起業・経営FAQ:海外メーカーとの契約書作成の注意点などを教えて欲しい

この記事はに専門家 によって監修されました。

執筆者: ドリームゲート事務局

課題・悩み

海外メーカーと日本総代理店として契約を結ぶことが決まったのですが、契約書の内容の作成方法がわかりません。
先方とは、3年の契約を結ぶ予定です。販売先として、ネットショップおよび、国内総輸入元として小売店、ホテル等に卸販売を予定しています。
注意点などを教えてください。

回答

 

このごろネット時代を反映してか、出来合いの契約書に会社名や製品名を入れただけの契約を見受けます。
一般的には、先方にドラフトを書かせ、そのドラフトを基本に何回か先方とやり取りした上で契約書にまとめあげる方法が多くとられています。 
国内総輸入元としての契約が可能である訳ですから、契約書の前文で明確に立場を 述べる必要が有ります。
契約書の構成としては、「前文」「合意事項」「署名欄」の3つとなります。

前文は当事者の立場を明確にする必要があり、この契約が国策(例えば、輸出振興策)に添っている趣旨を強調する事も有ります。合意事項は欧米の契約の基本で日本の契約には見当たらない事項です。
  つまり約因(CONSIDERATION)が明記されていて、契約の一方の当事者の約束に 対する他方の当事者の反対給付が説明されています。 英米法の下で契約が成立 する為には約因が必要で、例えば、売主の製品の提供と飼い主の製品代金の 支払いはそれぞれ相手側においての約因と言えます。

具体的なCOSIDERATION 以下の条文は契約書で明記するか、詳細に渡り添付書類 を参照する場合が有ります。
すべての項目を限られたスペースでご説明する事は不可能ですが、 条文に含まれるべき(必要な場合)項目を上げますと

※用語の定義(DEFINITION)
※製品規格(SPECIFICATIONS)
※運送方法(METHID OF SHIPMENT)
※注文、注文受理、変更、支払い(ORDER, ORDER CONFIRMATION, AMENDMENT, PAYMENT)
※品証(WARRANTY)
※契約の有効期限(VALIDITY OF AGREEMENT)
※不放棄(NON-WAVER)
※早期終結(EARLY TERMINATION)
※不可抗力(FORCE MAJEURE)
※譲渡禁止(NOASSIGNMENT)
※仲裁(ARBITRATION)
※完全合意(ENTER AGREEMENT)
※準拠法(GOVERNING LAW)

さらに必要に応じて
※諸経費(CHARGES)
※検査とクレーム(INSPECTION AND CLAIM)
※貿易条件(TRADE TERM)を含める事も可能です。

相手より契約の原稿を入手し、こちらが必要とする項目が盛り込まれているか確認し、不利な条項をできるだけ排除する交渉は必要でしょう。

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