起業したいと考え始めた時には、アイデアが具体的にならなかったり、具体的な進め方が分からなかったりで、気軽に相談できる相手がほしいと思うものですよね。しかし、期待した結果が返ってくるか分からないのに有料で相談するのは抵抗があります。そんな時に便利なのが無料の相談窓口です。公的なものから民間のプロによるものまでたくさんの窓口をご紹介するので、ぜひ参考にしてみてください。
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無料で起業の相談ができる5つの機関
ドリームゲート専門家への相談
ドリームゲートは、経済産業省の後押しを受けて2003年4月に発足した日本最大級の起業支援プラットフォームです。
一定の審査を通った起業の各分野における専門家が約300名在籍しており、起業の相談をメールや対面で受けています。
ドリームゲート在籍の専門家は、初回のメール相談が無料となっています。専門家によっては対面での面談も無料で行っていますので、アイデアブラッシュアップのような壁打ちから、具体的なトラブルにおける相談、税や労務、法務などの相談も持ち掛けられます。
ドリームゲートは累計相談件数62,170件、利用者満足度は97%と、実績も確かな起業支援プラットフォームです。安心して利用をご検討ください。
各地域の商工会議所
一番身近で、創業後もお世話になる可能性が高いのが地域の商工会議所です。事業者向けの補助金や支援制度は商工会議所が窓口になっている場合がほとんどで、地域の小規模事業者の強い味方です。地域密着の事業を考えているなら、起業準備の時点で商工会とつながっておいて損はないでしょう。
経営まわりの一般的な相談はもちろん、物件探しや人探し、地域だけの支援制度など他では手に入らない情報を教えてくれることがあるからです。一般には流通していない物件情報や事業承継の話などを探しているなら、商工会への相談は必須です。
よろず支援拠点
よろず支援拠点は、国が日本各地に設置した無料の経営相談所です。相談できる内容は商品開発、人材育成、後継者探しなど多岐にわたり、専門のアドバイザーが親身になって相談に乗ってくれます。各分野の専門アドバイザーが在籍しているので、専門的な内容でもプロのアドバイスを受けることができるのもポイントです。
課題の大小を問わず何度でも無料で相談できるので、ひとりで悩んでしまいがちな社長の心強い味方となっています。まずは近くの拠点で相談すれば、チーフコーディネーターを中心としたチームがあなたの課題解決に向けて一緒になって方法を考えてくれます。
日本政策金融公庫
日本政策金融公庫といえばお金を貸してくれるところというイメージがありますが、一般の経営相談の窓口も設置しています。公庫は創業融資に強みを持っているため、経営相談も主に創業準備中の方、創業間もない方をメインに対応しています。
特に注目したいのは、電話で創業に関する相談ができる「創業ホットライン」という制度。全国どこにいても相談ができ、フリーダイヤルで電話代の心配もいらないのがありがたいところです。
また、顔を合わせてじっくり相談できる窓口も日本各地に設置されています。中小企業診断士とじっくり1時間、無料で相談ができる手厚いサポートとなっています。ぜひ事前予約のうえ利用してみてください。
https://www.jfc.go.jp/n/finance/sougyou/riyou/sougyoumae/
中小企業基盤整備機構(中小機構)
中小機構は企業のフェーズを創業期・成長期・成熟期の大きく3つに分け、それぞれのフェーズに合ったサポート体制を展開しています。他の公的機関と異なるのは全国32箇所でインキュベーション施設を持っており、表彰制度『Japan Venture Awards』を運営するなど、スモールビジネスにとどまらないスタートアップ的な起業相談に強みを持っている点です。
中小機構で特に面白いのは、チャットボットが経営相談に乗ってくれる「E-SODAN」というサービスです。AIなので365日24時間相談対応してくれ、個人情報も必要ないので気軽に相談できるのが魅力です。AIは定型的な質問にしか回答できませんが、物足りない場合は中小機構在籍の専門家ともチャットができるので試してみる価値はありそうです。
https://www.smrj.go.jp/sme/consulting/tel/index.html
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悩み別・無料の相談先はこれだ!
