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事業アイデアの組み合わせパターン
アイデアが不足すると、むしろあとが大変
「事業アイデアなんて自分にはとても思いつかない」
と、安易に取り組みを放棄しないことが重要。同業者と同じような事業内容でもいいと決めて準備を進めてしまうと、後々つらいことになりかねません。
事業に固有の魅力がなければ、いずれは価格を下げて競争するか、尋常ではない営業努力をするかしかなくなります。
が、小規模の事業者にとって、価格競争を強いられることは苦しいし、収益力の低下は、即、事業の質の低下に結び付いてしまいます。また、人海戦術による営業展開も難しいもの。
人件費的な支出を増やすことは、経営を危険にさらす可能性すらあります。ですから事業規模が小さいほど、独自の魅力を築き、それを市場にアピールして、競争相手を退けるほうが堅実な考え方だといえるのです。
すべての面でアイデアフルである必要はない
では、どうやってアイデアを見つけるのか―。
自分が考えている事業やそれに近い事業を実際に見て、「こうすれば、もっとよくなる」という思いが浮かべば、それがアイデアのもと。その時の「こうすれば」は、商品やサービスなど事業者が消費者に提供する「財」そのものに対してでもいいし、提供する「方法」についてでもOK。
よく見かける商品というのは、支持されているから見かけるわけですし、よく見る販売・提供方法というのも同じことです。
なので、全部を否定せず、どちらかをよりいいものにするだけでも立派な事業アイデアになるのです。もちろん両方ともアイデアフルなら、それはそれで強力ですが、半面、新しすぎるものにはリスクがあることも忘れないでください。
「一歩先の変化」「一歩手前の要因」を考えてみよう
将来予測と要因推測によるアイデア発見法(一例)
「風が吹けば桶屋が儲かる」を見ならう
前述のように、既存の事業を改良する観点から事業アイデアを考える方法もあれば、社会の変化を題材に発想する方法もあります。つまり、世の中の先の先を追うことで、新しさにたどりつく方法です。
「風が吹けば桶屋が儲かる」という話を聞いたことがあるでしょう。社会や市場に変化が起こり、その変化が新たな規範として定着し始めると、それに伴って、また、新たな変化が起きる。したがって、その先を予測すれば、新しいアイデアに到達するという逸話です。
現代の事例で説明すれば、パソコンが個人単位にまで普及した。だから、自分もパソコンを製造しよう……は不正解。
図の矢印に沿って見てもらえばわかるように、その先、その先と考えを進めるのです。
私たちの周辺には、山のように変化のタネが存在しています。その中から関心のある事柄を選んで、変化のその先を考えていけばいいのです。
成功事業の要因を探り、別の事業アイデアを
一方、成功している事業や、現在の社会情勢を見て、反対に「それはなぜできたのか、なぜ起きたのか」と要因をたぐることで、アイデアの元になるニーズを発見することもできます。そのニーズにもとづいて既存事業とは別の切り口を探していくこともできます。
頭の中で時計を進めたり戻したり……。そうやって発想を広げていくのです。
事業アイデア発想10のヒント
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事業アイデアのタネは、日常の中に存在する
事業アイデアを発見する方法はまだまだあります。日常の暮らしや仕事の中にも、タネはいっぱい潜んでいるのです。
それを見つけるためのヒントが、上図の10 項目。
とはいっても、常に10項目全部を意識している必要はなく、ざっと見て、ピンとくるものだけを抜き出して、その視点でものを見ることから始めてみます。それだけでも、これまで漫然と見過ごしていた事柄や、記憶の片隅にある「どうでもいいようなこと」までが、貴重なアイデアのタネに見えてくるはずです。
なお、事業アイデアは、10項目中のひとつだけを用いて発見することもできますが、なるべく複数を掛け合わせて考えてみてください。
特に、自分軸と事業軸にまたがっていれば理想的。ちなみに、こうした話は実例を参考にするとわかりやすいもの。斬新なアイデアを複合させた事業は、さまざまなメディアに紹介されているので、それらの記事を読み、その事業がどのヒントを掛け合わせているのかを分析することも勉強になるはずです。
さまざまなアイデア発想法を活用しよう
ここでは、代表的な3つの発想法を紹介します。
まずは『ブレーンストーミング法』。
数人(最低3人から。10人程度でも可)を集め、テーマを決めたら、そのテーマに関係あると思う事柄を各人が順番に自由に発言する方法です。
たとえばテーマが「カフェ」だとすると、「エスプレッソ」「オープンな空間」「カップ」などと連想式に進めてもいいし、「カフェにあれば嬉しいメニュー」とテーマ設定して「幻のコーヒー」「クレープ」「オーガニックな軽食」などと答えていくこともできるわけです。
他人の発言や回答に対する批判は禁止。ジョークはOK。そしてある程度出尽くしたところで、内容をまとめ、整理することでアイデアを抽出する方法です。
次は『ゴードン法』。
ブレーンストーミング法の応用で、司会者だけが本当のテーマを知っていて、参加者には、そのテーマよりも大きな概念のテーマで語り合ってもらうという方法です。
たとえば、本当のテーマが「新しいカフェの開発」だとしても、参加者に提示するテーマは「飲食」などとします。
3つめは『KJ法』。
テーマを決め、そのテーマに関係あると思われる情報を可能な限り出し、それをひとつずつ別々の紙片に記入します。
その後、紙片を類似するものごとにグループ化し、タイトルを付け、グループごとの関連などを考えながら図解化していくというもの。
その結果、テーマに関連する事業の切り口が見えてくるのです。前出のブレーンストーミング法やゴードン法でキーワードを抽出した後、この方法にかけることもできます。
アイデアシートを書いてみよう
このフォーマットはAdobe Acrobatを使用しています。 印刷の際は、Acrobat Readerが必要です。 |
記入できる項目から優先的に埋めていこう |
成功した事業を見ると、とてもあんなアイデアは……としり込みする人もいるかもしれませんが、千里の道も一歩から。 どんな事業も、ひとつの小さな 発想が出発点になっているのです。 それを蓄積し、整理し、修正し、磨き上げて事業にしていったのです。 だから、いきなり完成に近い「グッド・アイデア」が 出なくても、とにかく事業に関連して思いつくこと、あるいは興味があること、知りたいと思うことなどを、実際に文字にしてみることが大切なのです。 シー トには、事業アイデアを深めるために必要な項目がたくさん入っています。 |
シートを見て、自分の強みや弱みを理解する |
ある程度書き貯めたところで整理すれば、その事業アイデア自体の強みや弱み、さらには自分自身の強みや弱みまでが輪郭を持ってくるはずです。
な お、このシートに向かう時点で、記入できない項目があってもかまいません。 |
ビジネスプランについてアドバイザーに相談する→ |