資金調達に成功する、福祉施設の事業計画書の書き方

この記事はに専門家 によって監修されました。

執筆者: ドリームゲート事務局

事業計画書とは

書く目的・必要な場面

事業計画書は、主に資金調達のために作ります。銀行からの融資、投資家からの出資など、資金調達の方法によって書き方は変わりますが、介護ビジネスの場合は融資を受ける場合が大半です。そのため、本稿では銀行へ事業計画書を提出することを想定して説明していきます。

介護ビジネスならではの使える融資と助成金

介護ビジネスは、少子高齢化社会の日本にとって今後さらに重要性が増していく業種です。行政のサポートも手厚く、さまざまな制度融資や助成金が活用できるようになっています。

例えば、厚生労働省の管轄で「人材確保等支援助成金(雇用管理制度助成コース、介護福祉機器助成コース、介護・保育労働者雇用管理制度助成コース)」というものがあり、一定の基準を満たせば介護機器購入などの助成金を受けることができます。

この他にも、公益財団法人が設置する独自の助成金もあります。

厚生労働省ホームページ
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000199292.html

公庫の創業計画書

日本政策金融公庫のことを「公庫」と呼びます。公庫は創業者の強い味方。多彩な創業サポートメニューと、豊富な制度融資で起業したての資金繰りをサポートしてくれます。

公庫は政府系の金融機関のため、指定の融資書類を提出する必要があります。「創業計画書」とは、公庫指定様式の事業計画書のことです。

記入する内容は一般的な事業計画書とほぼ同じですので、あらかじめ事業計画書づくりがきちんとできていれば記入に困ることはないでしょう。

創業計画書ダウンロード
https://www.jfc.go.jp/n/service/dl_kokumin.html

公庫の創業支援
https://www.jfc.go.jp/n/finance/sougyou/index.html#ancr03

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事業計画書の書き方

アイデアシート

まずは、アイデアシートの項目をひとつずつ埋めてみましょう。ドリームゲートオリジナルのアイデアシートはこちらからダウンロードできます。

成功したビジネスを見ると、私にはこんな素晴らしいアイデアは浮かばない…と思いがちですが、実際はどんなに成功したビジネスも、ちょっとした思いつきをしっかりブラッシュアップすることによって生まれています。

項目をすべて埋めることができた頃には、ビジネスのイメージがかなり具体的になっているはずです。

事業名・会社(代表者)のプロフィール

会社と経営者の略歴を書きます。会社設立前に個人事業主の実績がある場合は、プラスになる範囲で記載してあげましょう。代表者のプロフィールは履歴書のように細かく書くのではなく、起業につながりそう・役立ちそうな部分を強調して書きましょう。

事業の目的とサービス内容

まずは何の会社か分からないと、計画書を読み進められません。なるべく素人でも分かりやすい言葉で、簡潔かつ丁寧に事業内容を説明してください。金融機関の担当者といっても、あらゆる業種に詳しいわけではありません。専門用語を使いすぎないように気をつけましょう。

物件調査・人員計画

介護ビジネスをやるにあたり、物件調査はとても重要です。広さや立地により、ビジネスの規模がどれくらいになるかがある程度決まってしまいますし、それに合わせた人員計画を組まなければなりません。

また、福祉施設には人員・設備基準が定められています。例えば居室には多床室とユニット型個室があり、それぞれ要件が定められています。詳しくは厚生労働省のQ&Aをご覧ください。

厚生労働省HP Q&A
https://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-12601000-Seisakutoukatsukan-Sanjikanshitsu_Shakaihoshoutantou/0000171814.pdf

市場環境、競合優位性

介護ビジネスの場合、今後市場の拡大が見込まれる業種です。社会のニーズもあり、マーケット環境からいえば比較的恵まれた業種といえるでしょう。しかし、その分競合も多数ひしめき合っています。

長期的な成長を目指すのであれば競合との差別化は避けて通れません。周辺の介護事業者を詳しくリサーチし、既存の事業者が満たせていないニーズを探し出しましょう。

経営プラン・財務計画

5年〜10年スパンで、長期的な経営の方針と投資計画を立てます。投資というのは、お金を増やすことではなく、設備投資などの事業を維持・拡大するのに必要な投資のことです。例えば、開発・生産計画、人員・組織計画などを起業した時点である程度計画を立てておきます。

もちろん計画通りに進むことの方が少ないのですが、行き当たりばったりの経営にならないためには必要なプロセスです。

資金計画

毎月の収支予測と資金繰り表を作成します。資金繰り表とは、実際のお金の動きを予想するものです。売上が立つタイミングとお金が入ってくるタイミングが異なるため、手元の現金不足を防ぐために作成します。最低でも2年、できれば3年分作成しましょう。

