起業・経営FAQ:青色専従者給与の給与振り込み方法について

この記事はに専門家 によって監修されました。

執筆者: ドリームゲート事務局

課題・悩み

個人事業主として輸入販売の事業を営んでいます。
先日、商工会議所の税理士への税務相談で、妻の青色専従者給与の支払い方法について相談しました。

妻への支払いは現金手渡しではなく、履歴の残る口座振り込みのほうが良いのか質問したところ、

「口座振り込みでも構わない。事業とは別で、帳簿に載せなくてよい事業主名義の口座を作って、そこに入金する形でも良い。大切なのは実際に仕事を手伝っていることと、事業用口座からきちんと毎月引き出しがあり、それが現金出納帳に記載されていることである。」

とご指導いただきました。

疑うのも恐縮なのですが、帳簿に載せなくて良い口座(私名義の家賃等の生活費等の口座)に入金する方法は、万が一調査があったときに、「実際の支払が確認できない」と言われて否認される、といった恐れはありませんでしょうか?

回答:事業用銀行口座から引き出した後に、奥様名義ないしは新しい生活費用の銀行口座に入金する方法がオススメです。

この質問への回答者

森 滋昭(もり しげあき) / 森公認会計士事務所
誠実な人柄とわかりやすい説明で、多くの起業家や中小企業の資金繰りや資金調達の支援をされている森アドバイザー。資金調達や資金繰りでお悩みの際にお勧めのアドバイザーです。

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1.青色専従者給与の支払い方法

(1)手持ちの現金 ⇒ 手渡し ⇒ 奥様

(2)手持ちの現金 ⇒ 入金 ⇒ 新しい生活費用銀行口座

(3)個人事業用銀行口座 ⇒ 引出・手渡し ⇒ 奥様

(4)個人事業用銀行口座 ⇒ 引出・入金 ⇒ 奥様の銀行口座

(5)個人事業用銀行口座 ⇒ 引出・入金 ⇒ 新しい生活費用銀行口座

(6)個人事業用銀行口座 ⇒ 振込 ⇒ 奥様の銀行口座

  • 支払元
  • 支払い方法
  • 支払先

でいくつか場合分けをしてみました。

2.手持ち現金からの支払い

上記(1)・(2)のように手持ち現金から渡した場合、事業用の資金から支払っているか明確ではありません。

もちろん、実際に業務をされているのであれば、手持ちの現金から支払っても給与になりますが、税務調査のような第三者から見たときに、疑いを持たれる恐れがあります。

そのため、できるだけ事業用銀行口座から支払うようにしたほうがいいかと思います。

3.個人事業用銀行口座からの引き出し

上記(3)~(5)のように、事業用銀行口座から引出した場合、事業用の資金からの支出ということは、通帳の履歴からわかります。
ただ、(3)のように、別の銀行口座への入金履歴がないと、本当に奥様に渡されているのかはっきりしません。

そのため、できるだけ、事業用銀行口座から引き出した後に、(4)・(5)のように、奥様名義ないしは新しい生活費用の銀行口座に入金されるのがいいかと思います。

なお、新しい生活費用の銀行口座が質問者様の名義であっても、生活費用ということが使用を限定し明らかであれば、質問者様がご相談された税理士先生が言うように問題はないと思います。

4.個人事業用銀行口座から奥様の銀行口座への振り込み

質問者様のご理解の通り、個人事業用銀行口座から奥様の銀行口座へお振込みになれば、それぞれの通帳に入出金の履歴が残りますので、

  • 実際に仕事をしており
  • そのための支払いを個人事業用銀行口座から支出し
  • 奥様へ支払っている

ということが、はっきりします。(正確には、実際に仕事しているかどうかは別ですので、その確かさが高まるというのでしょうか)

そのため、振込の場合、手数料が多少かかりますが、例えばSMBCなど、個人事業主でも銀行口座を開設しやすく、かつSMBC間の取引であれば送金手数料がかからないようです。

こうした銀行を利用することで、手間やコストを省きながら、経理的にも明瞭になるようにされるといいかと思います。

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