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課題・悩み
代表取締役として、社員数15名の会社を経営しています。先日、取締役の1人から辞任したいとの申し出がありました。以下2点質問させてください。
1. 役員定数などの縛りをなくすため、取締役会の設置をなくしたいと考えています。取締役会をなくすと、会社を運営するうえで不利益は生じますか?
2. 辞任する役員に対し、役員退職金を支給する必要はありますか?
回答:取締役会の廃止によって不利益は生じません。役員退職金は、大株主の意向に依存します。
高橋 聡(たかはし さとし) /高橋聡公認会計士・税理士・社労士・診断士事務所
時には厳しいが、的確なアドバイスを頂ける頼れる専門家の方です。創業から株式公開まで、企業の成長段階ごとに合ったアドバイスを頂く事が出来ます。
1.取締役会の廃止について
取締役会設置会社から取締役会非設置会社にすることで、特段の不都合は発生しないでしょう。 当事務所の顧問先でも、名前だけの名目取締役や名目監査役を廃止するために、取締役会非設置会社にした会社が多数存在します。とくに不利益を被ったという話は一切聞いていません。
2.役員退職金について
役員退職金については、まさに大株主の意向次第です。 貴社に株主総会で承認された役員退職慰労金規程が存在していれば、その規程を根拠に適正な退職金の支給を裁判などで主張される可能性はあります。
しかし、そうした規程があることは稀です。 規程も無い状態ですと、役員退職金は株主総会決議事項ですので、議決権の過半数を握る大株主の一存で決まります。 いっぽう従業員部分の退職金については、会社の退職金規程があれば、それを根拠に退職金を支給する必要があります。