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課題・悩み
弊社は、設立11年目になるエリア密着型の不動産の仲介・管理をする会社です。
今までは、設立当初のお客様を中心とした営業で何とか売上を維持してきたのですが、昨今競合他社が多くなり、売上が少しずつ下がり始めています。そこで既存のお客様の売上減少をカバーするために、約2年ほど前から新規のお客様の開拓に力を入れることを営業方針としてやっています。
ただなかなか思うように新規の開拓ができません。
何か新規開拓のポイントがあれば教えてほしいです。
回答:USP(ユニーク・セリング・プロポジション)を考えましょう。
農山 一志(のうやま ひとし)
アイデア段階の方にオススメの方です!事業計画を一緒に考えてくれる、頼もしい専門家の方ですどんな些細なご相談も大歓迎です!!
不動産会社における新規開拓のポイントですね。
細かな手段・手法については個人でテクニックなどがあるかと思いますので、今回は「会社として何を伝えるべきなのか?」という観点から新規開拓の考え方をお伝えしたいと思います。
営業メンバーに「新規開拓をもっとやりなさい」と言ってもなかなか動いてくれない、また成果につながっていない営業組織は多いです。そういった会社はかなりの確率で、具体的に「自社の製品・サービスの強みや価値を、どのような人たちに対して、どのように伝えて、売っていくのか」が曖昧、もしくは決まっていないことが往々にしてあります。
トップセールスパーソンと呼ばれる人の多くは、自社のどの製品・サービスを、どのような人に対して、どう他社と差別化して、どのような方法で売っていけば効率よく売れるかを常に考えています。
意識しているか、意識していないかは別として、営業のマーケティング要素を非常に考えているということです。
売れるトップセールスパーソンは「営業戦略」がしっかりと頭の中で出来ている、ということです。「新規開拓」が出来ない営業組織のほとんどが上記に話した「営業戦略」が曖昧、決まっていないことがほとんどです。
営業戦略の基本3点
「自社の製品・サービスの強みや価値を、どのような人たちに対して、どのように伝えて売っていくのか」を考えるとよいでしょう。
- 自社商品
- ターゲット
- アプローチ
この3つを整理することで、売れるための仕組みが自然と出来上がっていくのですが、「商品」の穴埋めする際に、単なる商品名を入れるだけではありません。
ここで最も重要なことは、自分たちの商品やサービスのUSPを考えることです。
USPとは「ユニーク・セリング・プロポジション(Unique Selling Proposition)」の略で、直訳すると独特の販売提案という意味です。
わかりやすく言うと、自分達の商品における他社と差別化できる「自社の強み」のことです。
単に「△△を提供します」「○○を売ります」というのではまったく魅力的に映りませんよね。
そうではなく、自社の商品がライバル会社の商品と比べて何が強いのか、どう違うのか、自分の会社から買うメリットを考えなければなりません。
多くのトップセールスマンは、常日頃「自社のどの商品・サービス」が、「どんなターゲット」に、「どのようにアプローチし、何を差別化にお客様に伝えて販売していくか」を考えていることが多いです。
つまり、営業組織として、「営業戦略」が明確になっているかどうかという点です。
メンバーに「新規開拓をしろ!」と言ってもなかなか進まない現実があるかと思います。
例えば、自社の戦略商品である「A」を、ターゲット「○○県のA区、B区の社員数20名以上の法人で、成長意欲旺盛な経営者・経営幹部」に対して、「DM郵送後にテレアポ」でアプローチをする。
そして他社との差別化のポイント・自社の強みである「○△■○△■○△■○△■」を明確にお客様にアピールしていく。
具体的にメンバーの頭の中にイメージできるように、上記のように「新規開拓」や、既存のお客様へ「新商品や違う商品」を売り込む際に、「営業戦略」を打ち出してみてはいかがでしょうか?
きっとメンバーの動きは変わります。
USPを作るための2つのヒント
ここで、USPを作るヒントをご紹介しておきましょう。
1つは、既に購入いただいたお客様に購入理由を聞くことです。
お客様からの回答の中に、ほぼ必ずUSPのヒントが隠されています。
ですから、より多くのお客様の声を集めることが重要です。
2つ目は、商品だけでなく、提供者である会社や社員、商品に付帯する情報やサービスにも目を向けると、USPが潜んでいるという点です。
また営業効率を高めるためには、できるだけ買ってくれそうなお客様に絞って営業をかけることが重要です。
ターゲット選定のための3ステップ
第1ステップは、自分の会社の既存顧客をリストアップして一覧表にしてみます。
第2ステップは、その顧客の属性を調べます。
第3ステップは、付き合いたい客・理想の客の共通点を探します。
これらを作成することにより「自分の会社を選んでくれているのは、どのような人や会社なのか」ということが見えてきます。
これは、つまり既存客分析のことです。
これまでの実績を分析することで、自分達の会社や商品を選んでくれる傾向の高い人たちが見えてきて、その層に営業をかけることによって、高い成約率が生まれてきます。
自社の商品・サービスの強みが分かって(USP)、ターゲットの絞り込みができたら、どうやって売ればいいかという「売り方」が見えてきます。
商品の強みも分からない、誰に売るのかも定まっていないと、焦点の定まらない一般的な販売方法しか見えてきませんが、商品とターゲットが明確化されることで、効果的な売り方がわかります。
是非この考え方を取り入れてみてください。