最初から最後まで無料の相談先というと公的機関が中心になりますが、行政が運営に関係している事情もあり、裏事情や抜け道的なアドバイスがもらいにくい側面もあります。正面突破だとどうにもならない問題でも、民間の経験豊かなアドバイザーであればより実用的なアドバイスができることがあります。
具体的なお悩み別に、公的機関・民間関係なく無料で相談できる窓口を紹介するので参考にしてください。
起業のアイデアについて相談したい
起業したいという思いはあるが、どんな分野で起業したら良いのかについてアイデアがまとまらない。また、ふわっとしたイメージはあるけど収益化できるか不安。そんな時には、たくさんの起業事例を見てきた専門家に相談するのが効果的です。
アイデアしかないような段階で相談しても、ヒアリングを通して事業として形にしていくためのヒントをくれるはずです。このアイデアで事業化はできるかどうか?そんなレベルでの相談でも心配ありません。ドリームゲートのアドバイザーなら親身になって相談に乗ってくれます。
商品・サービス設計について相談したい
商品やサービスのイメージはあるけど、具体的な商品設計や業務フローがイメージできずに困っている方は、その分野の見識がある方を探して具体的な相談をするのがおすすめです。商品やサービス設計は突き詰めるとどこまでも細分化できるので、未経験の起業志望者がリアルな商品設計をするのは難しい部分があります。
こういう時は思い切って、業界に詳しいアドバイザーに相談するのが手っ取り早く効果的です。ドリームゲートには様々な業界に詳しいアドバイザーが在籍しているので、ぜひ気軽に相談してみてください。
資金調達について相談したい
創業者はその分野のプロではありますが、会社のお金や事務まわりの専門家ではありません。もちろん自力で資金調達に挑戦するのは会社をよく理解するうえで重要ですが、経営者には他にもたくさん考えなければならないことがあります。
苦手なお金回りの事務に時間を取られるくらいなら専門家に最初から相談するという手も有効でしょう。スモールビジネスの融資を中心とした資金調達からスタートアップが出資金を獲得する方法まで、ドリームゲートにはたくさんの専門家が揃っています。
資金調達は誰もがぶつかる最初の壁。無料で参加できるセミナーもたくさん開催されているので、まずは話を聞いてみるのはいかがでしょうか。
https://www.dreamgate.gr.jp/seminar/category/shikinnchoutatsu
営業・マーケティングについて相談したい
商品やサービスが素晴らしければ勝手に評判が上がって売れていく…現代においてそれは幻想に近いかもしれません。誰もが様々なサービスを簡単に比較検討できるようになった今日では、いかに比較の土台に乗るか、そしていかに選びたいと思ってもらえるかを考えることが欠かせません。
営業やマーケティングは誰でもできるようでいて専門性の高い分野です。「営業」という言葉に抵抗がある人ほど話を聞いてみて損はないでしょう。ドリームゲートにも多くの専門家が在籍しています。
会社設立について相談したい
会社設立にあたって、まずは何から取り掛かればよいのか全然分からないというのが正直なところではないでしょうか。スモールビジネスの場合は法人格を取得するのか個人事業主なのかそれぞれにメリット・デメリットがあり悩むこともあるでしょう。
具体的にどのような場面で違いが出てくるのか、実際にあった話や経験をもとに相談に乗ってくれるのはやはり会社設立の専門家です。もちろん、シンプルに事務手続きについての相談もOKです。相談だけでなく、手間を省くために申請事務の代行をお願いすることもできるでしょう。さまざまな会社を見てきたプロに相談すれば会社設立に関するモヤモヤを解決してくれるはずです。
海外進出について相談したい
海外進出はハードルが高いもの、そんな先入観がないでしょうか。海外進出は常々起業家にとって目標となるテーマであり、難しくも感じられますが、実は共通したノウハウが存在します。自力で闇雲に手続きを進めると、進出先の思わぬ慣例や法規制で計画が頓挫することにもなりかねません。
海外進出は経験がものをいう領域なので、ぜひ専門家に相談することをおすすめします。JETROでは日本企業の海外進出を総合的に支援しており、政治情勢に詳しい専門家が多く在籍しています。国のサポートを受けながら海外進出を成功させましょう。
何から何まで相談したい!
悩みを言語化できない。不安な気持ちも含めて何から何までまるっと相談に乗ってもらいたい。わがままかな…と思っている方もいるかもしれませんが、まったくそんなことはありません。周囲に起業家がいれば相談もできますが、そういった知り合いもいなくて不安という方は多いはずです。
よろず支援拠点はどんな経営相談にも乗ることをモットーとしており、不安な経営者の気持ちに寄り添ってアドバイスをしてくれます。起業前・起業後の縛りもなく、幅広くどんな相談にも乗ってくれるのが魅力です。相談を経て問題が具体化してきたら、経験豊かなアドバイザーがあなたの悩みを解決するためにチームを組んで取り組んでくれますよ。ぜひ気軽に相談してみてください。
「税理士」「弁護士」「行政書士」・・いっぱい専門家がいるけど、誰に何を頼めばいいの!?
