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課題・悩み
日本の天ぷら屋で10年ほど働いています。日本の食文化を海外に広めるため、フランスで起業し、天ぷら屋を経営することを考えています。
海外で経営をする際に資金が必要になるのですが、日本と海外どちらの銀行から借りるのが良いでしょうか?また、海外で起業する上で大変なことは何ですか?
回答:状況によって異なりますが、担保がある場合どちらでも良いと思います。
田之内 祐二(たのうち ゆうじ) / GIS LTD
ヨーロッパ・アジア・中東・アメリカなど、日本企業が海外へ進出する際のサポートを実施。はじめての海外進出であっても、現地でビジネスを上手く回すためのアドバイスを頂く事が出来ます!
はじめに資金調達についてご紹介します。
以下の2つに該当する場合、基本的に資金の借入が可能です。
① 担保がある場合
担保があれば基本的にはその価値に応じて借入を受けられる可能性は高いです。
通常、銀行からの借入を行う場合はこちらになります。
担保になるものがあれば、その国で借入できる可能性は日本、海外ともに同等と考えてよいと思います。
② 事業の将来性を見込んで誰かが貸し出してくれる場合
ベンチャーキャピタルやエンジェル投資家といった人たちに事業をプレゼンテーションし、その将来性を評価してもらい、借入を行う場合です。
こちらは、こういったベンチャーキャピタル等の文化が進んでいるアメリカといった国では借入しやすい傾向にあります。現在は日本でも環境が整ってきているので、アメリカのような国と比べて日本が借入を行いにくい、ということはあまりないです。
この場合は、借入というよりも、出資形態になる場合が多いと思います。
また、最近ではクラウドファンディング等でも資金は集まる可能性はありますが、こちらも借入れというよりも出資形態になる場合が多いようです。以前は、日本政策金融公庫でも担保なしで海外事業向けに貸出を行っていたようなので、念のため、一度問い合わせしてみるといいと思います。
これらの手法の中で、日本やフランス等のいくつかの銀行に問い合わせてみるのがいいと思います。
次に、海外での起業で大変なことについてご紹介します。
事業を行う人により、難しさを感じる点は様々に変わると思います。
その国での生活習慣やビジネス習慣への適応が難しいと感じる人も多いと思います。
今回のお問い合わせのように資金を調達することが生活習慣が分からない海外では難しいと感じる人もいますが、そういった異なる地での事業展開を逆にチャンスととらえる人もいます。よって、一概にはいいにくい部分もありますが、それでも資金繰りはどのような環境で事業を行っても共通的に難しいことだといえると思います。