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3-3-4.助成金の成功例・失敗例
成功例
脱サラして飲食店を開いた株式会社S様の例でご説明すると、会社を退職後、まず職安へ行って失業の手続きを行います。
自己都合だったので、給付制限期間中にご相談を受け、早速、助成金の受給のためのスケジューリングを行いました。
S様の場合、
中小企業基盤人材確保助成金と受給資格者創業支援助成金、
再就職手当と短時間労働者均衡待遇推進助成金
が利用できそうでした。
そのため、まず、ハローワークにて法人設立等事前届を提出していただき、その後賃貸契約や会社設立手続きに入り、中小企業基盤人材確保助成金の改善計画と実施計画を提出・受理され、人材の雇用を行いました。
スケジュールは以下のようになりました。
設立業務 | 受給資格者創業支援助成金 | 中小企業基盤人材確保助成金 | 再就職手当 | |
1/1
1/8 2/8 2/8以降 2/10 3/1 4/1 6/1 |
(5)登記・賃貸契約・税務署の届出等の創業準備着手 (7)雇い入れ |
(4)法人設立等事前届の届出
(8)支給申請(1回目) (9)支給申請(2回目) |
(6)改善計画・実施計画の提出 (10)支給申請(1回目)
(11)支給申請(2回目) |
(1)失業の申し出・手続 (2)待機期間 (7日間) (3)給付制限開始 ※再就職手当給付手続 |
S様の場合、 中小企業基盤人材確保助成金で510万円、 受給資格者創業支援助成金で200万円、 これとは別に 短時間労働者均衡待遇推進助成金で60万円 を受給できました。
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失敗例
スポットで中小企業基盤人材確保助成金のご相談を受けた健康食品の製造会社D社からの例です。
ご相談は、化粧品の卸売の事業に進出するにあたって、異業種進出ということで、
上記の助成金が利用できないかというご相談でした。
すでに顧問社労士がいるとのことで、出勤簿や雇用保険関係の書類は心配していませんでしたが、
それが失敗のはじまりでした。
特に、こちらの社長は最初から簡単にもらえるという口調だったので少し不安だったのもあります。
中小企業基盤人材確保助成金において、異業種進出となると、既存事業との人的交流や設備の共用は認められません。
極端にいうとパーティションなしに机を並べることもできません。
あらかじめそのような点を説明した際も、ロッカーで完全に仕切るから大丈夫だとの返事で、その後は担当社員に助成金関係は丸投げされました。
改善計画、実施計画は何とか受理され、認定まで至ったのですが、いざ、支給申請の際に問題が勃発しました。
中小企業基盤人材確保助成金は、実施計画が受理された翌日以降に基盤人材を雇い入れないと対象となりません。
実はこちらの会社様、受理される1か月も前に事前雇用をしていたことが総勘定元帳で発覚しました。
社長は雇用保険の加入日だけきちんとしておけば大丈夫だと高を括っていたようですが、
助成金の審査はそんなに甘くありません。
審査はプロが行います。
総勘定元帳はもちろん、現金出納帳や通帳の原本まで調査されます。
どこかでボロが出るのは目に見えていました。
あらかじめそのような審査があること、厳しいこともお伝えしていたのですが、
担当者から社長へ報告が上がっていなかったようです。
結局、総勘定元帳を作り直せばいいのか!と語気を荒げて話されるようになり、
不正受給につながるので、こちらからお断りいたしました。
このように、助成金の審査は簡単ではありません。
当然ですよね。簡単であればどのような企業も適当に書類を改ざんして申請しますから。
やはり助成金申請をする場合には、真っ当に行う必要があります。
- この章の執筆者:田治米 洋平氏(ドリームゲートアドバイザー)