税理士、弁護士、行政書士、いずれも免許が必要な専門家です。それぞれ対応できる分野が異なり、弁護士に会社設立の事務をお願いしても何もできませんし、許認可の取り方を税理士に相談してもこれといった答えは返ってこないでしょう。それは専門分野が異なるからです。それぞれの専門分野を表にまとめたので、専門家に相談する前の確認に役立ててください。
起業に関する課題 | 相談・依頼する専門家 |
会社設立 | 司法書士、行政書士 |
税務届出・会計・税務申告 | 税理士 |
社会保険等加入手続き・労務 | 社会保険労務士 |
許認可の必要判断・手続き依頼 | 主に行政書士(内容により社会保険労務士) |
資金調達・創業融資 | 認定支援機関、税理士、中小企業診断士 |
経済産業省系補助金 | 認定支援機関、税理士、中小企業診断士 |
厚生労働省系補助金 | 社会保険労務士 |
商標・特許の相談、手続き依頼 | 弁理士 |
法律相談 | 弁護士 |
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こんなことも相談できる…実際にあった起業相談
実際にドリームゲートに寄せられた相談と、専門家からのアドバイスを紹介します。
「アイデアはあるけれど、何をすればいいのかわからない」という段階の相談例
I県の会社員は、自宅がある地域の防災ボランティアをしています。この活動のなかで、防災用品の購入、管理、保管に多大なコストと労力が投じられていることを知りました。
そこでこの会社員は、同じ悩みを抱えている地区や地域や自治体は、意外に多いのではないか、と思いました。もし、防災用品の購入、管理、保管を一括して引き受けるサービスを事業化すれば、ビジネスになるのではないかと考えたわけです。
この質問に対し、ドリームゲートに登録している専門家は、本格的な事業を立ち上げる前に、テストマーケティングを実施することをすすめました。
それは、防災関連サービスは予算が限られていることが多く事業化しにくいからです。ただ、ビジネスの「目のつけ所」としては「意義がある」と評価しています。
このアドバイスをした専門家は、事業計画、商品計画、IT・ネット系経営計画を得意にしています。
https://profile.dreamgate.gr.jp/QaItems/detail/1404
主婦の起業についての相談例
ドリームゲートには、起業家マインドを持った主婦からも相談が寄せられます。
20代の1児の母親は、「赤ちゃんと子供向けのフォトスタジオ」で起業したいと考えていました。親に、撮影場所、撮影機材、衣装、小物などを貸して、親にカメラマンになってもらうアイデアです。これに対し、行政書士や宅地建物取引士などの資格を持つアドバイザーは、「創業相談」を受けるようアドバイスしました。
全国の市区町村は、産業競争力強化法に基づき、起業家たちの創業支援に力を入れています。また中小企業庁も、創業スクールというイベントを定期的に開催しています。このアドバイザーは、行政機関の公的支援を、このママ起業家にアドバイスしました。
https://profile.dreamgate.gr.jp/QaItems/detail/1380
コロナで収益減、ネット販売に活路を見出したい方の相談例
新型コロナウイルス感染症の拡大で収益減に陥った人からの相談も、すでにドリームゲートに届いています。
この人はあるホテルの売店で働いていて、ホテルの客が減ったことで売上の激減に見舞われました。そこで、ネット販売に活路を見出そうとしています。
事業計画や市場分析の専門家は、この相談に対し、ネット販売への進出はタイムリーであるものの、一定規模の売上高を確保することは「なかなか大変である」とアドバイスしています。
また、食品をネット販売するのであれば、食品衛生法を順守しなければならないことや、保健所から営業許可を得る必要がある、とも助言しています。
https://profile.dreamgate.gr.jp/QaItems/detail/1416
まとめ
最初から一人で起業できる人などいません。誰しも悩んだり失敗したりしながら起業にこぎつけているものなのです。だからこそひとりで悩まずに専門家に相談して、効率よく事業を軌道に乗せましょう。人の手をうまく使うのも経営者の素質のひとつですよ。