起業を検討しているけれど、「失敗が怖い」「失敗したらどんなリスクがあるのだろう」と不安に感じている人も多いのではないでしょうか?
たしかに起業には失敗がつきもので、多くの偉大な経営者も失敗を経験しています。
しかし具体的に、失敗したらどうなるのか、失敗のリスクを軽減するポイントなどを頭に入れておくことで、あらかじめリスクの程度を把握することができますし、起業に対する不安も軽減できます。
起業の失敗例、失敗した場合のリスクをおさえる方法、失敗のその後について詳しく解説していきます。
- 目次 -
起業後4分の1が1年で失敗!起業の現実とは
起業とはそれほど甘いものではありません。
中小企業庁の「中小企業白書」によると、起業した会社が1年後にも生存している確率は75%(法人77.6%、個人事業主68.3%)となっており、実に起業した事業者の25%、つまり4分の1は1年後には事業を存続することができていません。起業は誰でも成功できるものではなく、失敗する人も多数存在するのが現実なのです。
起業で失敗しないためには、入念に計画を立てることと同時に、過去の失敗事例を学ぶことなども重要になるでしょう。起業することは決して甘いことではありません。
参考https://www.chusho.meti.go.jp/pamflet/hakusyo/h18/H18_hakusyo/h18/html/i1220000.html
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失敗しないためには最初が肝心!起業で失敗する3つのパターン
起業で失敗する代表的な例は、次の3つです。
- 初期費用をかけすぎた
- 手元の使える現金を把握できていない
- 裏切り・人間関係の悪化
逆にいうとこれらに気をつければ、起業で失敗する多くの要因を排除することができるのです。この3つのパターンについて、しっかりとおぼえておいてください。
初期費用(固定費)をかけすぎた
起業のさいに初期費用をかけすぎてしまうと失敗する大きな原因になります。
たとえば、飲食店が起業の際に内装や設備にこだわりすぎて失敗するケースがあげられます。内装や家具などはこだわってしまうと、かんたんに数千万円程度の投資になってしまいます。これらの投資を融資などの借金で行なってしまうと、開業前でどの程度の売り上げがあるかも分からない状態で、家賃や人件費といった通常の固定費に加えて、借金返済という固定費も発生します。
売上不透明な起業当初の段階ではできる限り固定費をかけないことが重要ですが、初期費用をかけすぎると資金ショートしてしまう可能性があります。
手元の使える現金を把握できてない
「支払いのための資金はいくら必要なのか」「自由に使うことができるお金はいくらなのか」という当たり前の計算ができていないケースも失敗する典型的な事例です。
事業をおこすと、サラリーマン時代には考えられないような大きなお金が入ってくることがあります。
それらのお金から様々な経費を支払い、残ったお金が自分のお金になります。しかし、起業して間も無くの頃は「入金になったお金は全て自分のお金」と勘違いしてしまい、入ってきたお金をすべてプライベートな用途に使ってしまうという人が少なくありません。当然ながら、このような使い方をしてしまうと、経費の支払いに回すべきお金が残っていないため起業経営は非常に苦しくなってしまいます。
また、資金繰りの流れを理解できていないと、帳簿上は利益が出ているにも関わらず資金が足りずに資金ショートしてしまう、いわゆる「黒字倒産」がおこります。
「どこまでが事業のお金で、どこからがプライベートのお金なのか」「資金繰りの流れはどうなっているのか」ということを理解できていないことも起業で失敗する事例の1つです。
裏切り・人間関係の悪化
「共同経営者に裏切られた」「ビジネスパートナーと人間関係が悪化した」なども起業で失敗する典型的な原因です。
起業する人の中には、自分1人で起業せずに友人やビジネスパートナーと起業するというケースも少なくありません。最初のうちは仲良くしても、次第に利益の配分や経営方針などで揉めることが多くなり不仲になることはよくあることです。
また、最悪のケースとしては、ビジネスパートナーが会社の現金を持ち逃げして、自分には借金だけが残ってしまうというケースです。他人を信用しすぎたゆえに、失敗してしまうことは起業の失敗原因としてよくある事例です。
起業で失敗したその後は二極化する
「もしも起業で失敗してしまったら人生どうなってしまうのだろう」と不安に感じている人も多いのではないでしょうか?
