Q.海外進出向け資金調達
海外(例.フランス)で事業立ち上げをしたく、その資金調達についてメールしました。
日本で融資を受ける場合を中心にアドバイスお願いします。
A.回答
ご依頼の件は、通常はフランスでベンチャーキャピタル会社、銀行等から投資を受けたり、運営会社を設立・登記したり、事業提携者を探したりします。以下、フランスでの事業立ち上げにおける資金調達のあり方についてまとめました:
◆フランス国内で資金調達に取り組む場合は:
[1] 友人・知人(フランス在住)から融資を受ける。
これは初歩的、そしてもっとも容易な資金調達方法で、「共同経営者を募る」事でもあります。
[2] 投資会社・個人投資家(フランス在住)から投資を受ける。
これは資金獲得用のビジネスプランを作成し、投資会社あるいは投資家にプレゼンテーションを行い、適切な投資と判断されれば投資を受ける事が出来るというものです。
<ご参考>
[2]において、フランスにある未上場企業を支援する団体は以下の協会があります:
未上場企業向け投資協会:
Association Francaise des Investisseurs en Capital
会員数:
239
住所:
23, rue de l'Arcade
75008 PARIS
電話およびFAX番号:
Tel: 01 47 20 99 09
Fax: 01 47 20 97 48
URL:
プレゼンテーションは、全工程1時間としますと、最初の3分の2(40分)は、プレゼンター、ビジネスアイデア、提供するサービスについて検討し、フランスで立ち上げるビジネスがどれくらいのサービス価値を顧客にもたらし、収益力が高いのか見極めることに使われます。この40分間で、投資に値するビジネスであるかを確信するに至らない場合、投資家達はそこで作業を止めることになります。
残りの3分の1(20分)は、PPMとマーケティング資料を準備 の上、適切な投資額を算定することに用いられます。PPM(Private Placement Memorandum)とは「投資が不適切なものである事」から投資家および起業家をプロテクトする法的文書で、通常投資側が準備します。
◆フランス以外の国(日本を含む)で資金調達に取り組む場合は:
[3] 友人・知人(日本在住)から融資を受ける。
これは、[1]同様です。
[4] 投資会社・個人投資家(日本在住)から投資を受ける。
これは、[2]同様、資金獲得向けのビジネスプランを作成することになります。海外進出向けの投資を扱う日本の団体については、フランスに支店を置く大銀行などが考えられ、業務上上記[2]と同じですので、[2]をご参照ください。
尚、日本の中堅銀行に勤務する私の知人の談では、「投資後、経営状況等について色々聞きたいことも出てくるから、投資先は電車で1時間程度の場所にあるのが良い」という事でした。
<コメント>
上記[1]、[2]、[3]が資金調達に於ける検討事項となります。[4]については、昨今の市場動向を把握しながら個人投資家を探すのが良いと思います。
尚、「永住権保持者じゃないためにローンが組めない」に対しては、開業する会社にフランス人の社長を雇う、あるいはフランス人の共同経営者を探す、等を検討すると良いでしょう。