融資の審査が通らない、7つのNG理由|起業時・起業後

この記事はに専門家 によって監修されました。

執筆者: 田中 琢郎

8,000社以上の経営者の融資相談に対応してきた株式会社ファイナンスアイ、ドリームゲート認定アドバイザーの田中琢郎です。

起業家、経営者、個人事業主の皆様が事業活動を進めていくうえで、『金融機関から希望通りの融資審査が通らない』というような事態は、状況によっては皆様の事業の存続に関わることにもなりかねません。

安定的な事業継続を行うためにも、金融機関が融資をしないNGの理由を知り、事前にNGの理由を避けることは重要です。実は融資が通らない理由はすべて「返済できない可能性が高い」と判断されることからきているのです。

この記事では、融資の審査が通らない詳しいNGの理由をさらに細かく7つに分け、金融機関はなぜNGの理由を重視するのかの理由を含めて、お伝えします。

- 目次 -

融資の審査が通らない理由を金融機関別に解説

融資審査が通らない理由は、多数ありますが、根本的な理由は1つしかありません。

それは、「返済できない可能性が高い」と判断していることです。

金融機関が、返済できないと判断する根拠が、この後説明する7つの理由となります。

起業時・起業後も使う創業融資|日本政策金融公庫や信用保証協会付け融資の場合

創業融資は、創業前や創業間もない場合に利用する融資制度です。この時期は、まだ、事業の立ち上げを行っていたとしても、不安定な時期で、安定的な利益計上を見込こめない場合もあり、一般的に「返済できない可能性が高い」状況にあることも多くあります。この時点では、「今後、返済していくことが可能か?」が判断基準となります。

専門家からのヒトコト
日本政策金融公庫の融資や信用保証協会付け融資は、創業時も創業後も事業を軌道に乗せるための資金調達として、最も重要になります。この公的金融機関と良好な関係を構築し、信頼と実績を積み上げ続ける事は経営者にとって重要なミッションです。

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信用金庫などの銀行融資(プロパー融資)の場合

ここでいう銀行融資とは「プロパー融資」を指しています。これは決算を3期経るまでは利用できません。

プロパー融資の審査は、公庫や保証協会の創業融資制度と比べると、各段に審査は厳しくなります。公庫や保証協会は原則年1回の利用となりますが、プロパー融資にその定めはありません。銀行側が問題ないと判断すれば、何度でも利用が可能となり、このような調達手段を手に入れることは、その後その企業にとって大きな成長の起爆剤となりえます。

このようなプロパー融資でも、審査に通らないポイントは、「返済できない可能性が高い」かどうかとなり、他の融資と大差はありません。

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融資の審査が通らない、審査落ちする7つの理由|起業時の創業融資の場合

創業前から創業1年未満の場合のポイントは、「今後、返済していくことが可能か?」となり、審査落ちする具体的な7つの理由は次の通りです。

①現預金や自己資金が不十分

自己資金による与信判断は、創業時点のみに行われる特殊な基準で、事業の開始前に与信審査を行う必要があるためにできた基準と言えます。

まず、創業融資の借入可能金額の算出は、自己資金の量によって決定される部分が大きくなり、融資希望額の1/3以上の自己資金を貯める必要がある等、言われております。極端な話では自己資金が0円の場合、融資可能な金額も0円となります。

また、自己資金を貯めることは、簡単なことではなく、相応の努力が伴います。金融機関もそのことを十分に理解していることから、「自己資金の金額=独立への熱意」と捉えて、自己資金を十分準備している創業者を高く評価します。

このように、自己資金の金額は創業融資を受けるにあたり、大きな比重を占める重要なポイントとなります。

専門家からのヒトコト
自己資金が1/3未満でも、どうしても挑戦したいという起業家もおられます。弊社でも、そのような状況の相談にも乗ってきました。不安な場合は、一度ご相談ください。

