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課題・悩み
機械工業分野の会社で製品開発・広報を行っています。元々は小さな会社だったのですが、徐々に業績を伸ばし、今後は海外進出を考えています。
その一環として、販路拡大を兼ねて、海外の展示会に弊社の製品を出品しようと考えております。
そこで以下のような疑問・不安を感じています。
- 日本の企業が海外の展示会に参加することはおかしいことではないのか?
- 展示会ではバイヤーがその場で製品を購入していくことはあるのでしょうか?
- 製品が模倣されるリスク
- 商標登録の有無
よろしくお願いします。
回答:「模倣されても、更にサービス面等でもっと上をいく」というマインドを持ち、ビジネスモデルによって商標の取得を考えましょう。
田之内 祐二(たのうち ゆうじ) / GIS LTD
ヨーロッパ・アジア・中東・アメリカなど、日本企業が海外へ進出する際のサポートを実施。はじめての海外進出であっても、現地でビジネスを上手く回すためのアドバイスを頂く事が出来ます!
以下、ご相談内容に関して、私の意見を回答として記載します。
展示会に関してですが、事業の国際的な拡大に関して、良い機会であることには間違いはありません。例えば、政府機関であるJETRO(https://www.jetro.go.jp/)等も、JETROがある程度の費用を負担して国際展示会への参加を一般企業に募るといった試みもあります。国際展示会は、新しい事業開拓を目的とした人も一定以上おり、日本から参加することに全く違和感はないです。おそらく、既に参加経験のある日本企業とも知り合うことができ、情報交換もできると思います。
展示会は、売ることが最終目的ですから、展示会場で実際に販売している、バイヤーが試しに買っていく、ということは日常茶飯事です。そのあたりは、展示会の規約にもよりますので、展示会主催者に展示会場で販売が可能かどうかを確かめておけばよいです。
模倣される危険(リスク)はいくらでもあります。では、そのリスクを避けて海外展開をしないか、リスクを取っても海外展開をするか、それは質問者様の考え次第です。それよりも、模倣されても、御社は更にサービス面等でもっと上をいく、といった考えを持つ方が長期的な成長が出来ると思います。
商標登録は、大事なことだと思います。ただ、模倣されてその正当性を国際的な司法判断に任せる場合に、仮に裁判で正当性が認められたとしても事業としてどこまでメリットがあるか、大きな疑問があります。事業規模、事業構造(自社開発をしているか、あるいは輸入ビジネスモデルか等)等によりますので、国際的な商標登録を扱っている弁護士等に詳細に相談してみるべきかと思います。事業拡大を目指すことは、とても良いことだと思います。失敗や苦い経験もたくさんされると思いますが、得るものも大きいと思います。ぜひ、チャレンジしてみてください。