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課題・悩み
日本で飲食店を開業する予定です。公庫から融資を受けたいのですが、直近1年程の給与明細の提出が必要で、融資面接もあると聞きました。帰国後1年くらい日本で働き、給与明細など準備する予定です。
先日まで海外の飲食店で働いていましたが、そこでは給与明細などはなく、現金手渡しだったので、自己資金は「タンス貯金」という状態です。 自己資金の出どころを証明する書類がないせいで、融資が受けられなくなることはありますか?
回答:「直近1年程の給与明細」として、通常は「源泉徴収票」を求められます。
上野 光夫(うえの みつお) / (株)エムエムコンサルティング
元日本政策金融公庫の融資課長として5000名以上の起業家を支援した上野アドバイザー。現在は、資金調達の専門家として活躍されております。融資を検討されている方にはうってつけのアドバイザーです。
「直近1年程の給与明細」として、通常は「源泉徴収票」を求められます。もちろん、給与明細でもOKです。帰国して1年くらい日本で仕事をしてから融資を申し込めば、とくに問題はありません。
次に「創業融資」を受ける際の審査をクリアするためのポイントを説明します。金融機関が審査するときのチェックポイントは、「財政状態」、「経営者としての資質」、「事業の見通し」という三つの視点です。
①財政状態
本人の財産がどれくらいあるか、逆に借入金などの負債はどうか、という点です。当然、預金などの財産は多いほうが、負債は少ないほうがいいでしょう。とくに財産については、同居家族名義も含めて積極的に情報開示することが、高評価につながります。
②経営者としての資質
これは、「この事業をする経営者としてのスキルやノウハウをもっているか」という観点です。大切なことは、「今回の事業と関係する経験を積んでいる」ということが明確に分かるように説明することです。海外での経験を積んだことは大きなアピールポイントになりますので、経歴欄に詳しく記入しましょう。
③事業の見通し
これは、今後取り組む事業内容と収支見込みのことです。ビジネスの内容は、相手が中学生でも理解できるように、分かりやすく説明することがコツです。なぜなら、金融機関の担当者は金融のプロですが、ビジネスのプロではないので、目新しいビジネスなどには詳しくないからです。 収支の見通しについては、「絵に描いた餅」と思われないように、できるだけ客観的に見て「なるほど」と納得してもらえる根拠を説明する必要があります。