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2-3-5.LLPに関するQ&A
2005年8月1日にLLPが施行されてから約1ヶ月。ドリームゲートにも、LLPに関する多くの質問が寄せられています。今回は、その質問の一部をご紹介しましょう!(2005.8.30現在)
- Q. 組合の名称をつける場合、株式会社や有限会社のように、 LLPと入れなければならないのですか?
- Q. 組合の肩書き付き名義とは、具体的に表示するとどのようになるのですか?
- Q. 組合員が一度脱退しても、再度加入することはできますか?
- Q. LLPは増資できますか?
- Q. 登記簿やLLP契約書に「組合の存続期間」を記載しなければならないとありますが、 期間限定でないといけないのですか?
- Q. 現物出資の「現物」とは、どんなものをいうのですか?
- Q. 現物出資をする場合、その金額の評価はどのように行なうのでしょうか? 購入から数年たっている備品の評価の仕方などはどうするのですか?
- Q. LLPの契約変さらには、料金は必要ですか?
- Q. LLPの登記申請をして拒否されるケースはどんな場合ですか?
- Q. 会社勤務をしながら、LLPを設立したいと考えています。ただし、会社にはLLPを 設立していることを知られたくないのですが、知られずにすむ方法はありますか?
- Q1. LLPって何ですか?
- Q2. 構成員課税とは何ですか?
- Q3. 有限責任とは何ですか?
- Q4. 内部自治が徹底するとはどういうことですか?
- Q5. LLPとはどんな分野に活用できますか?
- Q6. LLPは資格が必要な士業においても活用できますか?
- Q7. LLPの組合になるには、何か用件は必要ですか?
- Q8. 民法組合はLLPの組合員になれますか?
- Q9. 非居住者・外国法人は、LLPの組合員になれますか?
- Q10. LLPの事業はどのように立ち上げればいいですか?
- Q11. LLP立ち上げには、「どのくらいの費用」と「どのくらいの期間」がかかりますか?
- Q12. LLP契約とは何ですか?そこにはどんなことを記載するのですか?
- Q13. LLP契約は事業の途中で変更できますか?
- Q14. LLP契約の登記はどのようにすればいいのですか?
- Q15. LLPには出資金額の下限はありますか?
- Q16. LLPは現物出資をすることは可能のですか?
- Q17. LLPには、特許などの知的財産権の出資や労務出資は可能ですか?
- Q18. LLP事業に対する出資は、設立時に全額払い込まなければならないのですか?
- Q19. LLPの業務執行に関する意志決定は、どのように行うのですか?
- Q20. LLPの業務執行はどのように行えばいいですか?
- Q21. どうしてLLPの組合員は、業務執行に参加しなければならないのですか? なぜ出資のみではいけないのですか?
- Q22. 柔軟な権限の分配についてはどのように行えばいいですか?
- Q23. 柔軟な損益分配はどのように行えばいいですか?
- Q24. 組合員の新規加入・脱退はどのように手続きすればいいですか?
- Q25. 組合員の地位を第三者に譲渡できますか?
- Q26. LLPは株式会社などの会社形態に変更できますか?
- Q27. LLPが解散する時にはどのような手続きが必要ですか?
- Q28. 有限責任制の導入にともなって、どのような債権者保護のための規定を設けていますか?
- Q29. LLPでは、従業員を雇用できますか?
- Q30. LLPは、金融機関で口座を開設できますか?また、融資は受けられますか?
- Q31. LLPは株式公開(IPO)によって資金調達できますか?
- Q32. LLPでは、許認可の必要な事業を実施できますか?
- Q33. LLPでは、補助金を受ける事ができますか?
- Q34. LLPには財務諸表の作成や公告の義務づけがありますか?
- Q35. LLPでは損益を分配しないで内部保留することは可能ですか?
- Q36. LLPの税務申告は誰がするのですか?
経済産業省LLPに関するPDFデータのダウンロード
Q 組合の名称をつける場合、株式会社や有限会社のように、LLPと入れなければならないのですか?
LLP とはあくまで略称で、「有限責任事業組合」というのが正式名称です。ですから登記の際には、正式名称を入れて名称の登記をしなければなりません。名刺の記 載や電話応対などは、「▲▲LLP」や「LLP■■」で問題ありません。また、登記前には、設立登記をする法務局で類似商号調査を忘れずに行ってくださ い。
Q 組合の肩書き付き名義とは、具体的に表示するとどのようになるのですか?
