- 目次 -
課題・悩み
カフェの開業に向けて、物件契約や内装工事、スタッフ採用といった準備を進めてきました。
しかし、開業日が近づくにつれ、「本当に自分に経営ができるのか」「この立地で大丈夫だろうか」という不安が募ってきました。
はじめての店舗経営ということもあり、一度立ち止まって計画を見直し、ゼロから考え直すべきかどうか悩んでいます。
計画を中断することで、これまでかかった費用が回収できないなどデメリットがあるため心配ですが、どうしたら良いでしょうか?
回答:無理にカフェを開業せず、改めて何が問題で何を解決すべきかを考えてみましょう。
坂本 憲彦 (さかもと のりひこ) /一般財団法人 立志財団
ベストセラー『6つの不安がなくなれば あなたの起業は絶対成功する』の著者。これまで20年間で1万人以上の起業家・経営者をサポートしてきました。明るく快活なお人柄で、起業家に対する熱意を感じます。
開業直前になると、不安や恐怖が押し寄せてくることはよくあります。
特に初めての開業では、その感情が強くなるのも自然なことです。
無理にオープンに踏み切るのではなく、冷静に立ち戻り、どんな問題があり、それをどう解決すべきかを再考するのも大切です。
現時点で開業を見送る場合、考えられるデメリットとしては、物件の契約に伴う違約金やその他の費用負担が挙げられます。契約をキャンセルできるかどうか、敷金・礼金の返金や、解約に伴う家賃支払いなどについても確認する必要があります。
また、内装工事の進行状況によっては、工事業者との契約も見直しが必要です。支払い済みの費用をどこまで抑えられるか、キャンセルの際の交渉ポイントを整理することが大切です。
さらに、採用済みのスタッフへの対応も考慮が必要です。状況に応じて、謝罪金などが発生する場合もあるでしょう。
これらの合計費用と、店舗をオープンした場合の損失リスクを比較することが、開業の判断に役立ちます。例えば、売上予測を100%、80%、60%といった複数のシナリオでシミュレーションし、最低限どの売上が確保できれば黒字となるか、赤字が続く場合どこで撤退するかなど、収支をしっかり予測しておくと安心です。
このようにリスクを把握した上で開業に踏み切れば、勢いだけで始めるよりも安心感が増し、より計画的に進められるはずです。