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②起業する事業での経験が少ない、資格がない

創業前、もしくは創業間もない場合は、金融機関は正確に事業を評価することはできません。なぜなら、金融機関の評価は、主に決算書の内容で行うからです。

つまり、決算書がない場合、金融機関は事業評価を行えないということになります。

このような理由から、起業する事業や業界での実務経験年数が重視されます。このため未経験や、経験が少ない事業での起業には融資が通らない可能性が出てきます。

③CIC等の信用情報に問題がある

CIC(指定信用情報機関)をはじめとする個人信用情報には、借入状況や返済状況が細かく記載されています。この中で、融資の審査に通らない問題になるケースは、以下の2点が主な理由になります。

  1. 返済に遅延がある。
  2. 借入金額が多すぎる。

返済に遅延がある、借入が多すぎることは、現在の収入と返済を含めた支出に無理が生じていると判断され、創業が重荷になると判断されます。また、場合によっては、創業融資を他社の返済に利用するのではないかという懸念を金融機関に生じさせることもあり、結果として融資を受けることが困難となります。

④公共料金や税金の支払いに遅延がある

公共料金や税金の支払いは、金融機関では、優先順位が高い支払いとされています。優先順位の高い支払いが、約束通り行われていないということは、その他の支払いや日常生活にも大きな問題が生じている可能性が高いと判断することから、融資を受けるとこが困難となります。

⑤カードローン等のリスクの高い資金調達を使用している

ここで説明する「リスク」とは、金利と指します。金利の高い借入を多く行っている場合、高い金利が事業の収益を圧迫します。まして、創業間もなく、収益基盤も固まっていない状況で、高い金利負担を負うと、事業が上手くいかなくなる懸念があると判断され、融資を受けることが困難となる可能性があります。

⑥創業計画書(事業計画書)に整合性がない

創業融資を受けたいと希望する方は、全員、創業計画書を作成する必要があります。

創業計画書は、7つのNG理由の中で唯一、自ら作成する資料となることから、重要度合は最も高くなります。

創業計画を通して、金融機関が確認したいことは、創業計画と創業者の間に、違和感がないか、事業をどの程度明確化しているか、事業の継続に必要な手立てをどの程度講じているか等です。

具体的な例を挙げると、非常に儲かる(利益の出る)創業計画を作成した場合、万が一に備える事項が明記されることはほとんどありません。このような計画は、金融機関から評価を受けない内容となります。事業が万が一計画通りいかない場合、どうしていくのか?この回答が、事業の継続性に対する回答となります。

また、創業計画書と創業者の間に生じる違和感とは、創業動機や経歴、行う事業の収支や投資計画に整合性が取れていない場合に生じ、結果として「今後、返済していくことが可能である」と思えなくなる要因となります。

このような場合、融資を受けることが困難となる可能性があります。

⑦融資面談での対応が不十分である

融資の面談は、創業計画書に基づいて実施されます。創業計画書の中身や、記載されている内容等について金融機関よりヒアリングを受けます。

特に、創業動機や収支部分については重点的に確認をされますが、この対応が不十分であった場合は、本当に創業計画は実現性があるのだろうかという懸念を持つこととなります。

また、独立すると会社勤めとは異なり、自分自身=会社や事業となり、誰も守ってくれません。その初回ともいうべき、融資の面談において、横柄な態度や場違いな服装等で面談に臨んだ場合、経営者としての自覚不足と捉えられることもあります。

面談において、対応が不十分であった場合、融資を受けることが困難となる可能性があります。

専門家からのヒトコト
創業融資制度で融資を受ける事ができるのは、おそらく一生に一回だけのチャンスです。そのチャンスを逃す事がないように、入念に準備を進めましょう。自分だけで進めるよりは、融資のプロ等、認定アドバイザーの助力を得る等、出来得るだけの努力と準備をして悔いの無いようにチャレンジされる事をお勧めします。

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融資の審査が通らない、審査落ちする7つの理由|起業後の融資の場合