【LLPに個人で加入している場合】
▲▲有限責任事業組合 組合員 山田 ○男
【LLPに企業で加入している場合】
▲▲有限責任事業組合 組合員 ■■株式会社(企業名) 職務執行者 山田 ○男
Q 組合員が一度脱退しても、再度加入することはできますか?
特に規制はありませんので、再度加入も可能です。
Q LLPは増資できますか?
増資は可能です。LLPの設立には、出資金の全額払込み、現物出資の場合は対象資産を引き渡すことが要件のひとつになっています。しかし、登記簿には出資金総額は表示されていないため、一度LLPを立ち上げれば、その後資金を増加することは問題ありません。
Q 登記簿やLLP契約書に「組合の存続期間」を記載しなければならないとありますが、期間限定でないといけないのですか?
登記事項なので、期間は必ず記載しなければなりません。期間の決め方としては、プロジェクトを達成するためにかかる期間を目安にするといいでしょう。もちろん、延長することは可能です。当然ながら、100年など現実的にあり得ない期間では無効とされてしまいます。
Q 現物出資の「現物」とは、どんなものをいうのですか?
定期預金や投資信託、有価証券などのことで、貸借対照表に計上可能なものは現物出資とみなされます。
Q 現物出資をする場合、その金額の評価はどのように行なうのでしょうか?
購入から数年たっている備品の評価の仕方などはどうするのですか?
商 品なら、現在同じものを購入した場合、または制作した場合の金額を基準にします。備品の場合は、中古品の価格を参考にしたり、税法の耐用年数で償却した後 の未償却残高が基準となります。どちらの場合でも、算定根拠は必ず残しておくことが必要です。また、弁護士や税理士等に現物出資の評価証明権が与えられて いるため、具体的な品目や金額を伝え、評価してもらうこともできます。これは有料になります。
Q LLPの契約変さらには、料金は必要ですか?
登記事項になっている部分の変更の場合、変更登記が必要となります。組合員に関する事項の変さらには1万円、それ以外の項目については3万円の収入印紙が必要です。
Q LLPの登記申請をして拒否されるケースはどんな場合ですか?
特定の士業やギャンブルなどは申請できません。ギャンブルは、損失の分配のみを目的としたものが脱税に繋がってしまうからです。この観点から、投機的なものも申請はできません。
Q 会社勤務をしながら、LLPを設立したいと考えています。
ただし、会社にはLLPを設立していることを知られたくないのですが、知られずにすむ方法はありますか?
確定申告が必要なため手続きをしなければなりませんが、確定申告の時に、申告書第2表の住民税の納付を「自分で納付」にチェックすれば、LLPでの所得に対する住民税の納付書が会社に届くことはありません。
Q1 LLPって何ですか?
「有限責任事業組合」という、新しい事業体です。民法組合の特例として、「有限責任事業組合契約に関する法律」によって制度化されました。通称、「LLP」と称します。
下記の効果によって、大企業同士や大企業と中小企業、産学連携、専門人材同士などの共同事業が数多く生まれることを目指しています。
具体的には、次の3つの特徴があります。
・ 構成員課税
・ 構成員全員が有限責任
・ 損益や権限の分配が自由に決められる内部自治の徹底がなされている
Q2 構成員課税とは何ですか?
組織に課税するのではなく、出資者に直接課税することをいいます。
LLPの事業で利益が出て、それを出資者へ分配する時に直接課税されます。そのおかげで、二重課税されることがなくなりました。
Q3 有限責任とは何ですか?
出資者は、出資した額までしか責任を負わなくて良いということです。そのため、出資者のリスクが限定されるので、新規事業に取り組みやすくなります。
Q4 内部自治が徹底するとはどういうことですか?
組織内部のルールは、法律によってくわしく決まっているのではなく、出資者同士の話し合いによって決定できます。これには2つの意味があります。
・ 出資比率によらず、損益や権限の柔軟な配分が可能です
・ 株式会社のように、取締役会などの機関を強制されるのではなく、内部組織が柔軟です
Q5 LLPとはどんな分野に活用できますか?
