試算表は、仕訳の入力さえしていれば会計ソフトから出力できるレポートだ。貸借対照表・損益計算書と同じ情報が含まれているので、通常は月ごとに作成する。前月の打ち手が効果的だったかどうかを検証し、当月以降の打ち手を計画・実行していくので、いわば「会社の通信簿」のようなものといえるだろう。
月次決算という言葉もあるくらいで、会社によっては年次決算と大差がない手続を行って正確な数字を算出するところもある。しかし中小企業の月次決算については、おおよその数字が把握できれば正確性よりもスピードを重視した方が良いことが多いようだ。
試算表を作成する際には、「どう活用するのか」という視点を持つことで効率よく経営に役立てることができる。
試算表は、集計方法によって以下3つの種類がある。
■合計試算表
合計試算表は各勘定科目の借方合計額と貸方合計額を出し、試算表の各勘定科目の借方欄と貸方欄に記入したものである。
■残高試算表
総勘定元帳の借方側と貸方側の合計額を計算し、借方側と貸方側の合計額を比較して、出した残高を試算表の借方、貸方にそれぞれ記入したものである。
表の形式は、合計試算表と残高試算表は同じである。残高を表す表であるため、金額が借方、貸方どちらか一方にのみ記入されている。
■合計残高試算表
合計試算表と残高試算表を合わせた試算表であり、合計残高試算表の合計欄と、残高欄に勘定科目別の合計と残高を記入したものである。通常試算表と言えば合計残高試算表を指すことが多い。
試算表を作成して、借方と貸方の合計の金額が一致しない場合は、転記が間違っているということになる。試算表は決算予備手続きの段階で作成され、転記ミスのチェックが行われる。もっとも、会計ソフトを使っている場合は自動的に試算表ができあがるので、こんな面倒くさい話に頭を悩ませる必要は無い。