こんにちは、Webマーケティングや事業開発の支援を行っているドリームゲートアドバイザーの石田と申します。事業内容やフェーズに合わせて、SEOやSNSなど特定の手法にとどまらない、中立的なWeb集客のご提案を行っています。
起業・独立をしてほとんどの人が困るのが集客です。BtoB、BtoCのビジネスに関係なく、まずお客さんに買ってもらえなければ、ビジネスは成り立ちません。しかし、多くの人が根本的な間違いをしています。
そこで今回は、集客でよくある間違いと成功する集客の始め方についてお話します。
集客の手法はたくさんあり、ツールや集客方法は次々と新しいものが出てきます。それらをしらみつぶしにやっていては、いくら時間とお金があっても足りません。起業家が無駄なく効率的に自分に合った集客を行う方法をお伝えしていきます。
長引くコロナ禍の影響で、対面からオンラインでの集客にシフトせざるを得ない方や、これから起業するのにオンラインで完結するビジネスを予定している方もいるでしょう。
一番の課題とも言える「集客」を攻略して、ニューノーマルを乗り越えていきましょう。
- 目次 -
あなたが「YouTube集客法」「インスタグラム集客術」などで失敗する理由
なぜあなたが「○○で集客する方法」「私がXXXで○○○人集めた方法を教えます」といったさまざまな集客方法を試してもうまくいかないのか?
それは最初のツールの選び方が間違っているのです。
集客の手段はたくさんありますが、「流行っているから」「ユーザー数が多いから」といったあいまいな根拠で始めている人が多いです。しかし、最終的に買う判断をするのはお客さんです。
最終判断するお客さんの価値観や意思決定までの流れを無視して、購入に繋がるわけがありません。
品質があまり変わらない日用品をスーパーで買うなら別ですが、はじめて見るものをSNSで流れてきた投稿を見て、その場ですぐ買う人は少ないのではないでしょうか。買う前にお気に入り登録したり、他の類似商品と比べたり、口コミを見たりしませんか?
しかし、自分のお客さんには、商品を知ってから購入するまでの一連の流れを考慮せず、「Instagramで発信する」や「ブログ記事を書く」という「点」で考えてしまい、売る側の押しつけをやってしまっているのです。
これからご紹介する効率的集客では、売る側の意図よりお客さんがどう選ぶのか?を推理して、その行動に合った集客施策だけをします。
地図もなく歩き始めても目的地にはなかなかたどり着けません。この方法は、「あなたの集客の地図」を作り、近道を見つける作業です。
起業家が「失敗するWeb集客法」にハマる理由
多くの人が失敗する方法を選んでしまうのには理由があります。
マーケティングの専門家でない限り、多くの人は実際の広告やSNSの投稿など、最終的なアウトプットしか目にしないからです。知らないものを形にはできません。どうしても知っている部分、他の人がやっている手法を見て真似る、「手段先行」に陥りがちなのです。
成功している企業の広告やSNS投稿を見ることはできますが、その元となる「どのようなお客さんに、どういう切り口で、どの集客媒体を使うのか?」という戦略は見られません。
似たような画像を作ってSNS投稿はできますが、あなたの集客と一致しているとは限りません。
他人がやっていることを真似できているか?よりも、そもそもの「何を、誰に、どこで、どうやって」を間違わないように戦略を立てる方が、よほど大切です。
戦略を立てるというと、難しそう、頭で考えるより手を動かした方が良い、と考える人もいるでしょう。しかし、誰もが名前を知っている大企業が、何の根拠もなく集客をはじめるでしょうか?何度も経験のある企業でもそんなことはしません。
それなのに経験値のない人が思い込みではじめてうまくいくはずがないので、経験が少ない人ほど戦略が必要なのです。もちろん、大企業と同じレベルまでやる必要はなく、無駄な打ち手で時間や労力を浪費しない見極めができれば充分です。
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効率的なネット集客の4つのステップとは
効率の良い集客の手順は、下記のようになります。
- ビジネスより先に集客をはじめる
- 理想のお客さんを明らかにする
- お客さんの理想の購入までの行動を明らかにする
- 仮説を検証する
それぞれの手順についてご説明していきます。
集客手順1.ビジネスより先に集客をはじめる
集客以前の話になりますが、まずおすすめしたいのは、ビジネスを始める前に集客をするということです。
ニワトリが先か卵が先かになりますが、飲食でも物販でもリピーターは最初からはいません。しかし、実績や信頼がないとなかなか受注はできません。ですので、「起業を始めてからお客さんを見つける」では成功までが遠くなってしまいます。
始めたばかりは、慣れていないので時間もかかればクオリティも低い、高く売ったり時間を効率的に使うことも難しいものです。その上、見込み客はおらずゼロからお客さんを開拓する手間もかかる…。
このように、もっとも大変な時期に集客に苦労するので、商品を出せば買ってくれる人を作っておき、成功確率が高い状態でビジネスを始めるのです。
まだお店がないから集客できない人は、見込み顧客を集めておく方法をお考えください。