LLPが活用されるのは、法人や個人が連携して行う共同事業のことを差します。
身近な例としては、
・ 農家と加工会社、販売会社で連携
・ 商店街とショップオーナー、飲食オーナーと連携など
さらに大きな共同事業体としては、こんな活用が考えられます。
・大企業同士が連携して行う共同事業-共同研究開発、共同生産、共同物流、共同設備集約など
・中小企業同士の連携-共同研究開発、共同生産、共同販売など
・ベンチャー企業や中小・中堅企業と大企業の連携-ロボット、バイオテクノロジーの研究開発など
・異業種の企業同士の共同事業-燃料電池、人工衛星の研究開発など
・産学の連携-大学発ベンチャーなど
・専門人材が行う共同事業-ITや企業支援サービス分野:ソフトウェア開発、デザイン、経営コンサルティングなど
・起業家が集まり共同して行う創業
Q6 LLPは資格が必要な士業においても活用できますか?
弁護士、公認会計士、税理士、行政書士、弁理士などは、全員無限責任の合名会社型の法人(弁護士法人、監査法人)または民法組合(弁護士事務所など)を用いるか、個人事業主として事業に営むこととされています。
海外では、こうした士業もLLPなどを活用していますが、日本ではLLPは有限責任のため、原則無限責任を求めている士業においては難しいようです。
しかし今後は、関係省庁との調整で実現の可能性もあります。
Q7 LLPの組合員になるには、何か要件は必要ですか?
LLPは、個人や法人が営利目的の共同事業を営むための組織です。個人・法人なら、特に要件は限定されていません。
法人がLLPの組合員になる場合には、そのLLPの仕事を執行する担当者を定める必要があります。
Q8 民法組合はLLPの組合員になれますか?
LLPは、個人または法人が営利目的の共同事業を営むための組織です。民法組合は組合員になることはできません。
Q9 非居住者・外国法人は、LLPの組合員になれますか?
非居住者・外国法人は、LLPの組合員になれます。
ただし、組合員全員が非居住者・外国法人であることは認められていません。最低一人(一社)の組合員は、居住者または内国法人でなければなりません。
Q10 LLPの事業はどのように立ち上げればいいですか?
LLPで事業を行うには、以下のことを行う必要があります。
・ 組合員となる人は、LLP契約(有限責任事業組合契約)を締結しなければなりません。
・ 契約に記載してある出資金を、全額最初に払い込まなければなりません。
・ 事務所の所在場所を管轄する法務局へ、組合契約の登記をしなければなりません。
上記のことを行う際に、組合員同士の契約の効力は、LLP契約を締結し、出資金を全額払い込んだ段階で発生します。ただし、第三者への効力は、・の段階で発生することとなります。
参考までに・・・
・ 公証人による定款認証は必要ありません・ 設立に関して、経済産業省の認定や許認可は必要ありません
・ 従業員を雇用する場合は、労働基準監督署への届出が必要です。また、諸官庁への届出も必要となります。
Q11 LLPの立ち上げには、「どのくらいの費用」と「どのくらいの期間」がかかりますか?
費用は、LLPの契約に6万円必要になります。また、登記の申請を行ってから審査に約10日間かかります。
Q12 LLP契約とは何ですか?そこにはどんなことを記載するのですか?
LLP契約は、LLP運営の基礎となることを決めます。出資者は、LLP法で定められた記載しなければならない事項や、組合員が任意に定める任意的な記載事項などを、契約書に記載して、全員が署名または記名の上、押印をしたものを作成します。
<絶対に記載しなければならない事項>
・ 組合の事業
・ 組合の名称
・ 組合の事務所の所在場所
・ 組合員の氏名または名称(法人の場合)および住所
・ 組合契約の効力が発生する年月日
・ 組合の存続期間
・ 組合員の出資の目的とその価額
・ 組合の事業年度
Q13 LLP契約は事業の途中で変更できますか?
LLP契約は、原則的に、出資者全員の同意があって始めて変更できます。ただし、登記に関係する事項の変更は、変更登記が必要です。
Q14 LLP契約の登記はどのようにすればいいのですか?
LLP契約の登記申請の際に提出するものは、
・ LLP契約の原本
・ 出資の払い込みを証明する書面(出資金を振り込んでいる通帳のコピー)
・ 各出資者(組合員)の印鑑証明
登記は、LLPの事務所の所在場所を管轄する法務局へ申請します。
登記簿に記載しなければならないのは、以下のとおりです。これらは、第三者の閲覧が可能です。
・ 組合の事業
・ 組合の名称
・ 組合の事務所の所在場所
・ 組合員の氏名または名称(法人の場合)および住所
・ 組合契約の効力が発生する年月日
・ 組合の存続期間
・ 組合員が法人の場合の職務執行者
・ 組合契約で特に解散事由を定めた時はその事由
Q15 LLPには出資金額の下限はありますか?
