「会社は誰のものでしょうか?」よく問われる問題だ。
社長のもの? 従業員のもの? それとも株主のもの? はたまた社会のもの?
この問題に明確な正解はない。どの回答も、ある側面からみれば正しいと言える。
資本主義下でいえば、協議では会社は「株主のもの」と言われる。株主は会社の所有者であり、会社の最高意思決定機関である株主総会に出席して議決権を行使できるという強い決定権を持つ。
では、株主総会でどのようなことが決議でき、決議要件がどう定められているかについて主な内容についてまとめてみた。
株主総会の決議(原則)
決議の種類 | 定足数※1 | 必要得票数 | 主な決議事項 |
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普通決議 | 議決権を行使できる株主の議決権の過半数を有する株主の出席 | 出席株主の議決権の過半数 | 計算書類の承認 取締役・会計監査人の選任・解任 監査役の選任 役員の報酬 など |
特別決議 | 出席株主の議決権の2/3以上 | 監査役の解任 減資 定款の変更 組織変更・組織再編 解散 など |
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特殊決議 | 議決権を行使できる株主の半数以上であって当該株主の議決権の2/3以上 | 株式の譲渡制限の定めをする場合における定款の変更など | |
総株主の半数以上であって総株主の議決権の3/4以上 | 株式譲渡制限会社において株主毎に異なる取扱いを定める場合の定款変更 |
※1定足数とは、決議が有効となるための必要最小限度の出席者数のこと。
少し分かりにくいかもしれませんが、過半数を超える(50%超)持ち株比率を有していると、普通決議で取締役や監査役を自分の思いとおりに選任することができ、会社の日常業務についてほとんどすべてのことを決定することができる。
さらに2/3以上(66.66…%以上)の持ち株比率を有していると、特別決議で定款の変更や減資などの会社の重要方針を決議することもでき、まさに会社を支配することとなる。
そのためこれを逆手にとって考えると、1/3超(33.33…%超)の持ち株比率を有していると、これらの会社の重要方針を決める決議に拒否権を行使することができ、決議を否認に追い込むことが可能となる。
よって、持ち株比率については、1/3超、過半数、2/3以上と、それぞれに重要な意味がある。持ち株比率をどうするかは非常に重要かつ神経質にならければいけない事項だ。