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課題・悩み
海外向けに、日本の製品を販売しようと考えています。その際に、日本に会社を設立する場合、海外に会社を設立する場合の概要について教えてほしいです。
- アメリカでの会社設立と運営費用
- アメリカでのビザ取得
- 海外に日本支店を出店した場合
- 日本での会社設立
よろしくお願いします。
回答:費用・事務手続きの面でアドバイスします。
森 滋昭(もり しげあき) / 東京都 / 森公認会計士事務所
誠実な人柄とわかりやすい説明で、多くの起業家や中小企業の資金繰りや資金調達の支援をされている森アドバイザー。資金調達や資金繰りでお悩みの際にお勧めのアドバイザーです。
質問者さまが、どれだけアメリカに基盤があるのかわかりません。そのため、あまりアメリカには基盤がない前提で回答させていただきます。
(1) アメリカでの会社設立と運営費用
アメリカでも、非居住者が会社を設立することは可能のようです。設立費用は30~60万円とネットで書かれていますが、この円安で、もう少しかかるのではないかと思われます。
設立よりも、会社を運営し、毎年申告納税をするためには、アメリカの会計事務所に委託しなければなりません。日本人の会計事務所もありますので、対応は可能だと思いますが、費用が日本で会社を作るよりもかかるのではないかと思われます。
アメリカでは、日本語で対応してくれる会計事務所は特殊なサービスだからです。逆に、日本でも英語対応をする会計事務所の料金は一般的に高くなっています。
英語が堪能で、米国の会計事務所に依頼するのであれば、それほど問題ではないかと思われます。
(2)アメリカでのビザ取得
アメリカで会社経営をすることでビザを取得する場合はE-2ビザになります。ネット情報では、1~2千万円以上の費用がかかるとされています。日本でも、外国人が経営管理(投資)ビザを取得するためには、実質的には1千万円近い資金が必要になってきます。 投資ビザは、費用がかかるので、その点をご理解ください。
アメリカのビザを取るのであれば、アメリカの大学を卒業してアメリカの会社に就職する方が簡単な可能性もあります。なお、一般的には、ビザの費用を負担してまで日本人を採用するのは、日系企業になると思われます。
(3)海外に日本支店を出店した場合
会社を設立し、他国でビジネスをする場合(他国で売上が上がる場合)、一般的に、現地法人を設立します。支店であれば、いったん現地で申告納税し、外国で納税した分も含めて再度本国で申告増税することになり手間がかかります。また、現地法人と本国は別にした方が、訴訟のリスクなどが本国に及ばないということもあります。
(4)日本での会社設立
これからどのようにビジネスをされるのか、具体的なことは、わかりません。もし、設立当初から、アメリカ本国で店舗等を開業したいのであれば、アメリカにわたってアメリカで会社を設立する必要があるかと思います。
一方、設立当初は、ネットで日本製品の販売を検討されているのであれば、日本では納税をしたくないということですが、日本で会社を設立したほうがスムーズにいくかと思います。
アメリカに進出するのであれば、日本とアメリカでのビジネスを確立し、アメリカでのネットワークなどをある程度築いてから、アメリカで現地法人を設立されるのが、一般的かと思います。