次に1期目決算以降で、融資の審査が通らず審査落ちする7つの理由を説明していきます。

創業前~1年未満のケースとの最も大きな違いは、決算書(=実績)があるか無いかということになり、重視されるポイントは「返済できない可能性が高い」かどうかということとなります。

①財務状況が著しく悪い状況である

決算の財務内容が著しく悪いとはどのような状況でしょうか。

それは、主に以下の2点を指します。

  1. 継続して赤字である
  2. 債務超過となっている

1、2ともに、事業が複数年にわたり、収益を生み出せていない状態であり、このまま同じように事業を継続していても、改善する可能性が低いと捉えられます。

このような場合、経営を改善させる計画を作成し、金融機関に説明を行い、納得を得ない限り、事業の継続性に疑問を抱かれることから、希望する融資を受けることは困難となります。

②当期の事業計画書が不十分である

融資審査は、主に決算書に基づいて、融資の上限金額等が算定されます。もし、決算内容が良く、融資希望額も問題がない場合は、決算書を提出すると金融機関側で、事業の見通しを作成し、融資を受けることは可能となります。しかし、決算書から算定される以上の融資を受けたい場合や、赤字等の財務的な課題があり、そこから回復するための投資に、融資を活用したい場合は、事業計画の作成が必要不可欠となります。

このような場合、事業計画書の提出がないと、決算書以上の評価を行うことが物理的に不可能となります。また、作成された事業計画書に整合性が無く、実現性が低いと判断される場合は、提出しても融資を受けることができない可能性があります。

③融資希望額が過剰である

融資希望金額については、「返済できるか」という金融機関の無言の質問に回答できる内容でなければなりません。具体的には、融資の希望金額がどのように決定したのか、融資を受けると事業がどのように成長し、収益が上がるのか等を説明できなければなりません。

過剰な融資を事業計画に落とし込んだ場合、概ね、過大な計画となり、結果として実現性が低いと判断されることになります。

④役員貸付等がある

役員貸付金がある場合、その理由を説明する必要があります。

基本的に役員貸付金は、事業の資金を事業以外に利用したと捉えられます。

また、事業の資金と役員の資金を一緒にしてしまう経営者に、資金を融資することは、非常にリスクの高い融資となることから、一定の基準を越える役員貸付金がある先には融資を行わない判断をする可能性が十分にあります。

⑤税金の支払いや融資などの返済に遅延がある

税金の支払いや融資などの返済に遅延がある場合は、融資申し込みの基準を満たしません。

まずはこのような状況を解消してから、融資申し込みを検討しましょう。

⑥ファクタリング、ビジネスローン、カードローン等のリスクの高い資金調達を使用している

ファクタリング、ビジネスローン、カードローン等のリスクの高い資金調達を使用している場合は、資金繰りが悪いと判断され、融資を受けることができなくなります。

ごく少額を利用している場合や、やむを得ず、短期間だけ利用する場合を除き、金融機関から融資を受けることは厳しくなります。また、条件の悪い融資を受けている場合、金融機関の融資資金にて返済を行い、実質的な借換を行うと捉えられることもマイナス要因となります。(金融機関の融資は、使用目的が定まっており、それ以外の使途に利用するのは違反行為となります)

⑦融資面談での対応が不十分である

不十分な決算内容(赤字や債務超過等)となった場合、事業計画を作成し、金融機関への説明を行い、融資を獲得していきますが、この場合、面談が非常に重要になってきます。

金融機関の目線で、金融機関が理解できるように伝える必要があります。金融機関の目線とは、次の流れで計画作成が行われている事です。

  1. 決算における赤字要因の分析
  2. 改善施策
  3. 計画における改善施策の実施これらが不十分であった場合は、計画の実現性が低いと判断され、希望の融資を受けられない可能性が高くなります。
専門家からのヒトコト
1期目以降は決算書という実績を土台にして、評価されます。決算書は納税をするためだけのものではありません。そのため、税務の目線で決算書を作成する税理士に任せきりにしていては、必ずしも融資で戦える決算書にならない事もありますので注意してください。決算書以外でアナタの事業を理解してもらうためには、必ず事業計画書等の付帯資料を作成しましょう。これらの各種資料も金融機関の目線で作成しなければ正しく評価してもらえません。同じ事象でも、アナタの見え方と金融機関の見え方は全く異なります。そこを注意してください。

