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創業計画書とは
日本政策金融公庫に借入を申し込む時の添付書類のひとつに「創業計画書」があります。
創業計画書は、どのようなご商売をどのように実現していくかを記載する「事業の設計図」で、日本政策金融公庫所定の様式があります。担当者に事業の内容を説明するとともに、創業に向けた課題ややるべきことを明確にするために必要です。
融資判断のもっとも重要な資料となりますので、しっかりと考えて作成してください。
創業計画書についても借入申込書同様に、日本政策金融公庫サイト内の記入例を参考にしましょう。
記入例は下記のように業種ごとに7つ紹介されていますので、ご自分の業種に近いものを参考にすると良いです。
日本政策金融公庫サイト内の記入例はとても充実しているのですが、ここでは説得力をよりアップさせる方法をご紹介します。
まず前提として覚えていただきたいことがあります。
日本政策金融公庫を含め金融機関がもっとも重視することは、「一度も遅れることなく、全額返してもらえるか?」です。
当たり前のようですが、ここは非常に大事なところです。
ですので、この欄は「私はちゃんと返し続けられる人間です」アピールすることを意識して記入する必要があります。
創業計画書の書き方「創業の動機」
※上記のテンプレートをご覧になるには、ドリームケートの無料会員登録が必要です。
創業計画書の記入の仕方ですが、まずは「創業の動機」から説明します。
創業の動機を記載するにあたって気をつけたい点は、思いつきでの創業ではなく、勝算あっての創業であることをアピールすることです。
具体的かつ客観的な根拠を、ご自身の経験を踏まえて盛り込むと、説得力が高まります。
■ダメな書き方と良い書き方
× 以前から独立したいと思っていた。
〇 店長になった4年前から独立するために、開業準備していた。
(いつから独立を考えていたのかが分からない。また思っていただけではなく、独立のために準備してきたことも書くべきである)
× 現勤務先の仕入業者から安く仕入できることになった。
〇 現勤務先の仕入業者から通常の卸値より5%安く仕入できることになった。
(どれくらい安くなったのかを具体的に書く)
× 駅前の良い物件を見つけた。
〇 駅前の物件を見つけ、同業者がこの物件の周囲300m内に無いことを確認した。
(競合についても記述する)
創業計画書の書き方「事業の経験の欄」
ここでは、今からはじめる事業について、あなたがプロフェッショナルであることをアピールします。
■ダメな書き方と良い書き方
× 株式会社□□に9年間勤務。
(責任ある業務についていた場合やアピールできる実績がある場合には、必ずその内容がわかるように記載する)
〇 株式会社□□に9年間勤務。平成22年までフロア責任者、平成23年で総括責任者。
〇 株式会社□□に9年間勤務、平成24年には営業成績TOPで社長賞受賞。
創業計画書の書き方「セールスポイントの欄」
創業動機で書いた内容と重複しても構いませんので、同業他社に比べて優位性があることをなるべく具体的にアピールします。
やはりここもスカスカはダメです。皆様の「売り」をたくさん記入しましょう。
■記載例
〇 得意先5社(具体的な社名)を有しており、月商500万円は確保できる。
〇 友人の会社から優先的に見込み客の紹介を受けることができる。(1ヶ月20人程度)
〇 得意先が学校法人であることから、貸倒れなどの資金回収リスクがない。
〇 廃業する知人から設備をもらい受けることにより、設備投資が少なく始められる。
〇 前職での営業成績№1の実力を、創業する会社でも活かすことができる。
創業計画書の書き方「必要な資金」
創業計画書に記入する「数字」の書き方は意外と難しいです。これから紹介する方法に従って記入してみてください。
必要な資金と調達方法の欄
記載する金額は1万円単位での記載になります。
A 自己資金
前の章でご説明したとおりで、ここには起業直前期のあなたの普通預金の残高を記入します。
B 日本政策金融公庫からの借入
ここには公庫から借りたい金額を記入します。借入申込書のお申込金額と一致させてください。
新創業融資制度の場合は1,000万円とAの自己資金の金額の2倍と比べて、小さい方の金額が限度額になります。
※他金融機関や親等からの借入等がある場合には、当てはまらないことがあります。
C 親等からの借入・他の金融機関からの借入
これらがある場合には記入します。
D 合計
A+B+Cの合計金額を記入します。
合計の金額は2ヶ所に同じ金額を記入します。
E 設備資金
見積書の金額を転記します。
見積書が複数ある場合には、それらの合計金額を記入します。
(内訳)には、E’のように見積書ごとに分けて記入します。
F 運転資金
D-Eの金額を記入します。
(内訳)には、想定される運転資金の主要項目を記入します。
創業計画書の書き方「事業の見通し」
表の項目に従って、収支計画を書いていきます。売上は多く、経費は少なくといった甘い予測になりがちです。
立地調査や市場調査を行って多角的に検証し、客観性を高めていくことが必要です。
G 売上高
この欄の中でもっとも難しいところは売上高の金額の記入です。売上高を無理矢理大きく書いて、たくさん利益が出るように書く方がいらっしゃいます。これは好ましくありません。
あなたが実際に予定している売上高、実現可能な売上高を記入します。
売上、売上原価、経費の記載例 のように売上の計算式は必ず書きましょう。さらに計算式の根拠となる会社の資料や注文請書などがあると望ましいです。
H 人件費
個人事業で始められる方は、従業員へのお給料だけを記入します。
法人で始められる方は、自分のお給料と従業員のお給料の合計を記入します。
I その他
まず予想される月々の経費を書き出してみましょう。
交通費・消耗品費・水道光熱費・通信費…
色々な経費がかかることが予想されますよね。
ここにはそれらの合計金額を記入します。
J 売上、売上原価、経費の記載例
〈創業当初〉
①売上高(日曜定休)
昼(月~土)900円×25席×0.8回転×26日=46万円
夜(月~木)3,500円×25席×0.8回転×18日=126万円
(金、土)3,500円×25席×1.2回転×8日=84万円
②原価率 35%(勤務時の経験から)
③人件費
従業員1人20万円
専従者1人(妻)10万円
アルバイト4人(1日延べ14時間)
時給800円×14時間/日×26日=30万円
家賃20万円
支払利息 700万円×年○.○%÷12カ月=2万円
その他光熱費、宣伝広告費等 50万円
〈軌道に乗った後〉
①創業時の1.3倍は可能(勤務時の経験から)
②当初の原価率を採用
③人件費 従業員1人増 18万円増
その他諸経費 10万円増
さいごに:記入にあたって
書き方が分からない、あるいは面倒くさいという理由で、専門業者に代書を依頼する方がいます。公庫の面談員は、他人に依頼して作られた書類かどうか、すぐに分かります。
専門家に相談して一緒に作る方法もあります。日本政策金融公庫の支店にある創業サポートデスクでも相談を受け付けていますので、ぜひトライしてください。
株式会社さあ頑張ろうぜ 代表取締役 1960年生まれ。東京都出身。経営コンサルタント歴20年のベテランが、アイデア出しから起業までを支援します。
著書『芸能人に学ぶマーケティング戦略』ほか
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総合起業コンサルティンググループV-Spiritsに在籍する。特に補助金・助成金については元補助金事務局員だった経験、実績をフル活用し、95%以上という非常に高い採択実績を記録するなど、実績を豊富にお持ちです。
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