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Q.不動産管理会社は節税に有効ですか?またどのような方法で?
アパート・マンション経営を個人で営んでいます。
銀行や、友人から管理会社を設立し節税したらとよく言われます。
本当に節税になるのか、またどのようなかたちでするのかお教えください。
A.回答
アパート・マンション経営を個人で営んでいる方が、不動産管理会社を設立した場合、節税になることもあれば、節税にならない場合もあります。
個人でアパート・マンション経営を営んでいる方にかかる所得税は累進税率(所得が多ければ多いほど税率も高くなります)になっております。課税所得(収入から必要経費を差引き、所得控除を引いた所得)が、1800万円をこえると、超えた部分には、国税と地方税を合わせると50%を超える税率で課税されます。
法人の場合、税率は地方税も含めると約40%(法人の所得が800万円未満の場合は約30%)です。また法人から個人に給与として所得を流す(もちろんその法人の職員又は役員として働くから給与を支払えるのですが)場合、この個人は、給与としての収入全額に課税されるのではなく、給与所得控除を引いた額に課税されます。
不動産管理会社を設立することで、節税できるのは法人と個人で課税方法(税率)が違うためです。
個人の場合、所得が低ければ税率は低く、高くなれば50%以上になり、法人の場合は30%~40%にほぼ固定されています。
よって、所得状況により不動産管理会社を設立することによって、税負担が減ることも増えることもあります。
それでは、不動産管理会社を設立した場合、どのようなかたちで節税を行うのかを下記に代表的な方法を記載させていただきます。
(1)管理委託方式
賃貸の管理を設立した管理会社に委託する方法。
メリット
簡単に導入できる
デメリット
管理料はおおむね収入の6%が上限
(2)一括賃貸方式
設立した管理会社に管理を委託するのではなく、建物全部をその管理会社に賃貸し、管理会社は第3者へ転貸する方法。
メリット
(1)よりも高く(収入のおおむね10%)所得を移転できる。
結果として(1)よりも節税に有効
デメリット
第3者と契約変更等の手続きが面倒
(3)不動産保有方式
個人所有のアパート・マンション(建物)を不動産管理会社に売却し、土地の所有は個人のままで、設立した管理会社は個人に地代を支払う方法。
メリット
(1)、(2)よりも高く所得を移転できる。
結果として(1)(2)よりも節税に有効。
消費税の還付を受けれる可能性もあります。
デメリット
建物の所有権移転の手続きが必要。
不動産取得税等の移転に伴うコストがかかる。