例えば、パスタ料理店を出したいなら、出店予定の地域のコミュニティを作って、パスタ好き同士で食べ歩く会を企画してみたり、シェフとしてイタリア料理を振る舞う会を企画するなども考えられます。将来の顧客になりえる人たちのコミュニティができあがって、自分がお店を始めるときにはそちらへ宣伝できます。
他にもSNSで、出店予定の地域の人や顧客のターゲットに近い人をフォローするのもいいでしょう。
ビジネスを始めてからSNSアカウントを作って、繋がりが0人でまったく信用度がないよりも、何人かフォローされている方が、ターゲットの人に見つけてもらいやすくなり、その後の発信もしやすくなります。
美容師なら自分の施術を掲載したブログを始め、お店のWebサイトができたら、ブログからそこへ誘導し、ブログで作った集客力をまだできたばかりのサイトに活かせます。
他の業種でも、ココナラやストアカといったCtoCサービスで評価を集め、本格的にスタートした時に、お客様の声や実績として示せます。
まだ場がないから集客ができない、と諦めずに、今できる方法を考えてみてください。
集客手順2.あなたのお客さんをあきらかにする
ここからが本格的な集客のはじめ方です。
YouTubeやWeb広告などをいきなり始めないでください。
釣りに行く時に、どんな魚を釣るのか、その魚はどこにいるのか、どんな餌を好むのか、知りもせずいるかわからない川で釣れるでしょうか?そもそもその川に魚がいなかったら釣れませんよね。まずは釣りたい魚、つまりあなたのお客さんの性質を知るのが先です。
質問です。「あなたのお客さんはどんな人ですか?職業は?年収は?よく見るSNSは?住んでいる場所は?」これに答えられますか?
「近隣に住む20代の女性」といったぼんやりした像でしか説明できない人が多いのではないでしょうか?
しかし、同じ近隣に住む20代の女性でも、20歳と29歳では価値観も違うでしょうし、働く女性と専業主婦では、欲しい物や行動も全く違いますよね。
自分の理想のお客さんのプロフィールを1人の人物像としてはっきりさせると、お客さんが何を判断基準にしていて、購入までどう行動するかが、ありありと思い浮かべられるようになります。
なぜ1人の詳しいプロフィールに落とし込むかというと、「20代女性」といったカタマリでとらえていては、こういう人もいるし、ああいう人もいるし・・・と仮説がブレて立てられなくなってしまいますので、メインのお客様像を1人に絞ります。これを、マーケティング用語では「ペルソナ」といいます。
ペルソナ作成では、趣味や居住地なども設定しますが、そんな細かく必要なのかな?と思う項目もあるかもしれません。しかし、その人の価値観や行動原則が結果として現れるのがその人のプロフィールなのです。よく知っている人について、「あの人だったらこんな時こう言いそう」「この人だったらこんなの選びそう」と思う場面はありませんか?それはその人の価値観や色んな面を知っているからです。
これをまさに自分のお客さんで行い、自分の頭の中で動き出すようにすると、お客さんの行動予測のヒントになるため、細かい部分まで設定する必要があるのです。
すでに顧客がいる方は、実際にお金を払っているお客さんの方が精度が高くなりますので、実在の優良顧客のお客様を思い浮かべ、わからないところは推測で補いつつ作り上げます。
そうすれば、あなたの「こういう人を集客すればいいんだな」という見本ができ上がります。
お客さんのプロフィール作成(ペルソナ)のワークシートプレゼント
こちらの「2.あなたのお客さんをあきらかにする」のお客さんのプロフィール作成のワークシートがダウンロード可能です。
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集客手順3.お客さんの行動を推理する
「2.あなたのお客さんをあきらかにする」で作成したお客さんのプロフィールを元に、お客さんの購入までの行動を推理しましょう。
2で作ったお客さんがどのメディア(接点)を使い、どんな行動で購入までたどり付くのか、理想的な行動を書き出していきます。これをマーケティング用語で「カスタマージャーニー」といいます。
商品によってステップの数や内容は異なりますが、おおまかにはこのようになります。
- 認知→商品を知る
- 興味関心→情報収集する
- 比較検討→競合との比較
- 購入判断
例)
- 「〇〇 改善」という悩みキーワードでWeb検索する。検索で出てきた「〇〇」についての記事を見る。そのページに商品が掲載されている。
- クリックして商品の詳細ページを見て、ブックマークする。
- 商品の分野について調べたり、他の類似商品を見比べる。「〇〇 比較」で各商品を比較したページを見る。
- 「〇〇 口コミ」というキーワードででてきたWebサイトの口コミなどを見て最終の購入の判断をする
これらを考える上で、「2.あなたのお客さんをあきらかにする」が判断材料になります。
この流れの中ででてきた接点や、タイミング、課題などに沿った集客をします。
上記の例なら、購入の一歩手前の今すぐ客なら「〇〇 口コミ」の検索なので、「〇〇 口コミ」のリスティング広告を出そう、ブログ記事を書こう、という感じです。上記は簡素化したもので、本来は、もう少し下記のような詳細な内容を書き出していきます。
- どこで(TwitterやWebなど何を使うか、接点)
- どんなタイミングか?
