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Q.会社の目的は、当面行うつもりのないものもとりあえず入れておいた方が良いのでしょうか?
会社の設立にあたって、会社の目的は、後で、新しい事業を行うときに、
いちいち定款変更しなくて良いようにできるだけ多めに定めておいた方が良いのでしょうか?
A.回答
会社設立時の定款の作成にあたって、「商号」と並んで、大切なのが「会社の目的」です。
会社の目的とは、会社が営もうとする事業(事業目的)のことです。
会社の目的は、定款にて、原則自由に定めることができます。
従って、質問者の方がおっしゃるように、「できるだけ多めに」たくさん定款に入れ、登記しておくこともできます。
しかしながら、会社の目的の内容が、本当に自由で良いかと言うと、問題がある場合もあります。
まず、登記簿を閲覧した取引先の印象のような営業上の支障も考えられます。
「いったいこの会社は何をやろうとしているのだろうか?」と言った不信感を持たれるリスクです。
より、直接的に問題の発生する恐れがあるのが、「許認可」と「融資」に関することです。
例えば、許認可や届出がいる事業を行う際には、その事業内容に適合する事業内容が会社の目的として定められていなければ、許認可や届き出を行うことができません。
至極当然のことですが、会社はその事業目的の為に存在しているのですから、その目的に定められていないような事業の許認可の取得はできません。
従って、許認可や届出が必要な業種を行うとする場合は、必ず、その事業を定款で目的として定め、登記をする必要があります。
また、融資を申し込む場合においても、事業目的とその為の許認可や届出が正しく為されていなければ、受付けてもらえません。
逆に当面は行う予定がなくても、将来行う予定がある事業であれば、定款に目的として記載しておくことは、会社の設立行為として構いません。
しかしながら、許認可業種を定款の目的に定めて置きながら、その許認可を取っていないような場合は、無許可等で不法にその事業を行うつもりかあるいはすでに行っているのではないかと疑われる恐れもありますので注意が必要です。
(事実、会社の目的に許認可業種が定めてあるがその許認可を得ていない場合に、融資申請を断らたり、銀行口座の開設を断られたりしたケースもあるようです。)
従って、会社の目的は、やはり、過不足なく適正に定めることが大切です。
特に、許認可業種や公的融資の申請等を考えている場合には特に注意が必要です。