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創業融資や銀行融資で審査落ちで通らなかった場合の対処法

創業融資や銀行融資で審査落ちした場合、最低6か月の期間を取る必要があります。その期間において、審査落ちした理由をひとつひとつ、つぶしていくことが重要になります。

審査落ちの要因を調査・確定し改善する

まず、審査落ちした理由を確定させる必要があります。金融機関から審査落ちした理由を聞くこと、まずはここから始めます。なお、金融機関が教えてくれない場合は、自身で仮説を立てる必要があります。

その理由が特定できた場合、具体的な改善施策を立て、早急に実施していくことが必要となります。また、事業計画書を作成し、金融機関に提出している場合は、この資料の修正を行い、改定した事業計画書を作成しておく必要があります。

半年後に再申請するための準備を進める

半年後、再度申請するには、

  1. 審査落ちした理由が全て改善している
  2. 修正した事業計画書とその進捗状況が説明できる

を整備しておく必要があります。

この整備が不十分であると、前回と状況は変わっていないと判断され、金融機関から再度不認可を受けることになります。

融資支援のプロである認定アドバイザーや専門家のアドバイスや支援を利用する

審査落ちした理由の特定や、その改善施策の実施、事業計画の修正等については、自分ひとりで進めることは、毎日の業務もある中で、非常に困難な作業となることが多いです。

このような場合、融資支援のプロである認定アドバイザーや専門家のアドバイスや支援を受けることは、一つの有効な解決策と言えると思います。

専門家は、多数のクライアントを支援した実績もあることから、客観的な視点から、様々なアドバイスや支援が出来、経営者も専門家の支援によって生まれる時間を、事業の収益の為に投下できることとなり、結果として業務の改善が効率よく行えることとなります。

融資の審査が通らない7つの理由のまとめ

創業前から1年未満、創業後1年以上の2項目で、融資の審査が通らない理由を説明してまいりました。

いずれの場合も、金融機関からの視点で、「客観的に借入を返済することができると判断できるか」ということが審査のポイントの根幹となり、それの根拠として、7つの理由があるということを体系的に理解頂ければと思います。

併せて、7つのポイントの中で、自ら作成できる創業計画書および事業計画書は、自由に経営者の想いを金融機関に伝える強い武器となり得ることが伝われば幸いであると考えております。不安なことやご不明な点があったら、どんなことでも無料メール相談を利用しお気軽にご相談ください。

専門家からのヒトコト
融資の審査をするのは、金融機関です。同じ景色を見ていても、アナタの受け取り方と彼らの受け取り方は異なります。残念ですが、アナタがどれだけ素晴らしい事業を行っていても、評価されなければ融資の審査は通りません。融資支援のプロである認定アドバイザーや専門家にアドバイスを受ける場合には、実際に相談をしてみて、アナタの話や考えを汲み取りながら、金融機関の目線で真摯に対応してもらえるか、実力と相性をアナタ自身の目と耳と心で見極めてください。
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執筆者プロフィール:
ドリームゲートアドバイザー 田中 琢郎
(たなか たくろう) /株式会社ファイナンスアイ

「まずは私に相談してください」を合言葉に、無料メール相談はもちろん、電話・LINEで無料相談を受け付け、困った経営者に寄り添う資金調達の専門家です。落ち着いたお人柄で親身に話を聞いてくださいます。資金繰り・創業融資で困ったらまずは田中アドバイザーへ。

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ドリームゲートアドバイザー 田中 琢郎

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