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悩み・課題
理容・美容院事業の会社をすでにもっているのですが、この度、新事業を始めようと考えています。
新事業を新会社で行うか、既存会社で補助金申請するか、どちらがメリットがありますか?また、今まで免税事業者だったのが10月から課税事業者となるのでこの点もアドバイスをお願いします。
回答:分社化のメリット・デメリット、事業再構築補助金について説明します。
森口 智志 / 有限会社アダプト
FCサイトやネットショップ起業を成功させるために、IT技術と経営力を高めることが大切です。起業時だけでなく、事業を持続させるノウハウをもつアドバイザーです。
新事業を新会社とするか、既存会社の新しい事業部門とするかはメリットデメリットがあると思いますので検討が必要です。
分社化のメリット
- 新規に作った会社の分は一定期間、消費税が免税になることによる益税。
- ひとつの会社の事業がうまくいかなくても他の会社は存続できる。
- 会社ごとに事業にあわせた人事制度をとりやすい。
分社せず新事業とすることのメリット
- ひとつの会社の方が人材を有効活用しやすい。
- 新事業でも既存事業の実績や信用力を利用できる。
- 事業の効率化がしやすい。
これらのメリット、デメリットを考えていくことになると思います。また、これに加えて「事業再構築補助金」が検討対象になります。事業再構築補助金は第1回目の締め切りが4月30日ですので準備をしていなければ、今からの申請は難しいと思います。
ただ、今年度中に5回程度にわけて公募が続くと思われます。4月の公募締め切りに間に合わなくても次は6月~7月ごろではないかと思います この事業再構築補助金は売り上げ減少といった要件がありますが、これを満たせば質問者様の新事業はどちらも当てはめられるのではないかと思います。
この事業再構築補助金は通常枠では最大6,000万円(2/3)、緊急事態宣言特別枠を利用するなら最大500~1500万円(3/4)の補助が受けられます。補助金なので申請すれば必ず受けられるわけではありません。補助金に強い認定支援機関を探す必要もあるかもしれません。また、新事業でどれぐらいの初期投資が必要なのかによっても考え方がかわってくると思います。
それでも近年、類を見ないほどの予算を持った大型の補助金であるのは確かで、このタイミングで新事業を計画しているのであれば利用しない手はないと思います。 単純な金銭的な比較であればこの補助金で受けられる金額と消費税の益税の比較でしょうか。例えば新事業の年間売上が2億円だとすると仕入れなどの内容によると思いますが益税は800万円程度でしょうか。益税を2年出せたとして1600万円です。事業再構築補助金で益税以上の補助金を受け取れる見込みがあればそちらの方がいいということになります。
また、最初は補助金を狙いながら既存会社の新事業として始めて軌道に乗る見込みがついたところで分社するという方法もあると思います。
※この回答は2021年当時のものです。