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課題・悩み
1年後に起業をする予定で準備を進めています。まだどの企業も導入していないような、新しいサービスを大手企業に提供したいと考えています。 そこで2つ質問があります。
① 企業と契約を結ぶために、個人ではなく株式会社を設立するべきでしょうか?
② 今私が計画しているビジネスプランの内容を、色々な方に相談しても大丈夫でしょうか?誰かに真似されるかもしれないという不安があります。
回答:大手企業と取引をするのであれば、「信用」のために法人化するべきです。また、取引先があるかどうか、市場調査もおこないましょう。
大江 隆夫(おおえ たかお) / 中小企業診断士
数多くの中小企業・商店街支援業務を行う大江アドバイザー。中小企業支援業務に専念するために独立した熱い想いの持ち主です。ビジネスプランのブラッシュアップには大江アドバイザーがお勧めです。
① 取引相手が心配する事柄の1つとして「継続してサービスが提供されるか」があります。 サービスの提供をするさい、通常は契約または物品が納品されて請求書を相手に渡したのちに、月末締めの翌月末払いもしくは翌々月末払いでお金を受け取ります。実際にお金を受け取るまでのの間に必要となる資金を「運転資金」と呼びます。法人では資本金や決算書などで手持ち資金を把握できますので、融資なども受けやすくなります。
したがって法人であれば、運転資金が確保できている・確保しやすい状態であることが分かります。 サービスを受けている間に資金ショートなどで取引相手がいなくなることは大問題なので、大手企業であれば法人であることが取引の必須条件としている企業が多いです。
また、「事業計画書」「ビジネスプラン」を作成する時に資金繰り計画は必須となります。 起業当初は自己資金と同額程度までが融資金額となることが多いですが、事業が始まるとおよそ3ヶ月分の運転資金または担保になる設備投資額と同額までが融資額となります。 資金繰りを踏まえて計画を考えるようにする方が良いと思います。
②1年後までは自分でその事業をしない、という前提なら話さない方が良いと思います。 ただし、その1年の間に(話を聞かなくても)別の人間が思いついて事業を始めることもありえます。
また、取引を考えている企業で「それは当社でもすでに昔考えたことがあるアイデアで、実施しない方が良いとわかっている」という可能性もあります。したがって「市場調査」(本当にニーズがあるか)は調べておいた方が良いでしょう。
事業を始めると決めたら専門家に具体的な相談をすると良いと思いますが、銀行が納得する事業計画書の完成に1~2ヶ月、銀行に融資の申込をしてから新規の場合は更に1~2ヶ月は融資実行まで時間がかかります。時間がかかることを考慮して計画を立てましょう。