農産物の直販事業を検討。販路開拓について

この記事はに専門家 によって監修されました。

執筆者: ドリームゲート事務局

課題・悩み

農家から直接青果物を仕入れて販売する事業を計画しています。
現行のトレイサビリティより消費者に安全性をわかりやすい表示方法で示し、販売する青果物に残留農薬検査を通過したものであるというラベルを貼り販売しています。

ただ新規参入でもあり、JAなどに比べ資金面、取扱い品目の面、信用の面ではかなわず、案内状を出した小売店になかなか具体的な話を聞いてもらえない状況です。

販売価格は通常販売されている青果物の2割増し程度の価格に何とか設定する事が出来たため、その価格に設定いたしました。経費的なこともあり、最初は一品目の青果のみの販売です。
農家は市場のような変動する相場ではなく、そんなに高くなくても安定相場を望んでおり、消費者に対しても市場に卸せば各種手数料が発生し、中間マージンがかかり、消費者の購入価格に反映してしまいます。

ベンチャーとして新たに仕事を始める場合、信用は地道に築くというのは当然のことですが、一番最初の取引は、何か後ろ盾となるものを築いてからの方がよいのでしょうか。

回答

まず、信頼を得ることについてですが、自信をもっていかに売り込むかがポイントです。創業間もない会社では、実績がないのは当然のことです。
しかし「信用」「安定性」「実績」を重視する企業は、まだまだ多いのも現状なのです。
そしてベンチャーでも相手に受け入れてもらうために下記の点について明確にしておきましょう。

1.他の商品との違い
2.提供できる商品の量
3.時期による品質などの変化
4.価格設定について
5.自分の会社と取引することで得られる相手のメリット

また今後、取引を増加させるために、現在すでに取引しているところがあれば、取引先の意見、顧客の意見を必ず収集しておいてください。これらは、相手を説得する材料になります。
次に新規開拓先についてです。

基本的に現状ですでに「青果」を扱っている店舗の場合、現在の取引先がありますし、また大手であればあるほど、安定的な仕入を好みます。そうなるといくら品質が良かったとしても、参入は難しいでしょう。
「品質を重視している」「新たな商品を求めている」「大手でない」「他店への波及効果が高い」
このような視点でアプローチ先を検討してみてはいかがでしょうか?
「意欲のある小売店が共同で行っている組合や勉強会」「食材に気を使う飲食店」「宅配などを行っている企業」「自然食品などを扱う卸売業」といった店も効果があるかもしれません。
一番効率的なのはフェアに行って「ここ」と思う企業と名刺交換をしたり、商工会や商工会議所のセミナーなどに研修生として参加し、名刺交換をすることです。

そして商品価格についてです。景気、顧客ニーズ等の市場の状況を考慮すると、妥当な価格だと感じます。きちんとした品質のものですから、自信をもって利益の取れる価格で販売してください。
ただし、市場の状況が良くなっているとは言っても、まだまだ価格志向の顧客も多いです。価格の見せ方を工夫する、ある程度まとまった量の販売にする、他の商品との組み合わせも一案です。
相場について少し考えてみましょう。農家のかたが安定相場を求めるのはもっともです。ただ、購入する側からみれば、できるだけ安く手に入れたいと思うはずです。農作物であれば季節によって味が変化するでしょうし、生産量の変化もあるでしょう。だとしたら、相場制にするほうが価格設定が明確になり、相手の納得も得やすいと思います。
ちなみに、固定相場、変動相場を取引先によって使い分けている企業もあります。

最後に、営業ツールについてです。
まず、始めに述べた信頼を得るためのポイント5つを確認してみてください。
パンフレットなどよりも味を見てもらってからのほうが話を受け入れてもらえる傾向にあります。そして採用してもらったら一番おいしい食べ方のアドバイスをするといったサービスもいいでしょう。他店との違いを明確にして上手にアピールしましょう。

起業、経営ノウハウが詰まったツールのすべてが、
ここにあります。

無料で始める