従業員が退職した場合には、通常、職安と年金事務所での手続きとなります。まず、職安では失業給付による手続きが発生します。雇用保険被保険者喪失届と離職証明書を作成し、出勤簿(タイムカード)、賃金台帳、労働者名簿と共に雇用保険の喪失手続きを行います。離職証明書は給与額を記載しますが、給与額や勤務日数・退職理由を書き間違えると従業員の失業給付に関わるので注意が必要です。また、手続きが遅れると元従業員は失業給付の手続きができませんので、すぐに行わなければなりません。ただし、本人が希望しない場合(出産や介護による退職等)は離職票(離職証明書の複写)の発行義務はなく、喪失届のみで足ります。
社会保険に関しては、本人から退職日前までに保険証を返却してもらい、同様に喪失届と健康保険証を年金事務所へ届出ます。
給与面では、源泉徴収票を発行します。源泉徴収票がなければ、転職先で年末調整や確定申告ができなかったり、場合によってはクレジットカード等の申し込みに必要な場合もありますので、必ず発行しましょう。
また、住民税の特別徴収(給与から住民税を天引きしていた場合)をしていれば「給与所得者異動届出書」を各市区町村へ提出しなければ、住民税の請求がずっと会社へきてしまいます。
手続きがすべて完了したら、元従業員へ離職票と雇用保険喪失通知書、源泉徴収票を送付します。できればその後、国民健康保険や国民年金の手続き(場合によっては被扶養者に加入する等)を行うように案内してあげてもよいでしょう。