アメリカ在住の知人に個人事業主の継承はできますか?

この記事はに専門家 によって監修されました。

執筆者: ドリームゲート事務局

課題・悩み

現在個人事業主をしています。アメリカ在住の知人(日本人)に個人事業主の継承をし、私は廃業届を出したいと考えています。

知人が日本でのビジネスをするにあたり、日本で個人事業主として開業届を出す予定でが、これは税務署に認めていただけるでしょうか?

 

回答:どこの国に納税義務があるのかをはっきりさせる必要があります。

この質問への回答者

中田 哲也(なかた てつや) / 東京会計総合事務所 / 中田哲也税理士事務所
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アメリカ在住者が日本の法人の役員になるのは全く問題がありませんが、個人事業主の場合は複雑です。

国際税務の世界では、国は自国の居住者に課税します。税務上の居住者という概念も細かく決まっていて、どこの国の居住者であるかで、どこの国に税金を払うかが決められています。その知人が米国の居住者であれば、日本で発生した所得であっても、米国で申告・納税する義務があります。

 

・開業届をアメリカの住所で提出した場合

日本では、アメリカに住所がある人が日本で開業届を出しても、日本に課税権がないと判断されれば受理されないでしょう。日本で国内源泉所得があり、申告の必要がある場合は、日本の納税代理人を立てる必要があります。 https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/2010.htm

(用語が難しいですが、参考にしてください)

また、個人事業主を米国の居住者である知人が引き継ぐことも難しいでしょう。米国に住所があっても生活の基盤がなく、日本にいる期間が長い場合などは、日本の居住者と認められることもあります。しかしアメリカで市民権を得て暮らしている場合は、厳しいと思います。

 

・開業届を日本の住所で提出した場合

日本の実家の住所などを書いて税務署に提出することもできますが、知人がアメリカの納税者なら、2重課税になってしまう可能性があります。まずはIRS(アメリカ国税局)にアメリカでの納税義務の有無を確認してみましょう。米国は183日ルール(年の半分以上米国にいるのか)などの要件があります。このあたりの情報もご確認ください。

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