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課題・悩み
弊社は委託業務にて、イベントにタレントをキャスティングしたり、人材を派遣したりしています。コロナ禍でイベントでの売り上げが立たなくなり、さらに取引先の大手の製作会社からの入金が遅れているので、弊社の資金繰りも厳しくなりました。 先日はじめて日本政策金融公庫に書類を提出しました。
この先の電話応対や面談は、どのようにすればいいのでしょうか?
回答:ポイントは、「事業内容の説明」「数字の説明」「現況と今後の見通しの説明」の3点です。
上野 光夫(うえの みつお) / (株)エムエムコンサルティング
元日本政策金融公庫の融資課長として5000名以上の起業家を支援した上野アドバイザー。現在は、資金調達の専門家として活躍されております。融資を検討されている方にはうってつけのアドバイザーです。
①事業内容の説明
新型コロナウイルス特別貸付は審査の難易度はかなり低くなっているので、審査をパスできる確率は高いでしょう。
初めての申し込みでしたら、「ご商売の概要」という資料を提出したと思います。 担当者から電話でその内容について質問されますので、質問者様がどんな事業をされているのかをしっかりと伝えましょう。なぜなら、公庫は質問者様の会社をまだ知らないからです。
「貴社の業界のことを全く知らない人」にわかりやすく説明することを意識してください。 これまで日本政策金融公庫の融資を受けたことがあり、遅れずに返済した実績がある場合は、それほど心配はいりません。
②数字の説明
最近の売上や利益の状況について質問されるので、取引先からの固定売上、タレントのキャスティング業務などについて、それぞれの売上推移を説明できるように準備しましょう。
ほかにも、次のような数字についても説明できるようにしてください。
- 家賃など固定費の金額
- 従業員(正社員やパート・アルバイト)の数、人件費の金額
- 外注(業務委託先)があるか、外注費はどれくらいか
③現況と今後の見通しの説明
コロナ禍の影響で、イベント関係の事業の売上が止まっていることを説明します。また、大きな製作会社様からの入金が遅れることも説明してください。
もっとも大事なことは、「中長期的に回復する計画」を説明することが不可欠です。 日本政策金融公庫は、売上の減少をカバーする計画がある企業でなければ、融資をしにくいでしょう。
たとえば、イベントのオンライン開催や、動画を制作して取引先へアプローチするなど、何か新しい計画を考えてアピールしましょう。