最後に出資を中心とした長期安定的な自己資金と、返済および金利の支払いを伴う借入金との資金調達のバランスについて触れておきます。
一見すると、長期安定的で返済不要の自己資金中心に調達を行ったほうがよいのではないかと思われがちですが、既述したように投資家の期待する収益率は40~60%と相当高水準です。
一方、借入金は、返済の必要があるものの、低金利状態ということもあって、コスト自体は、自己資本のコストの1/10位かもしれません。
すなわち、ある程度の借金をして資金調達した方が、トータルのコスト(資本コスト)は、少なくて済みます。
では、そのバランスはどの位がよいのでしょうか?
当然、自己資本が少ないと、信用力が低下し、借入条件が厳しくなります。一般的に自己資本は30~40%、借入の比率は60~70%位が望ましいと言われています。あとは、その時々の金融情勢等により出資での調達割合を高めたり、借入での調達割合を下げたりといった対応を行えばよいかと思います。