売れるロゴの秘訣とは?ブランディングデザインの専門家が明かす「2つの視座」

この記事はに専門家 によって監修されました。

執筆者: 龍輪 誠

はじめまして。ドリームゲートアドバイザーの龍輪 誠( たつわ まこと )です。私はクリエイティブ・ディレクターという仕事をしています。企業のマーケティング戦略やデザイン戦略をはじめ、ブランドビジネス全体の指揮官という立場から様々な会社の設立支援や新規事業の支援など、事業規模に関わらず、多岐にわたるジャンルのプロジェクトへ参画しています。また、これから開業して、自社ブランドを確立したい方、すでに開業している経営者様を対象にブランドコンサルタントとしての活動もしています。

まず、売れるロゴということなので、私の実績も簡単にご紹介します。CMでお馴染みのSMBCグループの「NISAロゴマーク」やMISUMIグループの「meviy(メビー)」など、これまで様々な企業様のロゴデザイン、ブランディングデザインを担当してきました。

さて、本題の「売れるロゴとは?」のお話に入るとしましょう。

はじめに売れるロゴの定義として2つ挙げてみます。

  1. 売り上げ貢献するロゴ
  2. 名が売れるためのロゴ

ほとんどの皆様が、ロゴのデザインにはこの2つを期待するのではないでしょうか。

それでは、この2つについて解説します。

売り上げ貢献するロゴ

売り上げに貢献するロゴとは?

まず、直接的に売り上げに影響しやすいロゴといえば、パッケージやラベルなどで見かける「商品ロゴ」、Webや動画、パンフレットなどでも見かける「サービスロゴ」があります。また、それらをブランド化して売っていくためには「ブランドロゴ」が必要となります。
これらのロゴは競合をはじめ、他の商品と並ぶことも多く、手に取ってもらうための工夫や差別化はもちろん、リピート購入してもらうため、選んでもらうための目印となり得ます。そのため、ロゴマークそのものにも「役割や価値をもたせる」ことが有効です。たとえば、商品ブランドのロゴは購買行動にも影響を与えるため、商品を提供する側と、受け取る側、双方のブランドイメージを創り上げましょう。そこからようやく共通認識を深めるというロゴデザインに必要な要素や役割が見えてきます。これがロゴの本質的な価値です。

たとえば、差別化がカギとなる商品ロゴですと、競争が激しいビール業界ではロゴデザイン自体が大きな役割を果たしています。サッポロ黒ラベル、エビスビール、キリンラガーなど、ロングセラー商品ほどロゴマークは、色や書体の工夫だけでなく、シンボルマークやキャラクターのようなデザインをロゴ化しています。これは消費者が一目で覚え、識別できるよう機能性を兼ねたデザインとなっており、ロゴ・マーク自体も、売り上げアップへとつなげる好材料となっています。ちなみにアサヒスーパードライなどのヒット商品はネーミングや、パッケージデザインをはじめとするマーケティング戦略の勝利といった方が良いでしょう。

また、ファッションやコスメブランドなどでよく用いられる動物や植物、2つ以上の文字や記号を重ねたモノグラムもオリジナリティあるシンプルなマークが商品ロゴにした際にも展開しやすく、記憶に残りやすいため、「ロングセラーになりやすいロゴ」だと言えます。そして、ウェブや動画などデジタルが中心のサービスロゴでは、シンプルなピクトグラム、アルファベットをモチーフとしたアイコニックなデザインなど、視認性の高さが基本です。

最後に、少し違った視点から開発が必要なのは「街中にある飲食店」などです。たとえば、居酒屋さんのロゴマークは、看板やユニフォーム、店内メニューから集客用のアプリまで、利便性に配慮しながらの設計はもちろんのこと、出店場所の特性を分析し、近隣客などにも覚えてもらえるような安心感のある工夫や配慮が必要です。知名度の無い小さな個人店は、「柔軟な発想のデザイン」が、お店の売り上げにも貢献するロゴデザインとなります。

飲食業界の傾向

飲食業のロゴは、一般的に親しみやすく、覚えやすいデザインを工夫しながらつくります。個人店などスモールビジネスが多いので、こだわりを表現して覚えてもらいたいものです。特定の食品や原料に特化したお店であれば、その食べ物に関連したイラストを使用することも多く、たとえば、焼き鳥チェーンであれば鶏、はちみつメーカーであればミツバチなど、わかりやすいモーチフにすることでも店舗の売り上げに貢献します。

また、ロゴの配色は赤、黄、緑など、鮮やかで食欲をそそる色を使用する傾向にあります。食品もしくは食材の色をそのまま活用して、イメージしやすくしているのです。もしくは、金色や黒色を使って高級感を出すブランド訴求型など、イメージが中心のロゴデザインにすることも可能です。たとえば、海外や日本料理をメインとしている場合は、国旗や文化をイメージさせるようなマーク、色を使うことが一般的です。飲食業界ではロゴだけでなく、色そのものをメインテーマとして、お店のデザインにも統一感を出す工夫をしています。

事例写真①

東京都/大衆酒場(大塚だんす/Brand Logo)

【無料で完成】事業計画書作成ツール
累計8万人が利用!質問に答えるだけで「事業計画書・数値計画書」が完成
⇒事業計画書作成ツールを無料で利用してみる

  • 日本政策金融公庫の創業計画書も作成でき、融資申請に利用できる。
  • 業種別にあなたの事業計画の安全率を判定
  • ブラウザに一時保存可能。すべて無料
⇒事業計画書作成ツールを無料で利用してみる

名が売れるためのロゴ

ネームバリュー!名前が売れるロゴとは?