- どんなキーワードで検索するか?
- なぜ(その時のお客さんの思考)
訴求する内容を考える上でつい「どうお客さんの課題を解決できるのか」ではなく商品の機能・スペックの説明、売り込みをしてしまいがちです。これだとお客さんは商品のスペックなどを自分でかみ砕いて自分のニーズに合っているのか想像しないといけず、刺さらなくなってしまいます。考える際にはこちらの記事の「情報・伝え方の問題」も参考にしてください。
Webであなたの商品が売れない14の理由<改善チェックシート付き>
集客手順4.仮説の検証
今まで作ったお客さんのプロフィール・お客さんの行動は仮説に過ぎません。あくまでも集客がうまくいくためのものですから、独りよがりで実態と違っていたら役に立ちませんので、思い込みではなく、精度の高い仮説を作ることが必要です。それには、自分の頭の中だけではなく、客観的なデータの検証が必要です。
具体的には、「2.あなたのお客さんをあきらかにする」に当てはまる実際の見込み客にインタビューを行う、使ってもらって感想を集めるなどの方法があります。
すでにビジネスを始めている人は、お客さんのプロフィールや行動を見て、SNSでこういった切り口の投稿にすると反応が良さそうだな、この段階で、こういうキーワードで検索するから、こういうブログを書こう、というように少しずつ施策を試すのが現実的かと思います。
ここまで、大変に見えるかもしれませんが、お客さんのプロフィールと行動の仮説を書き出す作業は、1・2日のことではないでしょうか。
もし手当り次第に集客をはじめたら、長い期間と手間を掛けて見当違いな方法をやって、しかも1回でいい方法にたどり着くとは限りません。あてずっぽうで始めるより、自分のお客さんがどんな人で、こんな考えを持っていてこういう行動をする、と考えるほうが近道なのです。
現在は接点が複雑になり価値観も多様化し、昔のように広告を見て店舗に買いにいくという単純な行動ではなく、顧客も意思決定に複数の経路をたどるからです。
まとめ
集客のご相談で多いのが「何からはじめて良いのかわからない」「〇〇集客(インスタグラムなど)を始めるので教えて下さい」の2つです。前者の方にきちんとお伝えできないか、後者のような魚がいない川で釣りをする失敗を減らせないかと思い、Web集客のはじめ方についてご紹介させていただきました。
この方法は、Web集客に限らず、チラシや対面などの集客でも使える方法となります。
車輪の再発明という言葉があります。すでに車輪という便利なものがあるのに、わざわざもう一度車輪を発明しようとする無駄な行動の例えです。
マーケティングの世界では、お客さんのプロフィールは「ペルソナ」、顧客の理想的な行動は「カスタマージャーニー」と呼ばれています。
先人が生み出したこういったやり方は、その道のプロたちが試行錯誤を重ねて編み出されているもので、わざわざ車輪の再発明をする必要はありません。プロたちが編み出してくれたフレームワークがあるので、それを使って近道をしましょう。
今はネットで集客する方法の情報が溢れていて、何を選んでいいか見分けがつきにくい状態だと思います。
冒頭ででてきた、「YouTubeで集客する方法」「インスタグラム集客術」のようなものは「何を、誰に、どこで、どうやって」と、そもそも合わない方法ではないか、選び方を今回の方法で見極めてみてください。
残念ながら、今回ご紹介したようなマーケティングのセオリーを理解したうえでの質の良い情報ばかりではありません。
ワークシートの内容など、なかなか自分だけで考えても、粒度や方向性など書き方に迷うこともあるかと思います。ここはどうしても実践でやっていないと感覚がつかめないところです。お困りのことがあれば、メール相談は無料となっていますのでこちらからご相談ください。
筆者からのお知らせ
2/9(火)・2/10(水) 大阪信用保証協会様主催のOSAKAビジネスサポートフェアで「ウィズコロナ時代の戦略的ネット活用~オンラインツールを活用してビジネスモデル変革~」というタイトルでセミナー登壇します。オンラインで無料で視聴が可能です。
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OSAKAビジネスサポートフェア特設ページ https://www.cgc-obsf.jp/
執筆者プロフィール:
ドリームゲートアドバイザー 石田 康子
Web集客のスペシャリスト。小手先のテクニックだけではなく、今後流行りの手法が変わっても通用する基本の考え方、売り上げアップにつながる基本の戦略から支援します。中小ベンチャー、スタートアップ、起業家の方、幅広くご相談を受け付けています。
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