- 目次 -
課題・悩み
近々、開業を控えています。そこで1つ質問があります。
今年の10月からインボイス制度が導入されますが、開業時は2年~3年は消費税の納税義務がないと聞いています。
いまいち、インボイス制度を導入するメリット・デメリットを理解できていないのですが、自分もインボイス登録した方がよいのでしょうか?
よろしくお願いします。
回答:手がけるビジネスにおいて領収書の発行が多いか少ないかで決めるとよいでしょう。
加賀谷 豪(かがや ごう) / 地方起業家を元気にしたい! 若い税理士! 「税理士加賀谷豪事務所」
起業初期~長期黒字経営まで繋げることができる、事業計画や損益計画、資金繰り計画などを支援する税理士。店舗運営や営業戦略に関しても幅広い知見とスキルを持っております。
インボイス登録について、登録すべきか否かは、開業時においては、十分吟味した上での選択が必要となります。
というのも、本来開業時は2年〜3年は消費税の納税義務がないのですが、インボイス登録をしてしまうと、今年の10月からすぐ消費税の納税義務が発生してしまうからです。
インボイス制度というのは、取引に関する請求書や領収書が正しいものと証明するため、消費税の納税義務者にあらたに登録番号が付与される制度です。一方、消費税の納税義務がない事業者には、あえて登録申請しなければ、登録番号は付与されません。
登録番号のない領収書等と登録番号のある領収書等の取り扱いの違いは、領収書をもらった側が消費税の納税義務者の場合、登録番号のある領収書についてしか、消費税の計算上税額控除できなくなってしまうのです。
簡潔に言いますと、消費税の納税額の計算上、登録番号のある領収書等しか経費にならないというイメージです。そのため、消費税の納税義務がない事業者においても、取引の相手先が登録番号のある領収書を必要とするケースが多い業種は、消費税の納税義務者にあえてなり、納税額が発生してでも、登録番号をもらうため、インボイス登録するケースがあります。
一方で、領収書を発行する相手先があまりない業種などは、登録番号の必要性が少ないので、インボイス登録せず、消費税の納税義務がないままの期間を選択するほうが有利になるのです。
かなり業種や取引先、事例によって登録すべきか判断が分かれるところです。
ちなみに登録は、国税庁のホームページより、申請用紙を印刷記入して提出するか、ネット上で申請することになります。