そもそも、ネームバリューという意味は世間での知名度や名前そのものの価値を指します。企業やブランドのロゴは会社の顔ともいえるデザインです。そして、名前が売れるために、まず企業やブランドのアイデンティティを確立していく必要があります。ウェブサイトはもちろんのこと、パンフレットや広告、名刺や封筒に至るまで、その企業が関連する様々な媒体でロゴが使われますので、企業やブランドを立ち上げる際には、事業計画書と同時期にアイデンティティを確立するための様々な作業も必要となります。その際にはロゴ開発も同時におこなうとロゴ制作も効率的なのです。

たとえば、日本には「暖簾(のれん)を守る」という文化があります。そして、海外等でもネームバリューのあるロゴデザインの上位概念には、必ずアイデンティティ構築という大切なプロセスが入ります。ロゴ開発の上位概念でも、見た目より「なぜこのロゴに至ったのか」「なぜこのようなデザインになったのか」というプロセスの方が本質的な価値となります。そのため、売れるロゴは必ず「事業主側と二人三脚でつくる」必要があるのです。そして、アイデンティティは「機能美(余分な装飾を排してむだのない形態・構造を追求した結果)」の追及がどこまでできるかの勝負となります。

このように大企業のロゴマークは、1年以上の時間を費やしながら丁寧に開発することも決して珍しくありません。また、市場に出すタイミングもネームバリューを獲得するための大きな機会となります。この「ネームバリューをいち早く勝ち取る」には、マーケティングやブランド戦略の観点からロゴを開発することで、市場認知の確立もグッと上がるのです。ただし、スピードを重視するあまり、様々な権利侵害、中途半端なデザインになってしまっては、その後の損失の方が大きくなってしまいますので、専門家への相談をお勧めします。特に国家資格を伴う事業は、薬機法など様々な規制がありますので戦略的に考えましょう。

医療・福祉業界の傾向

医療・福祉のロゴでは、一般的にクリーンでシンプルなデザインが多いよう感じます。弊社では医療や福祉など規制の多い事業は、ご依頼後の再分析や調査をしてからロゴ制作に入るようにしています。私の経験上、時代背景や地域特性に関わらず、色は白を基調にしているケースが圧倒的に多く清潔感をアピールするための表現であることが分かります。また、青、緑などの明るく自然な色合いを使うことも多い業界です。特にこれは介護関連のブランドロゴでも多く見受けられ、健康的なイメージを印象付ける狙いがあるようです。

また、健康や医療を連想させるようなアイコンをロゴ化しているサイトも多々見られます。たとえば、聴診器や注射といったマークから見た瞬間に医療関連であることが分かります。そして、医療法人や介護事業者の名称やシンボル自体を採用しているケースも目立ちます。ブランド価値もしくは法人への信頼が非常に重要な業界ですので、所属先を押し出したい時には有効な方法です。逆に医療機器や保育園などでは独自性を意識したロゴも必要です。

事例写真②

熊本県/幼保連携型認定こども園(せきれい子ども園/Brand Logo)

まとめ

売れるロゴにするために

まず、打ち出したいブランドイメージをハッキリさせることで、カラーやマークも決めやすくなります。たとえば、高級車のブランドロゴは、黒や金を基調にしたり、動物をマークにしたりする傾向があります。これはブランドとしての高級感やスピード感をコンセプトに表現するからなのです。「ブランドイメージ」と「デザインコンセプト」この2つを明確にすると必ず成果につながります。

もう一つ大切なのがロゴデザインの選定基準です。選定する人は立場によって、関心のある事柄の重要度や優先順位が異なります。ものごとを見る立場のことを「視座」、ものごとを見る見方の要点、つまり目の付けどころを「視点」といいます。そして、その視点からも何を重要視し、大切にしたいのかを判断するための基軸、考え方の基準のことを「価値観」といいます。この「価値観」こそ、ヒットするロゴづくりの大事な観点となります。

ロゴ・マークの決め方

大切なのでもう一度言います。選定する人、創作する人、利用する人、この3つの価値観に独自性を加えましょう。そして、コーポレートやブランドロゴは単なるロゴデザインだけではなく、ブランドの世界観やメッセージを社会へと発信する大切な役割があります。ロゴを起点とし、統一性と一貫性を維持することにより、ブランドへ独自性を持たせることも可能になります。ロゴのコンセプトを決める際には、ビジョンや理念、目的を明確にしましょう。

最後に。
私たち、あめとつち株式会社も『上質な佇まいをデザインする』という大切なコンセプトがあります。全国の経営者様、新規事業をお考えの皆様、私たちはブランディングデザインの専門家として、随時ご相談を受け付けております。お気軽にお問い合わせください

執筆者プロフィール:
ドリームゲートアドバイザー 龍輪 誠 / あめとつち株式会社

キャリア25年以上の実績を誇る、ブランディングの専門家。ロゴやウェブサイト、商品のデザインはもちろんスペースデザイン、広報・PR支援など幅広く手がけます。商品をもっと売れるように刷新したい、もっとPRしたいと思ったらご相談してみてください。親身に相談に乗ってもらえるでしょう。

プロフィールを見る>>| 無料オンライン相談受付中

ドリームゲートアドバイザー 龍輪 誠

この著者の記事を見る

起業、経営ノウハウが詰まったツールのすべてが、
ここにあります。

無料で始める