確かに起業に失敗すると少なからずリスクはあります。
しかし、失敗を活かしてその後の人生を飛躍させている人もいれば、失敗したまま多額の借金を背負い、その借金に追われる人生を歩む人もいます。
起業に失敗した後は、その後どうなってしまうのか成功する事例と失敗し続ける事例に分けて解説していきます。
経験を活かし、後に別の形で活躍する
起業で得られる経験というのは、会社員では得られないものばかりです。
人脈や資金繰りに対する考え方はもちろん、何よりも「自分の仕事が会社にとっていくらの利益になるのか」という経営者目線で仕事を考えられるようになり、これはノルマや指示だけに追われている他の会社員との大きな違いです。
一度起業に失敗しても、起業で得た人脈やマインドを生かし、再び会社員になったり再度起業することで成功をつかむことができた人も多数存在します。
多額の負債を背負ってしまう
起業の失敗でもっとも恐ろしいのが、失敗によって多額の借金を負ってしまうということです。
起業の際に初期投資にお金をかけすぎてしまうと必然的に借金の金額は大きくなります。法人で借金をしても代表者は連帯保証人になることが一般的ですので、起業の際の多額の借金は、事業を廃止した後も自己破産しない限りは背負っていかなければなりません。借金が多すぎると返済するためのお金を稼ぐことに追われる生活を強いられるようになってしまいます。
こうなってしまうと再度成功するまでに長い遠回りを強いられることになってしまうでしょう。
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起業のリスクは避けられる!起業に失敗しない5つのポイント
ここまで読むと、起業するのがこわくなってしまったかもしれません。しかし、起業で失敗しないコツや失敗のリスクを最小限に留める方法は確実に存在します。
起業で失敗しないためには、「できる限り低いリスクで、できることから始めてみる」ということが重要になります。
主な方法としては以下の5つの方法があります。
- 初期費用を小さくする
- 副業/複業からはじめる
- 資金繰り表の作成、手元資金の管理
- ミニマムで起業する
- 自分1人で始める
起業で失敗しないための5つのコツについて詳しく解説していきます。
初期費用を小さく(固定費)ヒト・モノ・カネを削る
初期費用が多すぎると借金が大きくなります。また、家賃や人件費などの固定費も大きすぎると資金繰りを圧迫します。
起業後の売り上げが思うように伸びなかった場合でも事業の存続ができるように以下の3つを最小限にするのがポイントです。
- なるべく借金をせずに初期費用を最小限に
- できるかぎり自分で働き、雇う人を最小限に
- 家賃などの固定費を最小限に
この3点を徹底することでお金のリスクを避けることができます。
週末起業(副業)からはじめる
最初から本格的に事業を始めるのではなく、日曜日だけ事業を営むなど、副業的にスタートさせるという方法も検討しましょう。
例えば、エンジニアなどであれば、クラウドソーシングサイトなどを活用して最初は副業でお金を稼ぐことは比較的かんたんです。
「副業で売り上げのメドがたつようになったら本格的に起業する」というほうがより確実に起業をすることができます。失敗のリスクを軽減するために最初に「お試し期間」を設けてから起業するようにしましょう。
支払と売上を把握する(資金繰り表を作る)・手元に余剰金を残す
「入金はいくらか」「そこからいくらの支払いをいつまでにしなければならないのか」という資金の流れを資金繰り表などによって明確にしておきましょう。
企業は赤字や債務超過だから倒産するのではなく、資金がなく支払いができなくなることによって倒産します。
そのため、資金の流れを把握し、できる限り手元に余剰金を残しておくことで資金ショートのリスクを大幅に軽減することができます。
まずは小さく起業する
最初は自宅などでできる限りコストをかけずに起業しましょう。大きな店舗を構えるのではなく、屋台や自宅などで小さく起業した方が間違いなくリスクは低くなります。
小さく起業し、そこで成功してから大きく展開しても全く遅くはありません。まずは無理なく起業できる範囲で起業した方が失敗のリスクを抑えることができます。
個人で始める。他人を信用しすぎない
他人を信用したり頼ることなく、基本的には自分1人や家族だけで起業した方がリスクは抑えられるでしょう。
人を雇うのではなく必要に応じて外注した方がリスクは軽減できます。また、どうしても友人同士で起業するなら、契約書を交わして条件付きで株式の一部を譲渡するなど、権利や責任を明確にしておきましょう。
友人だから、ビジネスパートナーだからと馴れ合いにおちいるのは危険です。
起業の失敗を学ぶことができるおすすめ書籍 3選
起業の失敗に関するおススメの書籍として以下の3冊をご紹介します。
『失敗の科学』は医療ミスから飛行機の墜落まで、あらゆる失敗をオックスフォード大を首席で卒業したジャーナリストが科学的に究明していく本です。
『相談件数No.1のプロが教える 失敗しない起業 55の法則』
『相談件数No.1のプロが教える 失敗しない起業 55の法則』はこれまで3,000件の起業を見てきた筆者が知っている失敗のパターンを紹介する本です。失敗のパターンを知り計画を見直すことで失敗の確率を限りなくゼロに近づけることができるとしています。「起業で失敗したくない」という人にとっては必読といえるかもしれません。
『起業「成功」ノート』は起業するための準備や起業で成功するために必要な準備などをまとめた本です。こちらはKindleで0円ですので、漠然と「起業したい」と考えている人も、とりあえず読んでおくとよいでしょう。
まとめ
起業には失敗がつきものです。100%失敗しない方法などあり得ません。
しかし、あらかじめ準備をしておくことによって、失敗した際のリスクは大幅に軽減することが可能です。
「失敗する原因はどのようなことなのか」を事前に学び、できる限り失敗しないように起業するのと同時に、失敗した場合のリスクを最小化できるようにしておきましょう。