起業・経営FAQ：委託販売のECサイト、大手との差別化はどのようにするのがいいでしょうか？

課題・悩み

ECサイトを運営しています。

両親がガラス工房を経営しており、小遣い稼ぎに工房の作品をネットに出品していたのがECサイトを始めたきっかけです。

個人的にグラスなどを出品していたころは、グラスの芸術性からか特段工夫しなくても売れたのですが、グラスではない、近隣のガラス工房の作家など、様々な人が出品する多様な商品を売るということをやってみたいのですがなかなかできず苦労しています。

大手の販売サイトと差別化するためにはどのような工夫、考えを持っていればいいのでしょうか？広告などを使っていくなどしか方法はないのでしょうか？

回答：お客さんとクリエイターさんのニーズを理解することが重要です。

ECサイトの収益化についてということでご相談いただきました。

委託販売は、出品者（クリエイターさん）とお客さん（購入者）の両方のニーズを満たしていくことが必要です。

クリエイターさんには、販路拡大、収益、いろいろな人にたくさん知ってもらいたい、など簡単に思いつくニーズがあると思います。大手サイトに商品を出してもなかなか埋もれてしまって販売につながらないというクリエイターさんは小規模なところも含めて多くのサイトに出品しようとするかもしれません。また、ハンドメイド品に興味のあるお客様の目に止まりたいということであれば、やはりサイト自体の集客力が必要です。

質問者様の考えるECサイト独自の魅力が実現すれば、クリエイターさんはブランドの力にあやかりたいと思うかもしれません。

一方でお客さんがサイトのブランドに価値を見出すところまで、ブランド力を作っていくには大きな努力が必要です。クリエイターさんは埋もれたくないと思う一方で、お客さんは多くの商品から選びたいと考えているかもしれません。

そういった出品者とお客さんのバランスのとり方が大事になっていくのかなと思います。ビジネスとして考えていくなら、大手がやらない対象の細分化という戦略は正解だと思います。その上での提案です。

(1)

少量、高付加価値という戦略でいってもいいかもしれません。

例えば、人気でいつもなかなか商品が買えない作家さんの新作を買うためには質問者様のサイトを張ってないとならないという状況を作り出せば、作家さんにとっては商品を売る際に価格競争にならないサイト、高い値段づけができるサイトだというメリットを提供します。またお客さんにとってみれば質のいい商品が買えるので「このサイトで購入したものは絶対ハズレがない」というような印象を残すことができます。

(2)

クリエイターさんの中には商品の写真をとるのが苦手、商品説明を書くのが苦手という方も少なくないと思います。お客さんはサイトを通してしか商品を知ることができないので、魅力的な写真、魅力的な商品説明がつかなければ商品は売れません。これを高いレベルで提供できればクリエイターさんにとって魅力があると思います。

もちろん、お買い物をするお客様にもです。手間がかかるので大手ではやっていません。なかなか商品が売れないからと弱気な値付けになってしまっている作家さんの代わりに、倍の値段でもすぐに売れるという写真と商品説明を提供します。その分、販売手数料を30％とか50％とか高く設定して、サイトが作家さんと一緒に商品を売って収益をあげるんだという姿勢を明確にします。

(3)

ご実家がガラス工房ということであれば、これを活用するのもいいと思われます。

ハンドクラフトに興味があるお客さんを集めて実際に製作してもらったり、それを気軽に販売できるよ、ということを売りにしてしまう方法です。ガラス職人さんなどツテがあるならば、講師としてお願いしてもらうというのもいいかもしれませんね。ハンドメイドに必要な資材の販売なども行うといいでしょう。(1)の提案とは反対方向で、草の根的に愛好者を囲っていくという考えです。

いくつか違う方向で提案をさせていただきましたがいかがでしょうか。

どういった方向を目指すかは質問者様次第になるとは思いますが、後発なので他がやっていないことをどんどん試していくことも必要になると思います。

広告などの集客はまずどういうお客さんのどんなニーズを満たすかをはっきりさせてからです。そこがないまま広告を使っても効果が得られず続かないと思います。

また、いつでもご質問ください。