起業・経営FAQ:市の補助金にチャレンジしたいです。審査の概要について教えてください。

この記事はに専門家 によって監修されました。

執筆者: ドリームゲート事務局

課題・悩み

起業して数か月です。市の補助金に申請しようと考えています。

始めてなので基本的な部分が分かりません。審査の概要について教えてください。

回答:審査項目と参考例、事業再構築補助金の留意点、創業融資を通して説明します。

この質問への回答者

森 滋昭(もり しげあき) / 森公認会計士事務所
誠実な人柄とわかりやすい説明で、多くの起業家や中小企業の資金繰りや資金調達の支援をされている森アドバイザー。資金調達や資金繰りでお悩みの際にお勧めのアドバイザーです。

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1.審査項目と参考例

どのような事業計画が採択されるかというのは、募集要領のP16の審査基準に書いている項目になります。https://www.city.sendai.jp/kikakushien/challengehojokin/documents/dai4kai-boshuyoryo-220517ver.pdf

この審査項目に沿って、事業計画書が評価されます。ただ、これだけでは、わかりにくいのですが、この募集要領を読んでいると、事業再構築補助金と類似していますので、事業再構築で参考にできるところは参考にされるといいかと思います。まず、事業再構築補助金の公募要領にも審査項目があり、この審査項目をより詳細に書いています。

一方で、東京を含めた全国を対象とし、補助金額も大きい補助金です。そのため、先端的なデジタル技術の活用や、今回のグリーン成長点など、特有の項目があります。こういう点を考慮しながら参照されるといいかと思います。

ただ、これでも、まだ、具体的なイメージはわきにくいかと思います。そこで、参考になるのは、事業再構築補助金の採択事例です。https://jigyou-saikouchiku.go.jp/cases.php

個人的には、(株)八芳園が見本として参考になり、この章立て・各項目に準じて書いていくのがわかりやすいと思います。なお、留意点としては、15ページあるので、10ページにした場合、よりコンパクトにまとめる必要があります。

2.事業再構築補助金の留意点

この補助金は、事業再構築補助金と同じではないと思いますが、公募要領に書いて はいませんが、参考になる点があります。

(1)ターゲット

どのような顧客をターゲットとするのか、明確にした方がいいかと思います。不採択事例で、そのようなフィードバックを聞きましたし、ターゲットを絞った方が、マーケティングも具体的に描けます。

例えば、女性でも、20代の女性と70代の女性では、マーケティング手法も違ってきます。単に女性というよりも、具体的な属性を書かれた方が具体性=実現性が高まります。

ただ、あまりに絞りすぎるとマーケットが成り立たなくなる場合もありますので、ご注意ください。

再構築では、そういう意味でも、市場規模を書かせるようになっているかと思います。

(2)実現可能性

この補助金では、新しいことにチャレンジをするのに成功しなければなりません。例えば、私が、突然寿司屋を始めても、普通、成功しません。

それでも成功できると説得するには、現在のリソース、人・モノ・カネだけではなく、例えば、顧客リストや今のビジネスや、勤務していたときのノウハウなども含めたリソースを新しい事業に活用できるからです。

例えば

  • 学生時代アルバイトで鮨職人を3-4年経験していた(ノウハウがある)
  • 腕のいい鮨職人を採用できるアテがある(キーとなるスタッフの確保)
  • 近所の顧問先約50件が、毎日のように来ると言っている(顧客リストがある)

といったことです。

(3)費用の配分

再構築補助金では、明文化されていませんが、事務局に聞くと、広告費は、最大で設備投資と同じくらいと言われています。こうした制約があるのか確認してもいいかと思います。

なお、通常は、新しい事業を始めるには、通常何らかの設備投資が必要ですし、販促・広告をしなければ、新事業は立ち上がりません。説得力のある計画書を作成するという点からも、費目の配分は、合理的である必要があります。

この(1)~(3)は、不採択事例へのコメントなどにもとづいてはいるのですが、新しい事業を始めるに当たって、あるいは事業計画書を書く際には、当然の内容かと思います。そういう意味では、再構築特有の留意点と言うことなく、この補助金でも参考になるかと思います。

3.創業融資

融資が一番通りやすいのは、起業した直後とも言われています。つまり、起業した直後は、売上があまりなくても、今後の売上を自由に想定できます。

起業から1年も経過すれば、当然、売上見通しは過去の売上を基準に見通す必要が出てきます。 最初の2ー3ヶ月は起業の準備といった理由で、まだ、売上をある程度自由に見通すことができる余地があるのではないかと思われます。

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