従業員の社会保険料(健康保険料・厚生年金保険料)は、従業員から預かった保険料とほぼ同額程度を会社が負担し、年金事務所に支払われる。一般的には、口座引落となる。個人事業主であれば国民健康保険料と国民年金保険料を支払うが、これは勿論全額が自己負担だ。しかし保険料合計額は高くても、一般的に厚生年金の方が受給額は高額とされている。このため、国民年金を支払うよりも会社が折半で負担する厚生年金を支払う方が得になる。
社会保険料は、健康保険料と厚生年金保険料を一緒に支払うことになっている。介護保険料については、65歳以上の人が対象の第1号被保険者と40~64歳の人が対象の第2号被保険者に区分され、保険料額も各々違ってくる。この介護保険料も、会社が半額負担となっているのだ。
これら保険料の従業員負担分は、給料から天引きされる。今月分の社会保険料を次月支給の給与から天引きで預かり、次月末に会社の銀行口座から引落しとされる。
給料総支給額によって、保険料は段階的に異なってくる。度々保険料率は改定されるので、健康保険料も厚生年金保険料もその料率の変化には注意が必要だ。給与の金額が定められて、その金額が保険事務所に届出がされると、大きな固定的給料の変動がない限りは一定の保険料が天引きされる。ただし算定基礎届(毎年4,5,6月分の給料平均額から標準報酬月額決定)提出によって毎年保険料は改定される。
広義の社会保険には労災保険と雇用保険からなる労働保険を含めて考える。このうち雇用保険料について従業員負担分があることから給与から天引きで徴収される。雇用保険料は労災保険料と共に労働保険料の計算をして会社が申告・納付する。労働保険料は前払いとなることから、前年4月~当年3月分の従業員の給料総額に業種別の保険料率を掛けて、今年の確定保険料として清算し、あわせて次の年度分の前払いとして概算保険料も納付する。金額が一定額以上になる場合は3回分割により納付することも可能だ。
雇用を行う以上、こうした社会保険の仕組みは把握しておきたい。