父の民宿を引き継ぐさいの名義などについて

この記事はに専門家 によって監修されました。

執筆者: ドリームゲート事務局

課題・悩み

父が個人事業主として経営している民宿を、引き継ごうと考えています。
民宿の引き継ぎと並行し、雑貨や食品を取り扱う小売業を私が立ち上げる計画をしています。
3年後に黒字化し、5年後に民宿2百万円、小売1百万円の利益になると予想しています。

今回の件に関し、いくつか質問があります。

民宿と小売りについて、それぞれ誰の名義でおこなえばよいですか?
これを機に、個人事業主から法人化すべきですか?
また、私には弟がおりますが、相続のさいにトラブルになる可能性はありますか?

回答:お父様の生前に財産の譲渡をすませ、質問者様の名義にすると良いでしょう。

この質問への回答者

國村 年(くにむら みのる) / 國村公認会計士事務所
大手監査法人でのキャリア以外にも「元国立大学大学院教授」という異色な経歴を持っています。柔軟な発想で起業時の難しい問題を、明確にかつすっきり解決してくれます。

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まず、民宿と小売りの名義についてです。

  1. 宿+小売の両事業をお父様の名義にする
  2. 宿はお父様、小売は質問者様の名義にする
  3. 宿+小売の両事業を質問者様の名義にする

のどれかになると思います。

1.お父様の生前に、宿などの土地・建物を質問者様に移していなければ、相続により弟様のものになり、事業が継続できなくなる可能性があるので、選択しない方が良いかと思います。

2.とくに問題なくおこなえます。ただし、1と同様に、宿に関しては相続リスクがあります。

3.これが一番良いでしょう。宿について、お父様から質問者様に事業主が変わることになります。基本的には、不動産関係をどう移していくのかが焦点になるかと思います。

 

次に法人化すべきかどうかです。

利益予想が5年後に民宿2百万円、小売1百万円だとすると、法人化は必要ありません。なぜならば、利益予想から考えると個人事業主の方が税金が少ないからです。
一般的には、所得が500万円以上であれば、法人化を検討した方が良いと言われています。

ちなみに、法人化の主なメリット・デメリットは以下のとおりです。

<主なメリット>

  • 信用度が高くなる
  • 有限責任になる
  • 節税がしやすい
  • 事業承継をしやすい
  • 決算日を任意に決められる(個人事業主は12月31日のみ)

<主なデメリット>

  • 設立費用がかかる
  • 社会保険に加入する必要がある
  • 事務コストが増える(税理士に頼む場合、顧問料などが高くなる)
  • 赤字でも税金(住民税均等割)がかかる
  • 役員報酬(給与)は毎月同額の必要がある

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