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Q.個人事業が良いか、会社を設立した方が良いか
起業を考えていますが、個人事業で行った方が良いのか、会社を設立した方が良いのか迷っています。
どんな基準で判断したら良いのでしょうか?
A.回答
個人事業が良いか、会社を設立した方が良いかは、起業の目的に合わせて、本質的な面から判断すべきだと思います。
個人事業で行くか、会社を設立するか を判断する際、従来より、
「税務面や費用面からどちらが金銭的に有利か?」の視点で良く述べられていることは多くあります。
例えば、会社を設立するには設立費用と維持費(市県民税等)がかかる。
税率では個人より会社のような法人の方が有利等々・・・。
もちろん、各論としてこのような有利不利を検討することは意義あることかも知れませんが、もっと大切なことは、
個人事業と会社の本質的な違いを理解して、自らが目指す事業がどちらの方向なのかから判断すべきだと思います。
個人事業の本質とは、文字とおり「私」の事業です。
事業の利益は「私」の収入であり、その利益を上げる為に使った費用は「私」が使った費用です。
本質的には、「私」の「意思」や「命」といっしょにいつでも止めることができるのが、個人事業です。
もちろん、個人事業であっても誰かに後を継がせることも可能ですが、形式的には、個人から個人への事業の「譲渡」の形になります。
また、許可業種であれば、新たな個人が新たな許可を取らなければ同じ事業はできません。
会社の本質とは、個人ではなく、「法人として」組織のルールで事業を行うことです。
会社の利益と個人の収入とは一線を課し、公私の区別をきちんと付けて事業を行います。
本質的には、個人事業のようには、簡単に止めることはできません。
明確な目的がありその目的が達成した場合には廃止する手順が明確に計画されているような会社を除き、
通常、会社は、継続的に存続させ、発展させるために考えられたシステムです。
「私」の事業として、個人事業で起業し継続して行くこと。
まずは、個人事業で開始して、しだいに、従業員も雇い、組織化して行き会社に発展させていくこと。
最初から会社でスタートして、組織力で、早期に発展を目指すこと。
何れも、間違いではありません。一時の損得勘定からだけではなく、このような本質的な面から考え、
自らの事業計画に合った方法を選択すべきだと思います。