起業・経営FAQ:失業中でも融資は受けられますか?

この記事はに専門家 によって監修されました。

執筆者: ドリームゲート事務局

課題・悩み

過去に音楽出版会社と楽曲著作権契約をし、楽曲を提供することで収入を得ていましたが、現在は失業しています。楽器もレコーディング機材やパソコンも、生活が厳しくなり手放していますが、フリーランスで再度作曲の仕事をしたいです。

このような状況で融資は受けられるでしょうか?

回答:失業中での融資のハードルは高いですが、受けられる可能性は十分あります。

この質問への回答者

上野 光夫(うえの みつお) / (株)エムエムコンサルティング
元日本政策金融公庫の融資課長として5000名以上の起業家を支援した上野アドバイザー。現在は、資金調達の専門家として活躍されております。融資を検討されている方にはうってつけのアドバイザーです。

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融資に関しては、ハードルは高いと思いますが、受けられる可能性は十分あります。
融資を受けられるようにするためのポイントを、いくつかアドバイスさせていただきます。

まず、フリーランスで再度作曲の仕事をするために、何にいくら資金が必要なのか調べてみてください。具体的に、楽器、レコーディング機材、パソコンなどの機器のほか、スタジオを借りるときの費用など、具体的にどんなものが必要で、金額がいくらなのかを調べましょう。

融資は日本政策金融公庫などの公的な創業融資が適していると思いますが、あくまでも「事業」としての融資ですので、ビジネスとしてやっていけるという根拠をできるだけ明確にすることが大切です。

たとえば、質問者様が作曲の仕事を再開されたら、どんな会社や人が買ってくださるのか、その具体的な見込をリストアップしてみてください。それが、金融機関を説得する大きな材料になります。

質問者様がこれまでに多数の楽曲を提供し、ヒットしている実績があるならば、その実績は「曲をつくれば売れる」というエビデンスの一つになります。
これまでの具体的なご実績を分かりやすく紙に書き出して、金融機関の担当者へ見せることができるようにしてください。

次に、日本政策金融公庫の創業融資の審査をパスするための、一般的なコツについてご説明します。融資担当者がチェックするポイントは、「財政状態」、「経営者としての資質」、「事業の見通し」という三つの視点です。

①財政状態
本人の財産がどれくらいあるか、逆に借入金などの負債はどうか、という点です。
当然、預金などの財産は多く、負債は少ない方がいいです。とくに財産については、同居家族名義も含めて積極的に情報開示することが、高評価につながります。

②経営者としての資質
これは、「この事業をする経営者としてのスキルやノウハウをもっているか」という観点です。大切なことは、「経歴欄」に、「今回の事業と関係する経験を積んでいる」ということを明確に分かるように記載することです。

③事業の見通し
これは、「事業計画書」で示すべきポイントです。予定しているビジネスの内容について、相手が中学生でも理解できるくらいに分かりやすく記載することがコツです。なぜなら、金融機関の担当者は金融のプロですが、ビジネスのプロではないので、目新しいビジネスなどには詳しくないからです。
収支の見通しについては、「絵に描いた餅」と思われないように、できるだけ客観的に見て「なるほど」と納得してもらえる根拠を説明する必要があります。

最後になりますが、質問者様が首尾よく資金調達されて、再びすばらしい楽曲を生み出されることを祈念しております。

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