LLPへの出資金の下限はありません。1円以上ならOKです。
また、1人では組合契約を締結することは不可能なため、LLP設立は最低2人以上の出資 者が必要です。そのため、LLPとしての最低の出資金は2円になります。
Q16 LLPは現物出資をすることは可能ですか?
LLPは、現金だけでなく貸借対照表に計上可能な現物資産(動産、不動産、有価証券など)の出資も可能です。
Q17 LLPには、特許などの知的財産権の出資や労務出資は可能ですか?
貸借対照表に計上可能な知的財産権は出資できます。
労務出資は、債権者を保護するために認めていません。
ただし、LLPの特徴にもあるとおり、出資比率に応じない柔軟な利益分配ができるため、労務の提供による事業への貢献を勘案することができます。
Q18 LLP事業に対する出資は、設立時に全額払い込まなければならないのですか?
LLPの組合員同士の契約の効力が発生するためには、各組合員が全額出資金を払い込むことと、現物出資の場合は対象の資産をすべてLLPに引き渡すことが、要件のひとつに挙げられています。
そのため、これは必須といえます。
Q19 LLPの業務執行に関する意思決定は、どのように行うのですか?
LLPは、株式会社などと違って取締役会や社員総会などの機関は必要ありません。LLPの業務執行に関する意思決定は、原則としてすべての組合員の全員一致で行うことができます。
では、なぜ組合員の全員一致が必要なのでしょう?
LLPは、組合契約に基づいて、組合員全員がそれぞれの個性や能力を活かし、共通の目的に向かって主体的に組合事業に参画するという制度のニーズに基づいて導入したものです。
そのため、LLPの業務の中の重要な業務執行については、原則としてすべての組合員の同意で決定することが妥当と考えられているのです。
この規定は、組合事業の健全性を高め、債権者の保護にもなると考えられています。
業務執行とは・・・たとえば、対外的な契約締結などのLLPの営業に関する行為や、その契約締結のための交渉、また、具体的な研究開発計画の策定・設計、帳簿の記入、商品の管理、使用人の指揮・監督等、組合の事業運営上必要となる重要な部分をいいます。
Q20 LLPの業務執行はどのように行えばいいですか?
LLPの組合員は全員が業務を執行する権利をもち、また義務があります。組合員は、何らかの形で業務執行を行うことが必要です。業務執行に関して、業務分担をすることは可能ですが、業務執行のすべてを他の組合員に任せてしまうことはできません。
Q21 どうしてLLPの組合員は、業務執行に参加しなければならないのですか?
なぜ出資のみではいけないのですか?
Q19 でも述べたとおり、LLPでは、組合契約に基づいて、組合員全員がそれぞれの個性や能力を活かし、共通の目的に向かって主体的に組合事業に参画するという 制度のニーズに基づいて導入したものです。組合員全員の業務執行への参加を義務付ける規定を導入することとなっています。
また、このような組合員の業務執行への義務や重要な意思決定の際の、組合員全員の同意は、損失の取り込みだけを目的とする、租税回避への悪用を防ぐためでもあります。
Q22 柔軟な権限の分配についてはどのように行えばいいですか?
LLPでは、重要な意思決定の全員一致や、業務執行への全員参加が、共同事業要件として強制されています。しかし、この要件を満たす範囲内で、各組合員の業務分担や権限は柔軟に決定することができます。
この業務分担や権限については、組合員全員が合意したのであれば、LLP契約に書き込むことも可能です。また、契約の詳細事項を決める組合員間の規約などで、規定することもできます。
Q23 柔軟な損益分配はどのように行えばいいですか?
LLPは、民法と同じく出資比率と異なる損益分配が可能です。ただし、損益分配の取り決めがない場合は、出資比率に従って損益を分配します。
柔軟な損益分配の取り決めは、
・ すべての組合員の同意によって、
・ 書面で分配の割合の定めを行って、
・ その書面に当該分配割合を定めた理由について記載することとして、その書面を適切に保存する必要があります。
Q24 組合員の新規加入・脱退はどのように手続きすればいいですか?
組合員の新規加入については、LLPでは組合員の能力や個性が重視されるため、組合員の全員一致で決定します。
任意の脱退に関しては、原則としてやむを得ない事由がある場合のみ可能です。
Q25 組合員の地位を第三者に譲渡できますか?
