本を読むとさまざまな「心理誘導テクニック」が紹介されているが、自然と出るならともかく、意図的に使おうとすると相手は「操作されている・・・」と自然と気がつくものだ。
下手な鉄砲は数を売っても当たらない。最終的に勝つのは正攻法だと心得よう。