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課題・悩み
食品スーパーのベーカリー部門にて働いていました。
働く中で、工場から送られてくる冷めたパンではなく、できたてのほかほかのパンでお客様に笑顔になってほしいと思い、パン屋を開きたいと考えています。
開業するにあたって融資を受けたいと考えているのですが、別件で借入金があり、融資を受けることができるのか不安です。
借入金があっても融資を受けることはできるのでしょうか?また、借入金がある場合、融資までにどのようなことに励むべきなのでしょうか?アドバイスよろしくお願いします。
回答:融資を受けられる可能性はあります。融資を申し込みまでに借入金を減らしましょう。
上野 光夫(うえの みつお) / 「起業家が資金調達するための方法」 に関するノウハウは日本一です! 株式会社 MMコンサルティング
元日本政策金融公庫の融資課長として5000名以上の起業家を支援した上野アドバイザー。現在は、資金調達の専門家として活躍されております。融資を検討されている方にはうってつけのアドバイザーです。
パン屋を開業するご予定なのですね。ぜひ成功されますように応援しております。
ご相談に回答しますと、借入があっても融資を受けられる可能性はあります。借入はできるだけ少ないほうがいいので、融資を申し込みするまでにできるだけ減らすことは心がけてください。
ただし、創業融資の場合、全額借入の計画だとなかなか審査に通らないので、いくらか自己資金も貯めておく必要があります。たとえば、開業のために800万円必要な場合、200万円くらいは自己資金があって、残りの600万円は融資を利用するというくらいの計画が審査に通りやすくなります。
自己資金がそれほどない場合は、たとえば親御さんなど身内の方から返済不要の資金を提供していただく方法でカバーできる可能性があります。
次に金融機関が創業融資の審査をする際のチェックポイントについて解説します。融資について、融資担当者がチェックするポイントは、「財政状態」、「経営者としての資質」、「事業の見通し」という三つの視点です。
(1)財政状態
代表者本人の財産がどれくらいあるか、逆に借入金などの負債はどうか、という点です。当然、預金などの財産は多いほうが、負債は少ないほうがいいということになります。とくに財産については、同居家族名義も含めて積極的に情報開示することが、高評価につながります。
(2)経営者としての資質
これは、「この事業をする経営者としてのスキルやノウハウをもっているか」という観点です。大切なことは、「経歴書」に、「今回の事業と関係する経験を積んでいる」ということが明確に分かるように記載することです。
(3)事業の見通し
これは、「事業計画書」で示すべきポイントです。予定しているビジネスの内容については、相手が中学生でも理解できるように、分かりやすく記載することがコツです。金融機関の担当者は、金融のプロですがビジネスのプロではないので、目新しいビジネスなどには詳しくないのが普通だからです。
最後になりますが、質問者様が首尾よく資金調達されて、パン屋さんが繁盛されることを祈念しております。