LLP は、人的な共同事業体の意識が強いため、組合員としての地位を第三者に譲渡することは想定していません。しかし、組合員の全員一致が得られれば、地位を第 三者に譲渡して、新しい組合員として迎え入れることは可能です。その際には、LLP契約の変更登記を行わなければなりません。
Q26 LLPは株式会社などの会社形態に変更できますか?
LLPは、法人格のある会社形態への組織変更はできません。なぜなら、民法組合の特例制度で、法人格をもたないためです。
LLPで事業を始めて、途中で株式会社などに変更したい場合、LLPを解散して、新たに会社設立を行わなければなりません。
Q27 LLPが解散する時にはどのような手続きが必要ですか?
LLPは、LLP法上の解散事由やLLPの組合契約書に記載された解散事由の発生により、解散します。この際、他の組織と同様に、清算人を置き、債権者との調整や残余財産の出資者への分配を行います。
LLPの解散にあたっては、法務局において解散の登記、清算人の登記をして、清算手続きが終了した後に、清算結了の登記が必要です。
Q28 有限責任制の導入にともなって、どのような債権者保護のための規定を設けていますか?
LLP制度は、組合員全員に有限責任制を導入していますが、一方で、債権者に過度なリスクが生じないように、債権者を保護するための措置を講じています。
・ 取引先相手方の予見可能性を高めるために、組合契約の登記の義務付け、財務データの開示などを行わなければなりません。
・ 組合財産を確保するため、組合設立時における出資の全額払い込みの義務付け、債務超過時の分配禁止などを定めています。
Q29 LLPでは、従業員を雇用できますか?
組合員の肩書き付き名義で、雇用契約を締結し、従業員を雇用することができます。
この時に、肩書き付き名義で、必要な手続きをすることによって、その従業員が労働保険(労災保険・失業保険)や、社会保険(健康保険・厚生年金)に入ることができます。
参考までに・・・
・ 労働保険は、従業員を一人でも雇った事業主(事業所の責任者)が加入を義務付けられています。
・ 社会保険は、すべての法人もしくは従業員5人以下の個人事業において加入が強制されています。(従業員5人以下でも任意加入は可能です)
Q30 LLPは、金融機関で口座を開設できますか?また、融資は受けられますか?
口座開設は、民法組合も組合の業務執行者の肩書き付き名義で金融機関に口座を開設できることになっています。LLPも同様の取り扱いになる見込みです。
融資は、融資条件にかなえば、金融機関からLLPの事業について融資を受けることも可能です。
Q31 LLPは株式公開(IPO)によって資金調達できますか?
LLPは株式会社ではないので、LLPのままでは株式公開(IPO)はできません。
多数の出資者から、大量の事業資金を調達する場合には、株式会社のほうが適しています。
Q32 LLPでは、許認可の必要な事業を実施できますか?
許 認可の必要な事業をLLPで実施する場合、各法律の規定・運用に応じて手続きをすることで、実施することが可能です。基本的な考え方では、許認可事業にあ たっては、組合として許認可を取得するのでなく、各組合員が当該許認可を取得した上で、必要に応じて許認可を取得した人が集まって共同事業をする旨の手続 きを行うことになります。
Q33 LLPでは、補助金を受けることができますか?
各補助金の制度内容によりますが、基本的にはLLPの組合員が個別に手続きをすることで、補助金を受けることになります。
このほか、制度の要件に合えば、LLPの組合員が組合の肩書き付き名義でLLP事業のための補助金や制度融資を受けることができます。
Q34 LLPには財務諸表の作成や公告の義務付けがありますか?
LLPでも財務諸表は作成しなくてはいけませんが、公告まで行う必要はありません。債権者等からの求めがあったときに開示できるようにしておけばいいのです。
Q35 LLPでは損益を分配しないで内部留保することは可能ですか?
組合の事業を通じて取得した財産を、組合員の含有財産である組合財産としておくことは可能です。
ただし、組合財産として留保するかどうかにかかわらず、組合事業から生ずる損益はすべて組合員に帰属し、税務上もこれに応じて各組合員において課税されることになります。
Q36 LLPの税務申告は誰がするのですか?
LLPの事業にかかわる税務申告は、各組合員が事業年度ごとに行う必要があります。
組合の会計帳簿を作成した組合員は、組合の計算期間の終了する日が属する年の翌年1月末までに、各組合員の所得に関する計算書を税務署に提出する必要があります。