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課題・悩み
ハンバーガを扱った飲食店を起業予定です。日本政策金融公庫の融資に関して2点相談があります。
相談の1点目です。 10年ほど以前に友人から口座Aに700万円ほどを受け取り、その後、自身でも月々の貯金を重ねて口座Bに400万円ほどを貯めました。しかし商品開発のために口座Bは100万円ほどに減り、貯蓄としては計800万円ほどとなっております。
こうした場合、日本政策金融公庫が自己資金として認める金額は口座Bの100万円のみになるのでしょうか?
相談の2点目です。 物件を取得してから融資申し込みをするものと思っているのですが、居抜きの造作譲渡費は融資の対象になりますか?
回答:ある程度年数がたっている場合自己資金として認められます。居抜物件の造作譲渡料は融資の対象になります。
上野 光夫(うえの みつお) / 「起業家が資金調達するための方法」 に関するノウハウは日本一です! 株式会社 MMコンサルティング
元日本政策金融公庫の融資課長として5000名以上の起業家を支援した上野アドバイザー。現在は、資金調達の専門家として活躍されております。融資を検討されている方にはうってつけのアドバイザーです。
それでは、ご質問に回答いたします。
まず自己資金についてですが、10年ほど前からあるご預金であれば、通常は自己資金として見てくれると思います。ただし、ご友人から受け取ったときの経緯がどのようなものだったかは質問されると思います。
たとえば相続による財産分与などがあると思いますが、どなたからどのような経緯で受け取られたかがポイントにはなると思います。
次に物件の件についてですが、居抜物件の造作譲渡料についても、融資の対象になります。また、日本政策金融公庫に申し込む前に契約や支払いをする必要はありません。契約をした後で融資申し込みして、万一、融資が通らなかった場合が大変だからです。
一般的に飲食店を開業する方の場合は、「この物件でやる予定です」という形で、日本政策金融公庫へ申し込みするのが妥当です。ですから、不動産屋さんには「融資が通れば契約したい」という説明をして、待ってもらうように依頼するのがいいです。ただし、不動産屋さんや物件オーナーとしては、契約未了の状態で、他の方が契約を希望した場合は、その人を優先するのが普通です。なので、希望者が多いような物件だと、先に取られるリスクはどうしてもあります。
最近はまだコロナの影響で、飲食店の新規開業は少ないと思いますので、あまり競合にはならないような気はしますが、そうしたリスクはあります。それでも物件の正式契約や居抜物件の造作等の支払いは、融資が決まってからにされたほうがいいです。万一、融資を申し込みしてから、他の人に取られてしまった場合は、他の物件を探して変更する形で進めればいいと思います。