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課題・悩み
会社を創業する予定です。
事業のモデルなどは見通しが立っています。資金調達について質問です。
(1)自己資金について
生命保険の解約金を資本金にあてたいのですが認められますか?
(2)借入について
コロナで生活資金が足りなくなり、生活福祉資金の特例貸付を受けております。このことは融資を受ける際に報告した方がよいのでしょうか?
またクレジットカードの支払い残高も残っています。
このような状態でも資金調達は可能でしょうか?
回答:生命保険の解約返戻金は証拠書類があれば自己資金として認められます。借入金がある場合、隠さず申告しましょう。
上野 光夫(うえの みつお) / 東京都 / 「起業家が資金調達するための方法」 に関するノウハウは日本一です! 株式会社 MMコンサルティング
元日本政策金融公庫の融資課長として5000名以上の起業家を支援した上野アドバイザー。現在は、資金調達の専門家として活躍されております。融資を検討されている方にはうってつけのアドバイザーです。
会社を設立予定とのことで、おめでとうございます。それでは、ご相談に回答いたします。
(1)自己資金について
生命保険の解約返戻金に関して、解約したときの証拠書類が残っていれば、自己資金として認められると思います。
(2)借入について
基本的には金融機関に対しては、借入金がある場合、隠さず申告するほうがいいです。隠しても、後で判明することもあり、その場合には信用を失うからです。クレジットカードの残高については、マイナス材料になりますが、完済できるのがいつなのかなど説明のやり方次第です。
ご存じと思いますが、日本政策金融公庫の場合、個人信用情報の「CIC」をチェックします。https://www.cic.co.jp/
ご心配であれば、ご自身の信用情報を取得していただき、カードローンやリボ払いなどの残高、支払い状況に問題がないか、確認することをお勧めします。
(3)日本政策金融公庫からの融資の見通し
自己資金と借入についての私の見解は以上の通りです。融資が受けられるかどうかは、ご希望の金額にもよりますが、事業計画書(創業計画書)をいかにうまく作成するかという点が大きいです。取引先とのご契約もあるのであれば、そのあたりも協調してアピールすると、いい結果につながると思います。
次に創業融資の審査のポイントについてご説明します。知っていただきたいこととして、融資担当者が審査するときのチェックポイントがあります。融資について、融資担当者がチェックするポイントは、「財政状態」、「経営者としての資質」、「事業の見通し」という三つの視点です。
①財政状態
代表者本人の財産がどれくらいあるか、逆に借入金などの負債はどうか、という点です。当然、預金などの財産は多いほうが、負債は少ないほうがいいということになります。とくに財産については、同居家族名義も含めて積極的に情報開示することが、高評価につながります。
②経営者としての資質
これは、「この事業をする経営者としてのスキルやノウハウをもっているか」という観点です。大切なことは、「経歴書」に、「今回の事業と関係する経験を積んでいる」ということが明確に分かるように記載することです。
③事業の見通し
これは、「創業計画書」で示すべきポイントです。予定しているビジネスの内容については、相手が中学生でも理解できるように、分かりやすく記載することがコツです。金融機関の担当者は、金融のプロですがビジネスのプロではないので、目新しいビジネスなどには詳しくないのが普通だからです。
最後になりますが、質問者様が首尾よく資金調達されて、事業が繁栄されますよう祈念しております。