現在の事業と新事業を1つの会社にまとめるべきか、分けるべきか、迷っています。

この記事はに専門家 によって監修されました。

執筆者: ドリームゲート事務局

課題・悩み

個人事業主としてWEB制作をしていますが、法人を設立し、あらたに介護施設を開業したいと考えています。法人設立の形態について、どちらの方が良いですか?

①個人事業主は個人事業主としてそのまま継続し、介護サービスのみを行う株式会社を設立する。
②個人事業主から法人成りをして、株式会社の中にWEB制作の事業を設ける。

また①の場合、介護施設の開業までは利益がありません。法人の利益がない場合に、健康保険や年金の支払いはどのようになりますか?

回答:1つの会社で2つの事業をする方がおすすめです。

この質問への回答者

土谷 正剛(つちや まさたけ) / 土谷税理士事務所
若手起業家から多くの支持を得る土谷アドバイザー。プライベートでは、スポーツ、料理、ワインが趣味と非常に多彩な方です。若手起業家の方で、税務関係でお困りの際は、土谷アドバイザーがお勧めです。

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①WEB制作事業を個人事業主のまま続け、介護事業の会社と掛け持ちする場合

  • メリット
    ・事業別の損益を把握しやすい
  • デメリット
    ・WEB制作事業の黒字と保育事業の赤字を通算できない
    ・個人事業部分の節税がしづらい

②法人でWEB事業と介護事業をおこなう場合

  • メリット
    ・WEB制作事業の黒字と保育事業の赤字を通算できるため節税できる
    ・法人の方が節税しやすいので、節税対策の幅が広がる
    ・法人化することでWEB制作事業について対外的な信用度があがる
    ・WEB制作事業での消費税の支払義務が1∼2年間免除される可能性がある
  • デメリット
    ・2つの事業を1つの法人で処理するため、それぞれの損益を把握するための経理処理などが複雑になる

上記の通りで、②の方がおすすめです。
設備投資などで設立当初の介護事業は赤字になる可能性が高いので、その赤字をWEB制作事業の黒字で相殺し、節税できるのは大きなメリットになります。

つぎに、健康保険や年金の支払いについてです。
開業まで利益が出ないのであれば、設立事業年度の給料がゼロということになります。その場合は、会社で社会保険に加入する必要がありませんので、今までどおり個人事業主として国民健康保険や国民年金を支払います。

もし給料を払うということであれば、会社で社会保険に加入することになるので、給料から社会保険を支払います。そもそも開業から利益がでるまでの間は、原資がなく給料が払えません。その場合は、一時的に質問者様から会社にお金を貸し、会社が借りたお金から給料を支払うという形をとることもできます。貸したお金は介護事業が軌道に乗ってから、会社から質問者様に返済すれば良いでしょう。

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