個人事業主と株式会社化。それぞれのメリットとリスクは?

この記事はに専門家 によって監修されました。

執筆者: ドリームゲート事務局

Q.個人事業主と株式会社化。それぞれのメリットとリスクは?

個人事業主のままと、法人化(株式会社化)するのとどちらの方がメリットありますか?
 

A.回答

個人事業主と法人化(株式会社化)との大きな違いは事業活動に関して個人でどこまでも責任をとるのか、それとも会社(法人)として責任をとるのかという違いです。

他にも税制面や信用面、そして経営と資本の分離などでも違いますが、一番のポイントは株式会社だと責任が限定されているということです。

株式会社の特徴はその構成員が有限責任のメンバーによって構成されているということです。

有限責任とは何かというと、自分が出資した範囲でしか責任を取りませんよということです。
例えばもし会社としてお金を借りて会社の経営がうまくいかず、倒産となった場合には、経営している社長には返済義務は発生しませんし、株主である投資家も、自分が出資した金額の範囲でしか責任をおいません。

一方で個人で銀行からお金を借りた場合には、たとえ自分が行っている商売がダメになって商売をやめる事になっても、借りたお金は返さなくてはいけません。
最悪、返せなくなった場合には自己破産ということになります。

ただ、実際には会社で銀行からお金を借りる場合には連帯保証として経営者個人が保証人になる場合が通常ですので、会社が潰れたからといってお金を返さなくても良いということにはなりませんのでご注意を。

つまり、個人事業主の場合には自分が行っている活動に対してどこまでも責任を取らなくてはいけないのですが、株式会社だと会社として取らなくてはいけない責任と個人の責任が分離されているということになります。

例えば自分一人で商売をしているのであれば良いのですが、人を雇うようになるとリスク管理の意味で、個人事業主は不利になってきます。

雇った社員が業務中に物を壊してしまったり、他社に損害を与えるようなことをした場合には、その責任もすべて経営者個人が負わなくてはいけない可能性が出てくるのです。

もしあなたが1万人近くを雇うことになったら、とても1万人分の責任などもてないはずです。

そういった意味で、もしあなたが自分が行おうとしている商売を大きくしたいのであれば株式会社の方が有利ですし、こじんまりと一人で商売をするのであれば個人事業主のままでも良いわけです。

私は数年間個人事業主として活動していました。その時は私一人が働いた分に対して相手先の企業からお金をもらっていましたので、特に法人化の必要もありませんでした。

ところが、もう少し事業を大きくして他人からも投資をしてもらい、融資を受けたいと考えた時には法人化をせまられた経緯があります。

ですので、いきなり「法人化!」と気負わずに自分自身の事業ロードマップを見ながら法人化のタイミングを考えるのも良いかもしれません。

個人事業主と法人化との違いは他にも色々とありますが、自分が行おうとしている商売がローリスクであれば個人事業主のまま。ハイリスクが予想されるのであれば法人化を検討するという一つの考え方もあります。

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 ドリームゲートアドバイザー 大槻貴志
 企画経営アカデミー:http://www.kikaku-keiei.com

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