今さら聞けない【資本金】とは?会社設立の専門家がわかりやすく徹底解説

この記事は2020/01/30に専門家 中野 裕哲 伊関 淳 藤井 和彦 によって監修されました。

執筆者: ドリームゲート事務局

Q.資本金とは何ですか?

会社を設立するときの資本金とは何ですか? いくらでもかまわないのですか?

A.回答

会社を設立するとき、資本金のことで悩んでいるのですね。以下、回答します。

①会社の資本金は、いくらでもかまいません。

新会社法の施行により、会社を設立するときの最低資本金制度が撤廃になりましたので、資本金はいくらでもかまいません。極端な話、資本金が1円でも株式会社を設立することができます。合同会社も同じく1円から設立できます。ちなみに以前は、株式会社設立なら1,000万円、有限会社設立ならば300万円の資本金が必要でした。

②資本金とは、会社の体力、規模を表わします。

資本金とは、会社が事業のスタート時に、自分で持っている運転資金(自己資本)のことを指します。そのため、資本金が多ければ、会社の資金繰りは楽になりますし、金融機関からお金を借りなくても、大丈夫なこともあります。

また、PC1台あれば起業できる経費のかからない職種もあれば、最初から大規模な設備投資が必要な職種もあるため、自分のビジネスモデルに従って必要な資金を計算した上で資本金の額は設定するようにしましょう。

「借入金」を資本金として計算してはいけない

金融機関から資金を調達した場合は返済が必要な「借入金」となりますが、資本金は開業時に会社が持っている自己資本であり返済義務はありません。返済義務のある「借入金」を資本金として計算することはNGであるため注意しましょう。

④1,000万円未満の資本金設定は節税になる

資本金の金額を決定する際には「1,000万円」というのが一つのボーダーラインとなります。

1,000万円未満に設定するメリット 

①設立初年度から消費税が最大2年間免除される。

会社を運営するためには消費税を納付する必要があります。1期目および2期目については、期首の資本金が1,000万円未満の場合、消費税の納付は最大2年間免除されます。

専門家からのヒトコト
ただし、前期の期首から6か月間の売上および人件費がともに1,000万円以上の場合は、期首の資本金が1,000万円未満であっても消費税がかかる場合があります。
一方で1,000万円以上の場合は設立初年度から課税業者として消費税を納付する義務があります。
ドリームゲートアドバイザー 中野 裕哲

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②法人住民税均等割の納税額が最低限で済む。

法人住民税とは会社などの法人(個人以外の者)が地方自治体に納税する義務のある地方税です。そして会社などの法人はもしも赤字であったとしても、定められた一定の金額を納付する必要があります。これを「均等割」といいます。従業員が50人以下の場合、資本金が1,000万円未満だと納付額がもっとも低い7万円となり、1,000万円以上の18万円と比べて11万円の差が生じます。

⑤金融機関からお金を借りる時のことも考えて

例えば、資本金10万円の会社と、資本金300万円の会社があり、会社を設立したときに、300万円の融資を金融機関に申し込んだとしたら、どちらの会社が融資を受けやすいでしょうか?
資本金は、会社のスタート時の体力を表わしますので、資本金300万円の会社の方が融資を受けやすいのが一般的です。金融機関からお金を借りることを考えているのであれば、資本金は多いほうが借り入れはしやすくなります

⑥許認可を受けるときに資本金の金額が条件になるときも

例えば、労働者派遣業の許可を会社設立時に取得しようと考えた場合は、資本金が2,000万円以上必要になります。

専門家からのヒトコト
職業紹介事業なら500万円以上、一般建設業においても500万円以上といった資産要件が必要になります。
ドリームゲートアドバイザー 伊関 淳

つまり、自分が行おうとする事業の許可要件を確認することも必要です。会社を設立した後に、許可取得のために資本金が足りなくて、あとから増資をして余計な費用がかからないように注意してください。

まとめ

資本金とは、会社スタート時の運転資金です。法律上、金額は自由に設定することができますが、1,000万円を基準に納税額が大きく異なるため、資本金は1,000万円をひとつのボーダーラインとして設定すると良いでしょう。

専門家からのヒトコト
金額の決め方としては、たとえば最初の1年間でかかりそうな経費を計算してみて、その額に沿って決める、などが考えられます。
ドリームゲートアドバイザー 藤井 和彦

そして、少なすぎる場合は金融機関からの融資や他社との取引・契約に悪影響を及ぼす可能性があります。
なお、資本金の額を途中で増やすことも減らすこともできます。ただしいずれも株主総会での承認が必要で、また減らす場合は2ヶ月近くの期間が必要になります。
会社設立後に窮屈な経営にならないためにもゆとりをもって準備してから起業するようにしてください。

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この記事の監修者
中野 裕哲(なかの ひろあき)
税理士/行政書士/社会保険労務士/ファイナンシャルプランナー
起業コンサルV-Spirits 代表
ドリームゲート起業面談相談8年連続日本一。多数の起業本、起業のWeb記事も執筆・監修する人気アドバイザー。「まるごと起業支援(R)」で、あちこち相談せずとも、起業の疑問も不安も一度で解消。
著書「「新型コロナ資金繰り対策」がすべてわかる本 」「失敗しない起業 55の法則」「マンガでやさしくわかる起業」「図解 知識ゼロからはじめる起業の本」など。
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伊関 淳(いせき あつし)
社会保険労務士/行政書士/DCプランナー
伊関行政書士・社会保険労務士事務所 代表
1000人以上の起業支援実績があり、具体的な会社設立手続き・助成金診断などを創業時からお手伝いしている。
著書「起業して3年以上続く人とダメな人の習慣」「サラリーマン3.0」
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藤井 和彦(ふじい かずひこ)
司法書士/社会保険労務士/行政書士
新宿西口総合事務所 代表
会社登記をメイン業務とし、「会社法に強い」司法書士事務所としてスタートアップから東証一部上場企業まで約800社の業務を手がけ、400社以上の起業を支援。
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