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Q.今まで社会保険に加入していなかったのですが、新しく加入したら過去に遡って保険料を徴収されるのではないかと心配です。
会社組織で社員10名を使って事業をしていますが、創業当初から資金繰りが厳しかったことや社員から特に希望が出なかったこともあり 未だ社会保険に加入していません。今後の採用活動や社員の福利厚生を考えると、そろそろ社会保険に加入しようと考えていますが、過去に未加入だった期間の社会保険料を遡って払えといわれるのではないかと心配です。どうすれば良でしょうか。
A.回答
会社組織で常勤の社員がいる場合や、代表者が役員報酬をもらっている場合には社会保険の加入義務が生じてきます。加入義務があるにも関わらず未加入だのであれば過去に遡って社会保険料を徴収(徴収時効2年)されるのではないかと心配なところです。
しかし、本来違法な未加入状態から、適法に加入する状態に移行しようとする会社に過度な負担を追わせてしまっては、かえって未加入を助長してしまう事になりかねませんし、未加入の期間については健康保険や厚生年金保険の保険給付も受けられないことなどもあり、実務的には特に遡りたいという会社の希望がない限り、原則として実際に加入手続きを行った月から社会保険料の徴収対象になる事がほとんどです。
しかし、社員の給与明細上社会保険料を徴収していたにも関わらず未加入状態を継続するなど、いわば会社がネコババしていたような場合には過去の保険料を徴収されることはあります。このような特殊な事例をのぞいて、ご心配のような事態になることはほとんどありません。
どうしても心配であれば、事前に専門家である社会保険労務士に相談してみましょう。