資金計画は完璧に予想通りになることはありえませんが、あらかじめ計画を立てておけば経営状況が悪化した際にいち早く気づき、対策を講じることが可能になります。

リスクと解決策

例えば事故リスク、情報漏洩リスク、採用リスク、感染症リスクなど予想できるリスクを列挙し、それぞれの解決策を考えておきます。最近は介護施設でのコロナウイルス感染リスクが高まり、各事業所で対応を求められたのは記憶に新しいところです。こうした事態も、あらかじめ想定できていれば土壇場で慌てずにすみますね。

事業計画書テンプレートのダウンロード

初めての方にとっては、事業計画書を一から作るのはとても難しく思えるでしょう。そんな時は、まずテンプレートに従って作ってみるのがおすすめです。真似しながらでも仕上げることができれば、そこにオリジナリティを加えていくのは簡単です。

数多くの資金調達を成功させてきたドリームゲートが作ったテンプレートは、無料でダウンロードが可能です。まずは事業計画書がどんなものか知るところから始めましょう!

https://www.dreamgate.gr.jp/contents/manual/m-businessplan/36682

事業計画書作成サポートツール

「簡易的でもいいから、とにかく簡単に事業計画書を作成してみたい」そんな方には、ブラウザ上で質問に答えるだけでシンプルな事業計画書が作れる「事業計画書作成サポートツール」がおすすめです。質問に答えるだけで、あなたの業種に合ったオリジナルの計画書が完成します。

もちろんこれをそのまま融資の申し込みに使うことはできませんが、まずは最初の一歩ということで、お試し感覚でやってみてはいかがでしょうか?

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さらに、作成した事業計画はCSV形式、Excel形式、PDF形式でデータをダウンロードでき、日本政策金融公庫の融資申請時の事業計画書としてご利用頂けます。

あなたの事業計画は成功する計画かどうか、ぜひチャレンジしてみてください。

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必要な許可と要件

介護保険サービスの指定事業者になることが必要

介護保険の適用を受けるには、介護保険サービスの指定事業者になることが必要です。介護保険サービスを提供する指定事業者には、「指定居宅介護支援事業者」「指定居宅サービス事業者」「介護保険施設」の3つの種類があり、サービスごとに指定の基準が異なります。

それぞれの指定基準(人員基準・設備基準・運営基準)を満たした上で申請し、各都道府県等の審査を経て指定を受けて初めて、介護保険の適用される事業者としてサービスを実施することができます。

人員基準の例(デイサービスの場合)

管理者 常勤で1名
生活相談員 通所介護で提供する時間数に応じて、同じ通所介護に専従で提供する人が1名以上
機能訓練指導員 常勤で1名以上
看護職員 1名以上(利用者数に応じて変動)
介護職員 1名以上(利用者数に応じて変動)

上記は通所介護(デイサービス)の場合。訪問介護、居宅介護支援は別基準となります。

詳しくは厚生労働省HPをご覧ください。

指定が不要な特例もあり

上記の他にも、介護保険サービスを提供することができる特例があります。例えば介護保険法施行前から介護サービスを提供していた場合、市町村判断により介護保険サービス相当であると判断される場合など、個別の事情により判断されます。詳しくは、開業予定の市町村にご相談ください。

https://www.businesslawyers.jp/practices/1089

福祉施設の開業におススメの書籍

入門図解 最新 介護保険【サービス・費用】と介護施設 のしくみと手続き

介護施設を開業しようとする方向けに、介護保険のしくみや使える制度をわかりやすく図解で解説しています。介護ビジネスを始めるためのノウハウがこれ一冊にまとまっていて、文字ばかりのノウハウ本が苦手という方にも読みやすくておすすめです。

筆者は行政書士として介護ビジネスのサポートをするかたわら、自分でも介護施設を運営するプロフェッショナルです。

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デイサービス生活相談員“できる”仕事術: 変わる!地域包括ケア時代の働き方/2015年度介護報酬改定新基準に完全対応! (もっと介護力!シリーズ)

介護施設に欠かせない生活相談員(ソーシャルワーカー)。幅広い知識や柔軟な立ち回りが必要とされますが、各施設には仕事の進め方を体系化して教えられる人が少ないのが実状。本書では経験や一般論に頼ることなく、法的基準や厚生労働省のガイドラインなどしっかりした根拠が付されているため、スタッフ向けのマニュアルにも使用できます。

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障がい福祉事業の開業・手続き・運営のしかた

介護ビジネスは専門用語が多く、開業に関わる事務手続きで挫折しがちです。また、開業後も行政による監査や実地指導があり、都度クリアできないと許可が取消になってしまいます。

本書では、豊富なノウハウを持つ福祉専門の行政書士が、「指定」をスタートラインに施設運営のノウハウを伝授します。開業後も永きにわたって重宝間違いなしの一冊です。

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まとめ

介護ビジネスは独特のルールが多く苦労することもありますが、開業に苦労した分、利用者や家族に感謝されることも多い仕事です。立ち上げに関する事務が難しく感じる場合は、思い切って専門家に相談するとよいでしょう。起業家支援のプロ・ドリームゲートでも介護ビジネス開業のサポートを行っています。

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あなたの事業計画は成功する計画かどうか、ぜひチャレンジしてみてください。

 

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