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課題・悩み
ビルのテナントを借りて飲食店を経営していますが、コロナ禍の影響で経営が厳しいため、家賃の減額を交渉中です。 ビルのオーナーに「10%減額で3ヶ月ならOK」と言っていただきましたが、それでも少し厳しいので、再度交渉したいと思っています。
この先どのように交渉を進めていけば良いでしょうか?
ご指導、アドバイスをお願いします。
回答:オーナー側のリスクを把握して、なるべく相手のリスクとならないような交渉をしましょう。
井出 龍治(いで りゅうじ) / オリエ不動産グループ
飲食店2店舗を営む傍ら、不動産会社を設立。店舗オーナー向けに、大家さんとの家賃交渉アドバイスなど、不動産コンサルタントとしても活躍をされております。
減額が希望額に達しない場合、今後の経営がどのようになるか把握はできていますか?
本来は賃料増減請求権という法律を基に話を進めるのですが、今回のコロナ禍による相場変動は判例がないため、判断が難しい状況です。 オーナー側にも様々な事情があると思います。
まずは、なぜ「10%減額で3ヶ月ならOK」なのかを探ってください。ビルの契約形態がサブリースなのか、返済があるのか、などの状況を把握することで、オーナー側の底値を確認しましょう。
そして、質問者様の家賃の希望額について、なぜその値段に減額してほしいのか、数値の根拠を示しましょう。 管理会社を通して交渉できるようなら、直接会ってお話ができないか管理会社に相談してみてください。一般的に管理会社はオーナー側の味方なので、入居者側から管理会社に提供できるメリットがあれば、そこも検討してください。
また、もし質問者様が保証会社に入っている場合は、オーナー側に滞納リスクはありませんが、退去時の原状回復リスクは残ります。最悪の事態も含めたうえで、オーナー側のリスクとならないやり方で交渉をしましょう。
「家賃交渉」というと「大家さん(オーナー)にお願いする」というスタンスの方がほとんどです。それが間違っているわけではありませんが、オーナーとの間の信用力を高め、不要な支払いをなくす(保証金の一部返還や保証会社の解除など)といった視点でも交渉をしてみてください。